ポップアップメニューから各種コントロールを表示する

2013年2月1日(金)
薬師寺 国安

みなさんこんにちは。PROJECT KySSの薬師寺国安です。今回からWindows8ストアアプリの応用編の解説に入りたいと思います。応用編では、基本編では扱わなかったコントロールや、Facebook、Twitterとの連携についても解説したいと思います。基本編より一歩踏み込んだサンプルの紹介をいたしますので、お楽しみに!

今回のサンプルは、ポップアップメニューを使ったサンプルです。画面上でマウスの右クリックをすると、ポップアップメニューが表示されます。中に表示されているメニューを選択すると、Webカメラが起動したり、画像が一覧で表示されたりします(図1)。画像はピクチャライブラリ内の画像を表示していますので、ピクチャライブラリ内に、何枚かの画像を配置しておいてください。

※今回のサンプルはWebカメラを使用しますので、Webカメラの装備されていないPCではエラーになり動作しません。注意してください。

図1:PopupMenuの中に表示されるメニューをクリックして、Webカメラや画像一覧が表示されている(クリックで拡大)

実際に動かした動画は下記のようになります。Windows Store Applicationの動画を撮るアプリケーションが存在していませんので、スマホで撮った動画です。見難い点はご了承願います。

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

プロジェクトの作成

VS 2012のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「テンプレート」から「Windows ストア」を選択し、右に表示される項目名から「新しいアプリケーション(XAML)」を選択します。「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「Win8_ContextMenu_Controls」という名前を付けています。

コントロールの配置

要素のWidthに1920と指定します。これは筆者のPCの横の解像度です。デバッグを「ローカルコンピューター」を対象に行いますので、PCと同じ解像度の幅を指定していますが、「シミュレーター」でデバッグする場合はデザイン画面のシミュレーター画面内に各コントロールが収まるよう配置する必要があります。今回のサンプルは、基本編と同様「ローカルコンピューター」を対象にデバッグしますので、PCの解像度に合わせています。よって、コントロールの配置がデザイン画面のシミュレーター画面からはみ出しています(図2)。

ツールボックスからデザイン画面上にCaptureElementコントロールを1個配置します。CaptureElementコントロールは、カメラや web カメラなどのキャプチャデバイスからのストリームをレンダリングするコントロールです。次にScrollviewerコントロールを配置し、その中にGridViewコントロールを配置します。ScrollViewerのプロパティの[レイアウト]パネルにあるHorizontalScrollBarVisibilityにVisibleを指定して、水平スクロールバーを表示させます。VisibilityにはCollapsedを指定して非表示としておきます。

GridViewコントロールは、データアイテムの水平グリッドを表示するコントロールです、プロパティの[レイアウト]パネル内にあるFlowDirectionにLeftToRightを指定します。左から右に向かって水平にアイテムが表示されます。Widthに1920、Heightに240と指定しています。タイトルとなるTextBlockコントロールを1個配置します。書き出されるXAMLコードはリスト1、レイアウトは図2になります。

リスト1 書き出されたXAMLコード(MainPage.xaml)

  • (1)要素のx:NameにLayoutRootという名前を付けておきます。
  • (2)要素を配置しています。
  • (3)要素を配置し、子要素として要素を配置しています。コントロールのVisibilityにCollapsedを指定して非表示としておきます。その子要素であるも非表示になります。要素のWidthに1920、Heightに240と指定しておきます。
<Page
  x:Class="Win8_ContextMenu_Controls.MainPage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:Win8_ContextMenu_Controls"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  mc:Ignorable="d" Width="1920">
  <Grid Background="{StaticResourceApplicationPageBackgroundThemeBrush}" x:Name="LayoutRoot">■(1)
    <CaptureElementx:Name="CaptureElement1" HorizontalAlignment="Left" Height="330" Margin="703,176,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="451"/>■(2)
    <ScrollViewer   Width="1920" HorizontalScrollBarVisibility="Visible" Margin="10,524,-10,20" x:Name="ScrollViewer1" Visibility="Collapsed">■(3)
      <GridViewx:Name="GridView1"  HorizontalAlignment="Left" VerticalAlignment="Center" Width="1920" FlowDirection="LeftToRight"  Height="240"/>■(3)
    </ScrollViewer>■(3)
    <TextBlockHorizontalAlignment="Left" Height="72" Margin="445,31,0,0" TextWrapping="Wrap" Text="画面のどこでもマウスの右クリックをしてください。" VerticalAlignment="Top" Width="1040" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="48"/>
  </Grid>
</Page>
図2:各コントロールを配置した(クリックで拡大)
  • ポップアップメニューから各種コントロールを表示するWindows8アプリ

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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