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  インタビュー

OpenStack Days Tokyo 2015開催直前!エグゼクティブディレクターに聞くOpenStackの今。

2015年1月28日(水)
松下 康之

2015年2月3日と4日に東京で開催されるOpenStack Days Tokyo 2015に先立って、昨年12月に来日したOpenStack FoundationのExecutive Director、ジョナサン・ブライス(Jonathan Bryce)氏とCommunity Managerのトム・ファイフェルド氏(Tom Fifield)のインタビューをお届けする。

松下:「2014年を振り返ってみて、OpenStackにとってはどういう年でしたか?」

ブライス氏:「2014年は我々にとってとても忙しい年でした。Icehouseを4月に、Junoを10月にリリースしました。これらのリリースについては2つの大きなアップデートのカテゴリーが存在します。高可用性やビッグデータ分析、Hadoopのサポートなどの機能追加が一つ、もう一つはエンタープライズ向けの機能の強化になります。この2つを同時に複数のリリースで実行しています。

またOpenStack Summitを2回、5月にアトランタ、11月にパリで開催しました。そして新たにOpenStack MarketPlaceを立ち上げました。ここにはOpenStackに関するトレーニングやサービスなどが掲載されています。今年はさらにHosted Private Cloudというカテゴリーを新しく設けました。まだアプリをリストアップするレベルにまでは達していませんが、ここではデータセンター事業者が顧客向けのOpenStackによるプライベートクラウド環境を提供するサービスをリスティングしています。

OpenStackを使うにあたってよく聞かれる「OpenStackは良いけれど、どうやって始めたらいいのか?」という質問に対して、このMarketPlaceの存在は答えになっていると思います。」

2月3日、4日の2日間にわたって開催されるOpenStack Days Tokyo 2015のWebサイト

OpenStackはビッグデータ分析とエンタープライズ向けを強化

松下:「今後のリリースで行われる機能強化について教えてください。」

ブライス氏:「一つはベアメタルサーバーの管理をOpenStackで行うという部分です。これまで各社のハイパーバイザー上でサーバーを構築することをOpenStackは実現していましたが、分析のためのプラットフォームとして使われる場合に仮想化環境ではなく、より高速なベアメタルのサーバーを使うというのは性能面で優位といえます。

例えばTapJoyという、スマートフォン向けのデータ分析及び広告配信を行っている企業があります。彼らはAWSを非常に多く使っていますが、コスト面からパブリッククラウドではなくプライベートクラウドを使いたい、ビッグデータの分析処理に対してより細かなカスタマイズがしたい、という2つのニーズがありました。そこで一度はベアメタルのサーバーを使うクラウドサービスに移行しましたが、それには満足せずに最終的にはOpenStackのプライベートクラウドに移行を行ったのです。そのような高い性能を求めるユーザーに対してはベアメタルのサーバーをOpenStackでクラウド化できることは非常に重要なのです。」

ユーザーの選択の自由を重視

松下:「さきほどから話に出ているHadoopやビッグデータに関する強化という部分についてですが、プラットフォームであるOpenStackからアプリケーションのレイヤーについても機能を強化するという発想でしょうか?例えばClouderaやHortonworks、MapRなどの商用ソフトを作っているベンダーもいますよね?」

ブライス氏:「確かにHadoopはビッグデータを処理するアプリケーションですが、プラットフォームとして対応していく必要がある部分もあります。ビッグデータ分析の多くはプラグインという形で、OpenStack上でシステムを構築しています。インフラの部分はOpenStackでそれより上のレイヤーはApache HadoopやCloudera、Hortonworksのアプリが載る形ですね。我々はそれらのベンダーを否定するわけではありません。ユーザーが選択する自由を持てることが重要だと考えています。」

この部分は非常に重要でOpenStack Foundationの基本的な考え方に沿ったものだと思われる。筆者は2014年秋に楽天のテクノロジーカンファレンスでファイフェルド氏の講演を聴き、その際の質疑応答として次のような質問を行った。

「OpenStackと同様にオープンソースでクラウドコンピューティングを実現するネットワークプラットフォームとしてOpenDayLightがありますが、それとの棲み分けはどうなっているんですか?」

それに対してファイフェルド氏は以下の回答をしている。

「私はマーケティングの人間ではないので位置付けなどについてはコメントする立場にはないのですが、様々なプラットフォームがオーバーラップしていたとしてもユーザーがそれを選択できることが重要なのではないでしょうか?」

つまり、OpenStackの中で重複する機能が存在するような場合においてはFoundationとして調整はするが、それ以外のソリューション、オープンソースプロジェクト、商用ソフトウェアにおいては互いに競争し、ユーザーに選択の自由を与えることが重要であるという発想だ。これに関してはOpenStack MarketPlaceに対する回答でもみてとれる。

楽天テクノロジーカンファレンスについてはこちら(参照記事

松下:「さきほどのOpenStack MarketPlaceですが、これはGoogleのGoogle PlayやAppleのApp Storeと同様のものをOpenStackでも立ち上げたと思えばいいんでしょうか?その場合、もしもOpenStack Foundation以外のベンダーや組織が同様のマーケットプレイスを立ち上げたいと考えた場合、それは可能ですか?」

ブライス氏:「そうですね。それらのマーケットプレイスと同じと考えて頂いて結構です。また、我々以外のベンダーが独自にマーケットプレイスを立ち上げることに対しては全く問題ありません。我々は我々のクライテリアでサービスや製品を検証していきます。」

左から、Community Managerのトム・ファイフェルド氏、Executive Directorのジョナサン・ブライス氏、Vice President, Marketing and Community Servicesのローレン・セル氏

フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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