ミニ四駆の遠隔操作を実現しよう!- Arduino Pro Mini組み立て編
動作確認の準備
動作確認するためにはプログラムを転送する必要があります。しかし、Arduino Pro MiniにはUSBポートが存在しません。そのため、USBシリアルアダプタを利用します。これをArduino Pro Miniのシリアルポートに繋ぐことで、プログラムを転送できるようになります。
このパーツを先ほど作成したシリアルポートにそのまま繋ぐことができれば格好がいいのですが、高さの問題で繋がりません。そこで筆者は次のパーツを自作して使っています。
これは余った基盤の端とソケットを組み合わせただけの簡単なものです。特に作り方は説明しないので、写真を参考にしながら半田ごてを使って作ってみてください。
Arduino Pro Miniのシリアルポートをなぜ、このような形で半田付けしたかは、来週の記事で説明します。今回はこの記事に従って、半田付けしておいてください。USBシリアルアダプタの接続が完了したら、続いて以下のパーツを接続します。
- 信号線とLED
- Arduino Pro MiniとDC-DCコンバータ
- DC-DCコンバータと電池
ブレッドボードを使い、次の配線を行います。
ここまで、DC-DCコンバータに触れませんでしたが、これは低い電圧を5Vに変換するためのモジュールです。
Arduino Pro Miniには5Vの電源が必要です。しかし、ミニ四駆に搭載されているのは、単三アルカリ電池 x 2の3Vの電源ですので、これを5Vに変換するために、DC-DCコンバータが必要です。
ここまで出来れば、動作確認の準備は完了です。
動作確認
それでは、Arduino Pro Miniの動作確認を行います。LEDを点滅させる次のプログラムを転送します。
boolean led = true; void setup() { pinMode(5, OUTPUT); } void loop() { digitalWrite(5, led); led = !led; delay(500); }
転送するに際して、Arduino IDEの設定を変更する必要があります。メニューから Tools > Board > Arduino Pro or Pro Mini (5V) ATmega 328 を選択します。
後は通常通り、プログラムを転送してください。これはLEDを点滅させるプログラムです。次のようにLEDが点滅すれば、正常に動作しています。
課題の解答
前回の課題はArduino UNOとArduino Pro Miniで異なる点の調査でした。以下に両者の異なる点を列挙しておきます。
- Arduino Pro MiniにはUSBポートが存在しないため、別にUSBシリアルアダプタが必要である
- Arduino Pro Miniには3.3Vと5V版があるが、UNOには5V版しかない
- ピン配置が大きく異なる、シリアルピンの配置が特に異なり、Bluetoothモジュールと同じ配列になっている
- Arduino UNOはプロトタイプを想定した製品であり、Pro Miniは製品版の利用を想定した製品である
今回の課題
次回までに動作確認で利用した回路を拡張し、前回の記事で作成したプログラムが動く回路をArduino Pro Miniを使って作ってください。
おわりに
今回でArduino Pro Miniを使う準備が完了しました。次回は、課題の解答から入り、FETモジュールやDC-DCコンバータをミニ四駆に載せるパーツとして回路を組んでいきます。また、ミニ四駆本体も改造し、Arduinoに電源を供給できるようにします。
これらのパーツが完成すれば、ミニ四駆にArduinoを載せることが可能です。来週は、実際にミニ四駆を走らせます。
【参考リンク】
<編集部より> 3ページ目の課題の解答に一部誤りがあったため、該当箇所を削除しました。(2013.04.02)