技術部門こそモバイルワークスタイルの導入を!~国内市場調査の結果から読み取る、あるべき姿~
モバイルワークスタイルには効果がある!?
こんにちは、吉政創成の吉政忠志です。
本コラムでは、デスクトップ仮想化とモビリティに関する専門Webサイト「デスクトップ仮想化ニュース」に掲載されている日本国内のモバイルワークスタイルに関する調査結果を紹介しながら、起業した自分の立場と合わせて、個人的な見解を述べたいと思います。
モバイルワークスタイルについて検討されている方は、是非ご検討ください。
ちなみに、私の会社は全メンバー5名ですが、オフィスがありません。起業当初、オフィスを作るか迷ったのですが、SNSも発達してきたので、十分できるだろうという感触を得て、オフィスなしで起業しました。
オフィスなしということは、100%モバイルワークスタイルを導入しているということになります。当初懸念していたのはお互いのコミュニケーションが疎遠になるのでは?とか、懇親が深まらないのでは?といったことでしたが、なかなか良い結果が出ていると思います。休憩時間に行うような雑談はFacebookで行い、仕事の依頼はTwitterと電子メールとオンラインストレージの組み合わせで行っています。
Twitterは140文字という制限があるので、依頼を簡潔に伝達できるため、非常に効率的です。140文字で収まらないような内容はセキュアな法人向けのオンラインストレージ(当社は大手企業も多く採用されているGIGAPODを活用しています)に添付ファイルを共有したり、電子メールと組み合わせて行ったりしています。
メンバーと日常的に顔を合わせることはほぼないのですが、仕事がとても効率的になり、モバイルワークスタイルを採用して良かったと思っています。技術者の皆様もそうだと思うのですが、コーディングしている際など、「ちょっといいですか?」と邪魔されたくないですよね。また片道1時間の通勤時間とすると2時間が移動時間にかかります。その2時間があれば、結構仕事が進むと思いませんか?しかも、毎日発生する時間だったりします。
以下のデータでは、役職者が高い人の方がモバイルワークスタイルを導入している結果が出ていますが、技術部門こそ導入するべきと私は思っています。技術部門で採用すると、より集中した作業が実行でき、効率的なプロジェクト運営ができると考えます。
さて、そんな私の話はさておき、「ビジネスパーソンのモバイルワークスタイルに関する意識調査」の結果を紹介します。社内で仮想化デスクトップの導入を検討される場合など、稟議書に添付できる調査データとしてご利用ください。採用率、満足度とその理由などが参考になると思います。
実際の調査結果に見るモバイルワークスタイルの意識のあらわれ
調査目的
ビジネスパーソンのモバイルワークスタイルの現状とそれに対する意識、要望を把握することにより、モバイルワークスタイル促進に向けた企業への訴求ポイントを明らかにする。
- 調査方法
- インターネット調査
- 調査期間
- 2012年6月15日(金)~18日(月)
- 調査対象
- 東京・千葉・神奈川・埼玉における従業員30人以上の企業(官公庁・地方自治体・自営業・自由業含む)に勤務する20~50代の男女
- *以下の職種は対象外
「建築・土木工事関連職」「製造・生産・技能職」「メカニック・警備・保守・修理職」「事務・スタッフ職(受付・窓口)」「フード・外食関連職」「ドライバー職」「医療職」「理美容」「レジャー・遊技関連職」「販売・サービス職(小売店・イベントスタッフ系)」「販売・サービス職(サービススタッフ系)」 - サンプル数
- 2,064人
(20代 / 男性258名・女性258名、30代 / 男性258名・女性257名、40代/ 男性258名・女性259名、50代/ 男性258名・女性259名) - 調査者
- シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
調査結果:「モバイルワークスタイル」認知率
Q. あなたは「モバイルワークスタイル」という言葉や働き方を知っていますか。(n=2,064)
回答形式 / 単一回答
「モバイルワークスタイル」という言葉や働き方を知っているか聞いてみると、全体では「震災以前から知っていた」が40.8%、「昨年※の東日本大震災後に知った」が8.7%となっており、合わせて49.5%の人に認知があることが分かります。震災により、少し認知度が向上したということでしょうか。それでも、約50%ということなので、恐らくIT業界以外の方にはまだまだ認知されていないということなのでしょうね。
ただ、経営者・役員レベルでの認知度が高くなっており、「昨年の東日本大震災後に知った」と回答した人が16.7%、「震災前から知っていた」と回答した人が63.3%、合わせて80.0%に認知があり、職位の高い順に認知率が高いそうです。
※調査時期は2012年
「モバイルワークスタイル」制度の利用率
Q.今現在のあなたの勤務形態についてお伺いします。あなたは「モバイルワークスタイル」制度を利用していますか。(n=210 / 「モバイルワークスタイル」利用者を対象)
回答形式 / 単一回答
