データセンター管理を簡素化するPAN System
PAN Server Portabilityオプションの利用
■OSやアプリケーションに依存しないHAシステムの構築
システムインフラの信頼性向上を検討する場合、基本設計時にHA(High Availability:高可用化性)を考慮する必要があります。一般にHAを実装する場合、OSやアプリケーションによって適用すべきHAソフトウエアが変わります。そのため、システム管理者はシステムに応じて異なるHAソフトウエアの管理方法を習得する必要があります。
また一旦構成したHAシステムの構成変更は難しく、たとえシステムの重要度が変化してもHAからシングルサーバーに変更といった作業にはリスクが伴います。
このような従来型のHAシステムの煩雑性を排除しHAを実装しているのがPAN Server Portabilityオプションです。PAN Server Portabilityは下記の特徴を備えています。
・2クリックでHA設定が可能
・クラスタソフトウエアが不要
・OSに依存しないHA実装が可能
・N+1のHA設定が可能
・物理環境/仮想環境に依存しないHAを実装可能
従来方式のHAシステムの場合、例えば異なる10のHAシステムある場合は20台のサーバーが必要になります。それに対しPAN Server PortabilityはN+1のHAの実装を可能にするため、異なるシステム、異なるOSであっても11台のサーバー(pNODE)でシステムの信頼性を担保することができます。
HA用サーバーとして設定されるFailover NODEはGUIから2クリックで設定できるため、構築初期はシングルサーバーで運用しているシステムでも、簡単にHAシステムにすることができます。また、システムがダウンすると自動でFailover NODEからOSおよびシステム起動を行います。
このように、PAN Server Portability はHAの構築と運用の簡素化を実現します。
■100%検証可能な災害対策サイトの構築
多くの企業で、地震や災害時のビジネスの継続性を担保するITインフラを構築することが課題となっています。ただし、このような災害対策システム(DR)はあくまでもシステムに対する保険となるため、次の要件を満たすことが重要です。
・できるだけ低コストで実現できること
・簡単にシステム切り替えが可能なこと
・避難訓練(切り替えテスト)が本番に影響を与えず簡単にできること
こういった場合でも、PAN Portabilityオプションを利用することで、PAN Systemの構成情報をXMLファイルでExportすることが可能です。災害対策(DR)サイトのPAN SystemにこのXMLファイルをImportするだけで構成を復元できます。
従来型のシステムでは本番のインフラ環境が変わると、それに応じてDRサイトのシステムインフラも物理的に都度変更しなくてはなりませんでしたが、PAN SystemではHWリソースを抽象化して管理するため、このような変更に対して柔軟な対応が可能です。
また、ユーザーデータのレプリケーションに関してはSANストレージの機能を利用するため、XML構成情報とともにユーザーデータをコピーしておけば、物理/仮想環境にかかわらずDRの構築が可能となります。構成変更やテストを簡単に実施できるアーキテクチャであるため、いつ発生するかわからない災害に対しても確実に対応することができます。
同時にPAN PortabilityはN+1のDRをサポートしているので、東京/大阪/九州の本番サイト3セットに対して北海道のDRサイトを1セットにするといった構成や、複数の会社の本番PAN Systemを1セットの共有DRサイトで運用するなど、コストを抑えてサービスレベルを向上させることができます。
デルの考えるデータセンター運用管理の簡素化とは?
Dell PAN Systemの以下の機能により、データセンターの運用管理を簡素化とTCO削減を実現します。
・HWリソースを抽象化、仮想化して、OSのプロビジョニングやリソースの再定義を簡素化
・物理環境、仮想環境を一元的に管理
・OSや物理、仮想環境に依存しないHAを提供
・OSや物理、仮想環境に依存しないDRを提供
・Bladeサーバーによる省スペース/省電力システム
Dell PAN Systemは、運用管理方法を簡素化するだけではなく、無駄なHA用サーバーの投資や、クラスタSWライセンス費用を抑えることができるので、運用と初期投資の両方でコストダウンが可能です。
またOpenなIAブレードサーバーPoweredgeMシリーズの利用により、標準的なIAサーバーを利用しながら運用管理の簡素化を実現することができます。
汎用的なHWを利用することで、システム管理の簡素化だけではなく、投資の保護も実現するでしょう。