JBoss Fuseを使ってみる その1:インストール編

2015年4月7日(火)
知久 裕之(ちく ひろゆき)

サンプルアプリケーションを用いた動作確認

インストールが成功していることを確認するために、サンプルアプリケーションを動かしてみましょう。

Fuseプロジェクトの作成

JBDSを起動し、FileメニューからFuse Projectを作成し(File→New→Project→Fuse Project)、ウィザードにて「camel-archetype-blueprint」を選択します。これはタイマー機能を含むテンプレートで、5秒ごとにテストメッセージを出力するサンプルアプリケーションを作成します。またプロパティのArtifact Idには、「timer_test」という名前を設定します。

Fuseプロジェクトの作成

図5:Fuseプロジェクトの作成

サンプルルートの内容を確認

プロジェクトのCamel Contextsフォルダにあるblueprint.xmlを開き、サンプルルートを確認します。ここでの「ルート(Routes)」とは処理の流れ、すなわちアプリケーションを指します。

サンプルルートの中身を確認する

図6:サンプルルートの中身を確認する

サンプルルートには、5秒ごとにタイマー起動しHelloBean.javaを呼んだ後、モックエンドポイントにてメッセージをテスト表示する処理が定義されています。

ローカル環境にて動作確認

前述のblueprint.xmlを選択し、右クリックメニューからRun As→Local Camel Contextを選択します。初回実行時にはMavenが必要なライブラリを取得するため、少々時間がかかります。

サンプルルートをローカルで動作確認してみる

図7:サンプルルートをローカルで動作確認してみる

コンソール画面に「The message Hi from Camel at 時刻」というメッセージが5秒間隔で表示されることが確認できます。終了させるには、Terminateボタンを押します。

サンプルルートが出力しているメッセージがコンソールに表示されている

図8:サンプルルートが出力しているメッセージがコンソールに表示されている

もしWindows環境でsettings.xmlファイルの位置の誤りで依存ライブラリの取得に失敗する場合には、Preferencesの設定(Window→preferences→Maven→Installations)にて、<ユーザーホーム>\.m2\settings.xml を明示的に指定します。

依存ライブラリの取得に失敗する場合は、設定ファイルを明示的に指定する

図9:依存ライブラリの取得に失敗する場合は、設定ファイルを明示的に指定する

プロジェクトのビルド

timer_testプロジェクトを右クリックし、Run As→Maven Installを実行するとプロジェクトがビルドされ、ローカルのMavenリポジトリ(<ユーザーホーム>/.m2 以下)に配備されます。

サンプルのビルド

図10:サンプルのビルド

アプリケーションのデプロイ

コンパイルしたサンプルアプリケーションは、Karafのシェルコンソールからデプロイします。osgi:installコマンドを利用して、ローカルのMavenリポジトリからFuse上にデプロイします。

リスト9:Fuseの起動

$ cd <Fuseのインストールディレクトリ>/bin
$ ./fuse

リスト10:アプリケーションのデプロイ

JBossFuse:karaf@root> osgi:install -s mvn:com.mycompany/timer_test /1.0.0-SNAPSHOT

osgi:listコマンドでデプロイしたアプリケーションがActiveとなっていることを確認します。

リスト11:

JBossFuse:karaf@root> osgi:list
Fuse上にデプロイされたことを確認

図11:Fuse上にデプロイされたことを確認

管理コンソールでログを確認

Fuseの管理コンソール(http://localhost:8181)にアクセスし、管理者ユーザーadmin/adminでログインした後、Logsタブに5秒間隔でメッセージが表示されていることを確認します。

管理コンソールで、5秒ごとにメッセージが表示されていることを確認

図12:管理コンソールで、5秒ごとにメッセージが表示されていることを確認

実行状況の確認

画面左のツリーでRoutesを選択し、CamelタブのAttributesページを開くと、性能の確認が行えます。

管理コンソールの左ペインからRoutesを選択、Attributesページを開く

図13:管理コンソールの左ペインからRoutesを選択、Attributesページを開く

続いてRoutesフォルダの下のtimerToLogを選択し、CamelタブのDiagramページにて、メッセージの流れを監視することができます。

Diagramページでメッセージの流れを監視する

図14:Diagramページでメッセージの流れを監視する

アプリケーションのアンデプロイ

ひと通り動作確認を終えたら、osgi:uninstallコマンドでサンプルアプリケーションをアンデプロイして終了します。

リスト12:

JBossFuse:karaf@root> osgi:uninstall <サンプルアプリケーションのID>

いかがでしたでしょうか? ここまでの手順でJBoss Fuse環境が構築できました。次回はこのFuse環境を利用して、具体的な使い方や仕組みについて解説していきます。どうぞご期待ください。

著者
知久 裕之(ちく ひろゆき)
レッドハット株式会社

サービス事業統括本部 ソリューション・アーキテクト部 ソリューションアーキテクト
日本オラクルにてERP、データベース、ミドルウェアなどのプリセールスエンジニアとしてITに携わる。OSSの将来性に惹かれ、現在は JBoss製品群のプリセールスに従事。ランニングなど体を鍛えることを始めました。

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