Eucalyptusのインストールと設定
NC のインストール
次に、NC をインストールします。フロントエンドのインストールと同様に、依存するパッケージをインストールします。
yum -y install httpd perl-Convert-ASN1
フロントエンドのインストールで使用した「 eucalyptus-2.0.2-centos-x86_64.tar.gz 」をNC にも配置し、展開します。
tar xzvf eucalyptus-2.0.2-centos-x86_64.tar.gz cd eucalyptus-2.0.2-centos-x86_64/eucalyptus-2.0.2-rpm-deps-x86_64/
Eucalyptus が依存するサードパーティ製のRPM パッケージをインストールします。
rpm -Uvh aoetools-21-1.el4.x86_64.rpm \ euca-axis2c-1.6.0-1.x86_64.rpm \ euca-rampartc-1.3.0-1.x86_64.rpm \ perl-Crypt-OpenSSL-Random-0.04-1.el5.rf.x86_64.rpm \ perl-Crypt-OpenSSL-RSA-0.25-1.el5.rf.x86_64.rpm \ perl-Crypt-X509-0.32-1.el5.rf.noarch.rpm \ python25-2.5.1-bashton1.x86_64.rpm \ python25-devel-2.5.1-bashton1.x86_64.rpm \ python25-libs-2.5.1-bashton1.x86_64.rpm cd ..
最後に、Eucalyptus のパッケージをインストールします。
rpm -Uvh eucalyptus-2.0.2-1.x86_64.rpm \ eucalyptus-gl-2.0.2-1.x86_64.rpm \ eucalyptus-nc-2.0.2-1.x86_64.rpm
以上で、Eucalyptus のインストールは完了です。
Eucalyptus の設定
本節では、第2 章で紹介した各ネットワークモードごとに、フロントエンド(CLC/Walrus/CC/SC)とNC の2 台構成の具体的な構成と設定の例を説明します。ネットワークモード別の設定を解説していますが、デフォルト値から変更する設定のみ説明しているので、各設定項目の詳細については付録A を参照してください。
SYSTEM モードの場合
構成例
SYSTEM モードの場合、フロントエンドとNC が接続するネットワークにDHCP サーバが必要になります( 図5 )。Eucalyptus が起動したインスタンスのIP アドレスは、このDHCP サーバから取得されます。
図5:SYSTEM モードの構成例 |
設定ファイルの編集
構成例と同じ構成の場合、Eucalyptus の設定ファイル( /etc/eucalyptus/eucalyptus.conf )を編集する必要はありません。これは、Eucalyptus の設定ファイルがデフォルトでSYSTEM モードに設定されているためです。
次のコマンドを実行し、Eucalyptus のコンポーネントを起動します。
# フロントエンドで実施 /etc/init.d/eucalyptus-cloud start /etc/init.d/eucalyptus-cc start # NCで実施 /etc/init.d/eucalyptus-nc start
コンポーネントの登録
フロントエンドで次のコマンドを実行し、CLC にWalrus、CC、SC、NC を登録します。途中、SSH でログインするためのパスワードを尋ねられるので、適切なパスワードを入力してください。
# Walrusの登録(IPアドレスはフロントエンドのeth0を指定) euca_conf --register-walrus 192.168.1.100 # CCの登録(「cluster0」は任意の名称、IPアドレスはフロントエンドのeth0を指定) euca_conf --register-cluster cluster0 192.168.1.100 # SCの登録(「cluster0」はCCの登録で指定した名称、IPアドレスはフロントエンドのeth0を指定) euca_conf --register-sc cluster0 192.168.1.100 # NCの登録(IPアドレスはNCのeth0を指定) euca_conf --register-nodes "192.168.1.101"
SYSTEM モードの設定は、以上で完了です。
Eucalyptusのインストールから設定、APIの利用方法やマシンイメージの作成方法などを丁寧に解説。AWSとの連携など、今後のトレンドであるハイブリッドクラウドやインタークラウド(クラウド相互互換)についても言及。GoogleやAmazonなどが提供するクラウド環境を社内インフラを用いて独自に構築できる。
羽深 修/志田 隆弘/田中 智文
(NTTデータ先端技術株式会社)著
価格:3,990円 (本体 3,800円+税)
発売日:2011年5月25日発売
ISBN:978-4-8443-3025-7
発行:インプレスジャパン