ネットワーク層の機能(後編) ―IPアドレスとルーティングプロトコル―

2014年12月22日(月)

ルーティングプロトコル

ルーティングプロセスをホストとルータの両方で機能させるためには、それぞれがTCP/IPインターネットワークに関する情報を知っている必要があります。ホストがリモートの宛先にパケットを送信するためには、デフォルトルータのIPアドレスを知っている必要があります。これに対し、ルータがすべてのIPネットワークまたはIPサブネットにパケットを転送する方法を理解するためには、ルート(経路)を知っている必要があります。

ネットワークエンジニアがルータごとに必要なルートを手入力で設定するという方法もありますが、ほとんどの場合は、すべてのルータでルーティングプロトコルを有効にするだけです。TCP/IPインターネットワーク上のすべてのルータで同じルーティングプロトコルを有効にする場合は、設定が正しければ、ルータがルーティングプロトコルメッセージを互いにやり取りするようになります。結果として、すべてのルータがTCP/IPインターネットワーク上のすべてのIPネットワークとIPサブネットへのルートを学習するようになります。

図2の例は、前回の記事の2つの図と同じ図に基づいています。この場合、IPネットワーク168.1.0.0は、168.1で始まるすべてのアドレスで構成されており、図2の一番下にあるイーサネットに属しています。このことを知っているR3は、ステップ1で、ルーティングプロトコルメッセージをR2へ送信します。結果として、R2がIPネットワーク168.1.0.0のルートを学習します(図2の左の図)。ステップ2で、R2が方向を切り替え、ルーティングプロトコルメッセージをR1へ送信し、結果としてR1が同じIPネットワーク168.1.0.0のルートを学習します。

ネットワークとサブネットについてアドバタイズするルーティングプロトコルの例

図2:ネットワークとサブネットについてアドバタイズするルーティングプロトコルの例

TCP/IPモデルのネットワーク層の大まかな仕組みについては以上です。

この記事のもとになった書籍
APIデザインの極意 Java/NetBeansアーキテクト探究ノート

Wendell Odom 著/株式会社クイープ 訳
価格:4,400円+税
発売日:2014年03月05日発売
ISBN:978-4-8443-3553-5
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