Juju GUIを使ったUbuntu ServerとOSSの配備、オーケストレーション
Juju GUIを使ったUbuntu ServerとOSSの配備、オーケストレーション
初めてJuju GUIにアクセスすると、Jujuブート・ストラップノードで稼働している「juju-gui」サービスのみが存在します。Juju GUIによるOSS配備を行うためには、配備したいOSSの数だけの管理対象サーバーをMaaSサーバーに事前に登録しておく必要がありますので注意して下さい。
Jujuで導入可能なOSSのコレクション(Juju Charmと言います)は、Juju GUIで検索が可能です。例えば、Hadoopを配備したい場合、Juju GUIの左上にある検索入力フォームに「Hadoop」と打ち込み、Enterキーを入力します。すると、Hadoopに関連するOSS一覧の検索結果が表示されますので、インストールしたいCharmをマウスで右側にドラッグ・アンド・ドロップして下さい。すると、Hadoopに関するパラメーター等を入力するウィンドウが右側に現れますので、「Deploy」をクリックすると管理対象サーバーの電源が自動的に投入され、Ubuntu ServerとHadoopが自動的にインストールされます。
Jujuを使って、複数のアプリケーションを連携させる「オーケストレーション」を行ってみましょう。例として、インターネット百科事典「ウィキペディア」サイトで採用されているウィキ・ソフトウェア「MediaWiki」を構築する例を示します。
MediaWikiは、ウィキペディアと同様のコンテンツ管理システムを作成することができるOSSですが、MySQLとの連携を必要とします。MediaWikiとMySQLでオーケストレーションを行うには、まず、Juju GUIからMySQLとMediaWikiを検索し、Juju GUI上にドラッグ&ドロップします。配備したMediaWikiの図柄上にマウスでポイントすると「Build Relation」と表示されますので、さらにそれをクリックし、MySQLの図柄にマウスを近づけるとMediaWikiとMySQLが線で結ばれます。これにより、MediaWikiとMySQLのリレーションが完成します。
MySQLとリレーションが構築できたので、MediaWikiにWebブラウザでアクセスしてみます。
MediaWikiが提供する管理対象ノードのホスト名を確認するには、配備したMediaWikiサービスの図柄をポイントして表示される右側のウィンドウ内の「1 running units」をクリックします。さらに「mediawiki/0」をクリックすると、サービスが提供するホスト名(IPアドレス)が表示されます。ホスト名が分かったら、Webブラウザでアクセスし、図6のように、ウィキペディアと同様のウィキサイトが表示されていること確認してください。
Ubuntu Server実践編の第2弾では、Ubuntu Serverをスケールアウト基盤に配備するための技術要素、ノウハウについて説明しました。次回は、Ubuntu Serverの運用管理について説明します。