増え続けるデータトラフィックに対応する次世代イーサネットサービスとは 1

4)100Gイーサネット概要、及び100Gイーサネット回線への移行

4)100Gイーサネット概要、及び100Gイーサネット回線への移行

100Gイーサネットとは文字通り1秒間で100Gbpsのデータを送信可能な規格であり、約2.86枚のDVDのデータを1秒間で送信可能な通信速度です。2010年6月17日にIEEE 802.3baにて標準化されており、必要な伝送距離に応じて様々なインターフェースの規格があります。この中でも100GBASE-SR10及び100GBASE-LR4が主流となっています。

規格 伝送媒体 伝送距離
100GBASE-CR10 銅線(カッパーケーブル) 10m
100GBASE-SR10 マルチモード光ファイバー(OM3)
(10並列方式)
100m
マルチモード光ファイバー(OM4)
(10並列方式)
125m
100GBASE-LR4 シングルモード光ファイバー(4波多重方式) 10km
100GBASE-ER4 シングルモード光ファイバー(4波多重方式) 40km

表1:100Gイーサネットのインターフェース規格

 

使用するケーブルとしては、銅線と光ファイバーの2種類があり、主流となるのは光ファイバーです。光ファイバーを通信機器に接続する光トランシーバの規格については、10Gまではギガビット・イーサネットの着脱モジュール規格「SFP」の10GbE版である「SFP+」や「XFP」が広く用いられていましたが、100Gイーサネットでは新たな規格が採用され、スマートフォンくらいの大きさの長距離用に設計されたモジュール「CFP」を使用します。今後は論理回路を本体側に移していくデバイスの改良等により「CFP2」, 「CFP4」や「QFSP」へと小型化が進んでいきます。必要な伝送距離や、接続する機器の仕様にあわせ、適切なインターフェースを選択することになります。

図2:CFPモジュールの写真

100Gイーサネットを導入することにより、複数の10G回線を使用する場合に比べ回線コストが抑えられることが期待され、また複数の10G回線からなるリンクアグリゲーションなどの負荷分散の複雑さや運用管理の手間を軽減でき、運用コストの低減も期待できます。加えて、一時的なイベントによるピークトラフィックに対応する十分なキャパシティを持てることも大きなメリットでしょう。

そこで次回では、増え続けるトラフィックに対応可能な100Gイーサネット新たに採用された技術や課題などについて取り上げたいと思います。

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