画像の削除にあわせて自動的に並び替え+1つのサンプル

2013年1月18日(金)
薬師寺 国安

では、次にもう一つのサンプルを紹介します。

画像の削除にあわせて自動で並び変える

このサンプルは、3列で表示されている画像を、[画像の削除]ボタンで順次削除していきます。すると画像が自動的に並び変わるといったサンプルです(図4)。

画像は先頭の画像から順番に削除されていき、並び変わります。

図4:画像が自動的に並び変わっている(クリックで拡大)

実際に動かした動画は下記のようになります。Windows Store Applicationの動画を撮るアプリケーションが存在していませんので、スマホで撮った動画です。見難い点はご了承願います。

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

プロジェクトの作成

VS 2012のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「テンプレート」から「Windows ストア」を選択し、右に表示される項目名から「新しいアプリケーション(XAML)」を選択します。「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「Win8_RepositionThemeTransition」という名前を付けています。

ソリューションエクスプローラー内にImagesというフォルダを作って、複数のjpg画像を取り込んでおきます。また、Win8_RepositionThemeTransitionプロジェクトと同じ階層にリスト3のXML文書ファイル(photo_etc.xml)を読み込んでおきます。

ダウンロードされたサンプルファイルには、画像ファイルやXMLファイルは追加済です。

リスト3 XML文書ファイル(photo_etc.xml)

今回は要素の内容は使用しません。

<?xml version="1.0"?>
<画像>
  <情報>
    <画像名>銀杏.jpg</画像名>
    <説明>
    抜けるような青空に,銀杏の木が突き刺さっている。
    間もなくこの銀杏も黄金色に変わるだろう。
    そして落ちていく。人生もしかり。
    </説明>
  </情報>
  ~<情報></情報>繰り返し~
</画像>

コントロールの配置

ツールボックスからデザイン画面上に「画像の削除」用のButtonコントロールを1個配置します。この状態で書き出されるXAMLコードをリスト4のように編集します。レイアウトは図5になります。

リスト4 書き出された編集されたXAMLコード(MainPage.xaml)

  • (1)「画像の削除」用
  • (2)要素を配置しx:NameにimageItemsと付けています。内に、プロパティ要素を配置し、要素内に要素を配置しています。要素は、アイテムのコレクションの表現に使用できる要素を表します。プロパティ要素は、要素の項目コンテナに適用される、Transitionスタイル要素のコレクションを取得する要素です。要素は、いずれかの子の位置が変化した場合に、コンテナの子オブジェクトを再度流し込むことができる要素です。これ以外にもいろいろなWinRT Transitionがあります。詳細については下記のURLを参照してください。
    → WinRT Transitions - Creating Fast and Fluid Metro UIs
  • (3)要素内にプロパティ要素の子要素として、要素を配置し、その子要素として要素を配置しています。WidthとHeightを指定し、OrientationにはVerticalを指定しています。
    プロパティ要素は、項目のレイアウトを制御するパネルを定義するテンプレートを設定する要素です。要素は、ItemsControlの項目のレイアウト用にItemsPresenterが作成するパネルを指定します。要素は、左から右、または上から下に子要素を配置する要素です。Orientaionで要素の配置方向をVertical(垂直方向)と指定しています。
<Page
  x:Class="Win8_RepositionThemeTransition.MainPage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:Win8_RepositionThemeTransition"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  mc:Ignorable="d" >

  <Grid Background="{StaticResourceApplicationPageBackgroundThemeBrush}">
    <Button Content="画像の削除" x:Name="deleteButton" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="24" Margin="849,2,0,717"/>■(1)
    <ItemsControlx:Name="imageItems">■(2)
      <ItemsControl.ItemContainerTransitions>■(2)
        <TransitionCollection>■(2)
          <RepositionThemeTransition/>■(2)
        </TransitionCollection>■(2)
      </ItemsControl.ItemContainerTransitions>■(2)
      <ItemsControl.ItemsPanel>■(3)
        <ItemsPanelTemplate>■(3)
          <WrapGrid Height="560" Orientation="Vertical" Width="550"/>■(3)
        </ItemsPanelTemplate>■(3)
      </ItemsControl.ItemsPanel>■(3)
      </ItemsControl>
  </Grid>
</Page>
図5:画像が自動的に並び変わっている(クリックで拡大)

次に、ソリューションエクスプローラー内のMainWindow.xamlを展開して表示される、MainWindow.xaml.vbをダブルクリックしてリスト2のコードを記述します。

ロジックコードを記述する

リスト2 (MainWindow.xaml.vb)

Option Strict On
Public NotInheritable Class MainPage
  Inherits Page
  Dim no As Integer = 0

ページがアクティブになった時の処理

ItemsControl内に画像の一覧を表示するDataShowプロシージャを実行します。

  Protected Overrides Sub OnNavigatedTo(e As Navigation.NavigationEventArgs)
    DataShow()
  End Sub

画像の一覧を表示する処理

XElement.LoadメソッドでXML文書ファイル(photo_etc.xml)を読み込みます。読み込んだXML文書の、Descendantsメソッドですべての子孫要素である要素コレクションの要素を、変数resultに格納しながら、反復処理を行います。Imageの新しいインスタンスmyImageオブジェクトを作成し、Width、Heightプロパティの値を設定します。Marginには10を指定して余白を設けます。Sourceプロパティには"ms-appx:///Images/"という画像ファイルを配置しているImagesフォルダと、要素の値を連結して指定します。imageItemsという名前のItemsControlにAddメソッドでmyImageオブジェクトを追加します。画像の一覧が表示されます。

  Private Sub DataShow()
    Dim xmldoc As XElement = XElement.Load("photo_etc.xml")
    For Each result In From c In xmldoc.Descendants("情報") Select c
      Dim myImage As New Image
      With myImage
        .Width = 160
        .Height = 120
        .Margin = New Thickness(10)
        .Source = New BitmapImage(New Uri("ms-appx:///Images/" &result.Element("画像名").Value))
      End With
      imageItems.Items.Add(myImage)
    Next
  End Sub

[画像の削除]ボタンがクリックされた時の処理

Countプロパティで画像の個数を取得し、個数が0より大きい場合、すなはち、画像が表示されている場合は、RemoveAtメソッドで指定したインデックスにある要素を削除します。インデックスには0を指定していますので、先頭の画像から順番に削除されていきます。画像の個数が0の時、すなわち1個になった時は、DataShowプロシージャを実行して、再度すべての画像を表示します。

  Private Sub deleteButton_Click(sender As Object, e As RoutedEventArgs) Handles deleteButton.Click
    If imageItems.Items.Count> 0 Then imageItems.Items.RemoveAt(0)
    If imageItems.Items.Count = 0 Then
      DataShow()
    End If
  End Sub
End Class

今回はここまでです。ありがとうございました。

  • サーバーからの画像を取得するWindows8サンプルアプリ

  • 画像が削除された際自動的に並び変わるWindows8サンプルアプリ

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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