Windows 10のショートカットキー(Windowsロゴキー編)
Windows 10では、システムが利用するショートカットキーの割り当ても変更されています。今回は、Windowsロゴキー(以下Winキーと略す)を併用するショートカットキーを解説します。
Windows 8では、ショートカットに利用するキーのうち、Winキーを併用するものについて割り当てが変更されました。これは、新しいチャームやモダンUI環境などに対応するためでした。
Windows 10では、チャームが廃止され、タブレットモードが新設されました。このため、Winキーを併用するショートカットキーでも機能割り当ての変更などが行われています。
Windows 8では、機能がデスクトップ環境用のものであるために、ショートカットキーにより、画面がモダンUI環境からデスクトップ環境に切り替わる(あるいは逆)のショートカットキーがいくつかありました。たとえば、「[Win]+M」は、すべてのデスクトップアプリのウィンドウを最小化するものですが、ストアアプリが起動してモダンUI環境にいる場合に、このショートカットキーを使うと、デスクトップ環境に切り替わっていました。
これに対して、Windows 10では、タブレットモードでは有効でないショートカットキーはあっても、意味の変わるショートカットキーはありません。1つには、どのアプリもモードにかかわらず実行できるからという理由があります。Windows 8では、環境により実行できるアプリが違うため、環境を切り替えて実行する必要があったからです。たとえば、「[Win]+[Ctrl]+[F]」では、ドメイン用の検索ウィンドウが表示されますが、これはデスクトップアプリであったため、Windows 8では、モダンUI環境で実行している場合には、デスクトップ環境に強制的に切り替わっていました。しかし、Windows 10のタブレットモードでは、すべてのアプリが全画面で表示されるようになったため、単にドメイン検索画面が全画面で表示されるだけです。Windows 10では、ショートカットで、タブレットモード、デスクトップモード間の遷移を引き起こすことはないようです。
また、チャームの廃止にともない、いくつかのショートカットが廃止になっていますが、一部のショートカットキーは、「Windows 8ストアアプリ」を実行したときのみ、アプリに対して有効なショートカットキーになっています。もともとショートカットキーには、システムに対して指示を与えるもの(たとえば、Win+Dでデスクトップを表示させるなど)と、システムで定義されていますが、動作としてはアプリに対して行われるもの(たとえば、Ctrl+Vで貼り付けなど)があります。Windows 8までは、チャームというシステムに対しての機能だったものが、Windows 10では旧ストアアプリ専用になったようです。
Windows 8と変わらない機能でも、一部Windows 10の仕様変更に伴い動作に違いが出るものがあります。たとえば、Windows 8では「[Win]+数字」でタスクバーのN番目のアイコンに登録された機能を起動できましたが、Windows 10のタブレットモードでは、タスクバーにアプリアイコンを表示するかどうかを設定できるようになりました。このショートカットキーは、アプリアイコンを表示しているときには有効ですが、アプリアイコンの表示をオフにすると動作しなくなります。
新しいショートカットキーには、以下のようなものがあります。
[Win]+A | アクションセンターを開く |
---|---|
[Win]+[Ctrl]+D | 仮想デスクトップ追加 |
[Win]+[Ctrl]+[F4] | 現在の仮想デスクトップを閉じる |
[Win]+[Ctrl]+→/← | 仮想デスクトップ間の移動 |
[Win]+G | ゲームバー |
[Win]+S | コルタナまたは検索機能起動 |
[Win]+↑/↓ | スナップ時にウィンドウを上半分、下半分の縮小 |
仮想デスクトップ用のショートカットキーは3つあり、仮想デスクトップの作成、終了、移動が行えます。また、[Win]+[Tab]でタスクビューを開き、カーソルキーを使うことでも仮想デスクトップ間の移動が可能です。
「ゲームバー」は、Windows 10のXboxアプリなどが使うもので、ゲーム中に画面を録画するなどの機能を起動することができます。任意のアプリを実行中に起動可能です。
Windows 10のデスクトップモードでは、エアロスナップで、ウィンドウを左右半分のどちらかに表示させたときに、ウィンドウサイズを縦に半分にすることができます。その制御は[Win]+↑/↓で行えます。ただし、Windows インサイダープレビューのBuild 10162では、タブレットモード時には、[Win]+→/←も含め、ショートカットキーが動作しません。Windows 8では、モダンUI環境でも動作していたので、おそらくは未実装ということだと思われます。
Winキーを併用するショートカットキーのWindows 10とWindows 8の動作をまとめたのが図1.1です。この表で、色を付けてある項目は、Windows 10で機能が追加変更されたものか、機能が廃止されたものです。これを見ると、意外に機能の変更が多くありますが、モダンUI環境などにちなむものが多く、変更は多くとも使い勝手的には大きく影響はなさそうです。
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