LoRaアライアンス、IoT開発者向けに「手早くプロトタイプを作れる」開発キットをリリース予定
LoRaアライアンスのメンバーである3社は、開発者がIoTの新技術を使ってプロトタイプを手早くおこなうための開発キットを生み出すために手を組んだ。
LoRaアライアンスは、IoTやマシンラーニング、その他の世界的なコミュニケーション基盤をもたらすことを狙いとする、オープンな非営利団体だ。米国のファブレス半導体メーカー大手 SEMTECHを中心に2015年に設立され、IBMやZTE、仏Orangeなどがスポンサー企業として名を連ねている。
LoRaアライアンスが取り組む基盤の1つに、『LoRaWANクラウドネットワーク』がある。これは、低消費電力WAN(LPWAN)の恩恵を受けるバッテリー駆動のIoTデバイスのために設計されたものであり、これを世界的に普及させることがLoRaアライアンスの最優先事項となっている。
LoRaWAN規格の別の利点として、エンドポイント間の双方向通信とマルチキャストのサポートが挙げられる。これらは、ソフトウェアのアップデート配信などに便利な機能だ。
また、この規格はバッテリーの節約上の利点もある。LoRaの公式ウェブサイトには次のように書かれている:
「LoRaWANの通信速度は、0.3〜50kbpsになる。エンドデバイスのバッテリー寿命とネットワーク全体のキャパシティを最大化するため、LoRaWANネットワークサーバはアダプティブデータレート(ADR)スキームにおいて、個別のデバイスごとの通信速度とRF出力を管理できる。」
開発キットづくりに取り組むLoRaメンバー3社
アライアンスを構成する3社 Semtech, Libelium、Loriotはそれぞれ開発キットづくりに取り組んでおり、アメリカおよびヨーロッパの基準に対応できるよう915MHz帯と868MHz帯の電波を使用している。開発キットには、ゲートウェイ、10個 のSemtechセンサーデバイス、ソフトウェアにLoriotのLoRaWANクラウドネットワークを使用するためのインターフェースが付いている。そして、キットに含まれるゲートウェイはデバイスとサーバ間のメッセージのやり取りに利用される。
LoRaWANには3つの異なるクラスのデバイスが含まれ、それぞれが異なる用途のために用いられる。
Class A – エンドデバイス間の双方向通信
Class B – エンドデバイス間での定期的な通信
Class C – エンドデバイス間での最大速度での双方向通信
今回、LoRaアライアンスが開発キットをリリースするのは、自分たちの通信規格を広めることが目的である。最近、Ciscoもこのメンバーの一員となったことが明らかになった。今後の動きに注目だ。
ReadWrite[日本版] 編集部
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