動画・音声のブラウザ対応状況、canvasによる描画

2012年4月24日(火)
飯島 聡(著)山田 祥寛(監修)

メディアファイルの再生

今回は、前回触れた、メディアファイルの埋め込みとグラフィックス描画に関して扱います。

従来、Webページで動画やオーディオを再生する場合は、Adobe Flash Player、Windows Media Player、Apple QuickTime、Microsoft Silverlight等のプラグインが必要でした。そのため、例えばiOSのSafariなどでは、そもそもFlashの動画は再生できないなどの問題がありますし、ユーザー側も、ブラウザの他にこれらのプラグインのインストールやアップデートが必要という手間があったのです。

しかし、HTML5ではメディア機能が追加された事で、プラグインをインストールしなくても(ブラウザの標準機能だけで)動画やオーディオを再生できるようになります。

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

※ファイルサイズが大きいので2つに分けて公開しています。ダウンロードの際はご注意ください。

動画/オーディオ再生の基本

動画ファイルの再生にはvideo要素を、オーディオファイルの再生にはaudio要素を利用します。

ユーザーはプラグインのインストールに無関係に、HTML5対応のブラウザをもっていれば動画やオーディオを再生できる事になります。制作側のメリットとしては、video/audio要素はHTMLの要素なので、JavaScriptで動画/音声の再生/停止などをコントロールできる点が挙げられます。

video/audio要素で動画/音声を再生するには、src属性に動画/音声ファイルのパスを指定するだけです。

[サンプル]動画の埋め込み(video_sample0.html)

<video src="NHK_CL_shiramizunotaki.mp4"
  poster="NHK_CL_shiramizunotaki_preview.png"
  controls>
</video>
 図1:表示結果(再生前)(クリックで拡大)

controls属性を指定すると、下部にコントロールが表示されます。ロード直後はposter属性で指定した画像が表示されています。下部のコントロールで再生ボタンを押すか、コンテキストメニューで再生を選択する事で再生します。

 図2:表示結果(再生中)(クリックで拡大)

音声ファイルについても同様です。loop属性を指定すると、再生が終わると再び繰り返し再生されます。

[サンプル]オーディオの埋め込み(audio_sample0.html)

<audio src="NHK_CL_boku_ha_uchujin.mp3"
  loop
  controls>
</audio>
 図3:表示結果(クリックで拡大)

以下に、video/audio要素で利用できる属性をまとめます。

表1:video/audio要素で利用できる主な属性

属性 説明
src 動画ソースファイルパス。mp4,ogv,webm,...mp3,ogg,wav,...etc.
controls コントロールのGUIの表示。ブラウザによって異なる。
*width 横方向のピクセル数
*height 縦方向のピクセル数
autoplay ロードされたらすぐ再生
loop 繰り返し再生
preload 事前ロードの指定。値はauto(事前にロードする)、none(事前にロードしない)mmetadata(サイズ、長さなど動画のメタデータのみ事前にロードする)
*poster 再生可能になるまでの間表示する画像(動画の形式が非対応の時も、この画像が表示される)
*がついているものはvideo要素のみ
  • HTML5のマルチメディア機能を使ったサンプル(1/2)

  • HTML5のマルチメディア機能を使ったサンプル(2/2)

著者
飯島 聡(著)山田 祥寛(監修)
WINGSプロジェクト

有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表:山田祥寛)。おもな活動は、Web開発分野の書籍/雑誌/Web記事の執筆。ほかに海外記事の翻訳、講演なども幅広く手がける。2011年3月時点での登録メンバは36名で、現在もプロジェクトメンバーを募集中。執筆に興味のある方は、どしどしご応募頂きたい。著書多数。

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