スケールアウト型OSSクラウド基盤に最適なUbuntu Serverをひも解く 1

日本の企業ユーザーのニーズを満たすUbuntu Serverとその背景

日本の企業ユーザーのニーズを満たすUbuntu Serverとその背景

Ubuntuは、32ビットのi386、64ビットのx86_64アーキテクチャに加え、ARMアーキテクチャをサポートしています。Canonical社は、サーバープラットフォーム以外でのUbuntuの取り組みも行っており、ARMチップへの対応を考慮に入れたプラットフォーム戦略を採っています。Canonical社は、ARMアーキテクチャに2008年から取り組んでおり、100名以上の技術者達がARMアーキテクチャのUbuntuのテストに携わっています。

また、2014年以降、米国HPにおいてもARMアーキテクチャのサーバーがリリースを予定しており、ARM版Ubuntuを搭載可能な超省電力サーバープラットフォームのニーズを考慮し、HPは日本を含めWorld WideでCanonical社との協調路線を拡大させています。

米国HPおよび日本HPがCanonical社のUbuntu Serverに取り組む背景には、近年のスケールアウト型システムを手掛けるホスティング/Webサービスやオンラインゲームサービス、クラウドベンダー等のサービスプロバイダーのニーズが大きく影響しています。スケールアウト型サーバーを購入するサービスプロバイダーの多くは、他社よりも効率的で、かつ最新技術で安定したOSSを採用し、数百台、数千台レベルのサーバーへの導入、運用の簡素化を求めています。また近年のHadoopやスケーラブルNAS等のビッグデータ基盤導入のハードルが下がってきていることから、大量の高密度実装サーバーの導入が盛んに行われています。

下図は、Canonical社のMark Baker氏が提供するUbuntuとARMに関する資料です。Mark Baker氏と筆者が2013年の春にフランスHPの事業所にて情報交換をした際に入手したもので、Canonical社の許可を得て掲載しています。Canonical社は、組み込み機器や省電力サーバー等の幅広いプラットフォームでARM対応のUbuntuを推進していることがこの資料からも読み取れます。

図1-2:Ubuntu on ARMの取り組み(Canonical社のMark Baker氏が提供)(クリックで拡大)

一方、さらにエンタープライズ領域の企業ユーザーでは、ハードウェアベンダー特有のサーバー監視エージェントや統合管理ツール等を導入し、Linuxカーネルやドライバーレベルでのベンダーのサポートサービスを必要とします。そこで、従来のLinuxシステムに比べ初期導入の簡便性や近年注目を浴びているDevOps等の開発と、運用コスト削減を同時に満たすような柔軟なOSSシステムのサポートが期待されています。

Ubuntu Serverは最新のOSSにいち早く対応し、ARM等のスケールアウト型サーバーへの対応やOSSクラウド配備ソフトウェアの提供など、まさにこれらのユーザーのニーズを満たすソフトウェア群が利用可能となっています。また、ベンダーによるLinuxサポートの豊富な実績と経験は、これらの顧客ニーズに貢献できるとHPは考えています。

特にOSS/Linuxを軸としたスケールアウト型サーバーの導入の豊富な経験をUbuntu Serverに活かせることは、すでに導入実績のあるサービスプロバイダーだけでなくエンタープライズレベルの企業ユーザーにとっても、コスト削減だけでなく攻めの姿勢の選択肢の幅が広がるに違いありません。サービスプロバイダーでの導入実績で培った技術ノウハウをエンタープライズ向けの企業ユーザーに適用できる切り札の一つとして、Ubuntu Serverが存在するとHPは捉えています。

図2:最新のスケールアウト型OSS基盤にUbuntuの採用が進んでいる(左)/図3:クラウド基盤では高度な自動化が必須だが、最新技術を駆使しつつも安定した運用には、Linux OSの保守サポートが重要(クリックで拡大)

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