私が気になったのは、一番下の職位の部分ですね。役職が高い順に、利用率が高くなっています。その理由は、「有事の際でも指示が出せるように」や「役職が高い人に適用しても安心」や「役職が高い人に良い環境を」といった理由でこのような利用率になっているように思えます。
現在、普及の過渡期にあるので、モバイルワークスタイルとオフィスワークスタイルの平行稼働期間中の場合、どうしてもコストがかさんでしまうため、このような役職上位者から採用していくのは致し方ないといえばそうなりますね。ただ、会社全体の生産性を向上させるためには、やはり全社導入をされた方が良い結果が出るように思えます。
では次に、導入された企業が満足されているかどうか、見てみましょう。
モバイルワークスタイル」満足度
Q.あなたは「モバイルワークスタイル」という働き方にどの程度満足していますか。(有効回答n=70 / 「モバイルワークスタイル」利用者を対象)
回答形式 / 単一回答
「モバイルワークスタイル」利用者に満足について聞いてみると、回答した70人の中で、「大変満足」と回答した人が22.9%、「やや満足」と回答した人 が50.0%となっており、合わせると72.9%が満足しているという結果になりました。利用者のほとんどが満足していることが分かります。不満に思う方はほぼいない状態です。
モバイルワークスタイルを導入すると、どうしても回線がモバイル回線になるため、回線スピードが原因となり、作業効率が遅くなるのでは?と思っていたのですが、私自身そのようなこともなく、実際にCitrixの仮想化デスクトップを利用している知人に聞いても、ストレスを感じることはないそうです。この辺りは回線スピードが数年前と比べても大幅に進化しているからだと思います。
では、続いて、満足している理由についてご紹介します。
「モバイルワークスタイル」満足している理由
「モバイルワークスタイル」という働き方に「大変満足」「やや満足」と回答した方に伺います。それはどのような理由からですか。(有効回答n=51 / モバイルワークスタイル利用者を対象)
回答形式 / 複数回答
「モバイルワークスタイル」に満足している理由を見ると、「通勤などの無駄な時間が省け、時間を有効に使える」が78.4%と最も多く、「自分の仕事に集中できる」が49.0%、「自分の好きな場所で仕事ができる」が43.1%と続いています。
4位と6位の「家族と過ごす時間が今以上に持てる」や「家事や家の用事と仕事が両立できる」は30%前後の数字になっていますが、家族を持っている人に限定した回答であれば、かなり高い数字になると思います。モバイルワークスタイルの環境が整えば、産休中でも仕事ができるようになるので、産休明けでもリハビリなく、すぐに戦列復帰できます。産休を取る際に産休後に復帰できるかどうかは、常に心配なものですよね。
モバイルワークスタイルに満足している方の理由を一言でいえば、「仕事に集中でき、通勤時間を仕事や家族、プライベートの時間に割り振ることができるので、効率的である」ということだと思います。
では次に、産休と介護について触れていきます。
育児や教育、保護者会活動と仕事の両立
Q.育児や教育、保護者会活動と仕事の両立が難しいと感じたことはありますか。(有効回答 n=777/子どもがいる人を対象)
育児や教育、保護者会活動と仕事の両立について困難であるか聞いてみると、「非常にある」(19.2%)、「ややある」(38.1%)と答えた人を合わせると、57.3%の人が困難を感じています。
特に40代女性では、両立の困難について、「非常にある」(33.8%)、「ややある」(53.5%)と答えた人を合わせると、87.3%が困難を感じています。また30代女性については、「非常にある」が36.0%という結果が出ており、女性は出産や育児、さらに子どもの学校行事や保護者会の活動など、子どもに関して対応しなくてはならない事柄が多くあることが伺えます。
※サンプルは、「乳児(0~2歳)の子どもがいる(n=144)」、「幼児(3~6歳)の子どもがいる(n=109)」、
「小学生の子どもがいる(n=169)」「中学生の子どもがいる(n=113)」「16歳以上(高校生以上)の子どもがいる(n=423)」人を対象。
介護や生活支援と仕事の両立
Q 介護や生活支援と仕事の両立は難しいと感じることはありますか?
介護や生活支援と仕事の両立は難しいと感じることはあるか聞いてみると、全体では「非常にある」と回答した人が36.7%、「ややある」と回答した人が35.5%となっており、合わせて72.2%が両立に困難を感じていることが分かりました。特に女性40代で48.4%、男性50代の40.0%が「非常にある」と回答しています。これからの高齢化社会に向けて、両立を実現するためにも、モバイルワークスタイルの活用に期待が寄せられます。
いかがでしょうか?モバイルワークスタイルの活用を検討するために参考になるような調査データをいくつか紹介いたしました。
モバイルワークスタイルを実現するソリューションは様々ですが、私はデスクトップ仮想化が一番良いと考えています。理由はシンプルで、データはもちろん、アプリケーションやハードウェアも含めて、完全にシステム担当者の管理下に置け、セキュリティ面でしっかりと管理できるためです。
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