テスラ、アップル、アマゾンは他と何が違うのか
テスラにはある事がある。
アシュリー・ヴァンスの素晴らしい新著となるテスラモーターズのCEOイーロン・マスクの伝記「Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future」で、彼は全電気自動車 Model S Teslaセダンは「デトロイトの目を覚ました」と書いた。自動車業界はここ数年電気自動車についてあれこれ取り組んでいるが、マスクはずっと先を行っている。
アップルとアマゾンの成功もこれと同じ原理で説明できる。どちらもリスクヘッジや過去に拘ることなく未来の事だけに全てをかけている。
テスラのケースから見てみよう。
バッテリーで大成功
前述のとおり、自動車業界は電気自動車にここ数年取り組んでいる。しかしこれは完全に正しいとはいえない。彼らが我々にずっと押し付けてきているのは妥協の産物だ。トヨタプリウスなどハムスターの様な見た目だが、動力までハムスターでまかなってるのではないかとすら思う。
しかしテスラは違う。ヴァンスの伝記には以下の様にある:
テスラモーターズで、マスクは車の製造から販売までを再構築する傍ら、世界中の燃料の物流ネットワークを構築するという事を同時に行っている。ハイブリッドカー、あるいはマスクが言うところの「妥協の次善策」の代わりに、テスラは人々があこがれ、技術の限界を押し広げるような全電気自動車を作るために努力している。
Model Sを試乗したときの事を覚えている。妥協の様なものは感じられず、運転感はこれまでのドライブの中でもっともクールなものであり、それ以来私は同じものの購入を考えている。
マスクとテスラのチームなら世界最高のハイブリッドカーを作ることも出来るだろう。ただそれは世界最高の妥協の産物でもある。彼が作っているのは未来であり、過去に繋がる体のいい道筋ではない。これが彼が勝ち続けている理由だ。
タッチスクリーンに全てをかけたアップル
アップルはiPhoneで同社最大の成功を収めて以来、同じような方法をとってきている。しかしiPhoneをリリースした当時、それが成功を収めるかどうかはまったく確かではなかった。
結局のところ、アップルは業界で多数派であったBlackberryのやり方を踏襲せず、物理キーボードを持たない携帯を作り上げた。私は当時気でも狂ったのかと思い、また実際にそうも言った。打鍵感がないキーボードに見込みなどないと信じていたのは私だけではない。
しかしアップルは正しく私は間違えていた。我々が「なぜ馴染みがある方法にしないのか?」と考える中、アップルはタッチスクリーンだけで構成されるエクスペリエンスの可能性を見抜いていたのだ。マイクロソフト、Research In Motion(BlackBerryの前身)、その他の携帯メーカーは既存の顧客ベースに譲歩することで、未来志向のアプローチを採るアップルに数十億のユーザーを奪われた形になる。
この教訓が当てはまるのは消費者向け技術だけではない。
価値の転換を成し遂げたアマゾンの「真のクラウド」
大企業のインフラを例に挙げると、理論上、変化しやすいものがあってはならない。稼動しているように見えるものを変えることを企業は嫌うからだ。
しかし実際は、アマゾン ウェブ サービスが大企業のITをひっくり返した。
確かにデータセンターやソフトウェアライセンスのビジネスが数千億ドル以上なのに対して、アマゾン ウェブ サービスは50億ドルに過ぎない。しかし方法に関して言えばアマゾン ウェブ サービスは大きく勝ち続けている。Gartnerによれば、現在のアマゾン ウェブ サービスのサイズは2-15位の競合他社のクラウドを足し合わせたのと比べ、その10倍になる。拡張のスピードは鈍る兆しを見せない。
テスラやアップル同様、アマゾン ウェブ サービスも純粋に未来のビジョンを提供することで勝利している。
ここ数年間、大企業はパフォーマンスやセキュリティ上の理由から、処理をクラウドに移すことはないといわれてきたし、企業も実際そうしてきた。またそれと同じくらいの時間、クラウドは素晴らしいものだが大企業が求めているのはプライベートあるいはハイブリッドクラウドだとも言われてきた。
そんな中、アマゾン ウェブ サービスの前に全てのプライベートおよびハイブリッドクラウドは亡骸を晒している状態だ。
未来を作る
人間関係において妥協は重要だが、物を作る際の判断に有用とは限らない。
テスラ、アップル、アマゾン ウェブ サービスが勝ち続けるのは我々に次の未来を見せるユーザーエクスペリエンスを作り上げることに妥協を許さないからだ。オープンソース100%のソリューションを提供することに特化したRedHatなど、他にも同じようにしている例はある。
しかしほとんどの企業は妥協する。多くの企業は全てを未来に突っ込む事を恐れる。そして彼らがテスラやアップル、アマゾンの様に我々をインスパイアしない理由はそこにある。
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※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちらをご覧ください。
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