IoTの活用は、世界貿易やサプライチェーン・ファイナンスの近代化に大きな影響を及ぼしている。
Global Trade Reviewでも言及されているように、世界中の商取引やそれらにまつわる金融にIoTはますます取り入れられるようになってきているのだ。これは、輸送業者がロジスティックシステムにIoTを取り入れるようになってきた影響によるものである。
たとえば、貨物の場所や温度、湿度、露光状態をトラッキングするために、彼らはIoTセンサーを採用している。こういった情報から商品の価値をいつでも評価できるようになり、商取引に新しい切り口が生まれている。
「IoTセンサーはスマートテクノロジーを使った取引き、サプライチェーン・ファイナンスの契約実現に大きな役割を担っている」と、Skuchainの技術副社長 ランガ・クリシュナン氏はいう。
Skuchainは現在、銀行2社と商品の場所をトラッキングするセンサーの開発に取り組んでいる。このセンサーから得られる位置データにより、金融機関は取引資金の払い出しを決定するのだ。
また、こういったデータは保険業界にとっても価値があることは言うまでもない。保険業者は保険がかかった物品のトラッキングにIoTを導入しており、支払い要求に対してリアルタイムで対応できるようになっている。
こうやってデータを活用しているのは保険業だけではない。商品取引を活発におこなう銀行もIoTによる効率性の向上をはかっている。
「貨物の価値はコンテナのコンディションやかけられている保険によって変わる。銀行の商取引にとって、貨物がどこにあるのかという情報は極めて重要な情報である」と、語るのはR3 CEVの商取引アドバイザー ステファン・アタラ氏である。彼は金融システムにおけるブロックチェーン活用にも関わっている。
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「品質保証」というIoTの使い方
出資者も支払い前に出荷前の貨物の状態を担保としておさえておくためにIoTを活用している。
「出荷前の状態を担保できることから出資者も資金を出しやすくなり、結果そこには資金の流動性が生まれるのだ」とアタラ氏は言う。
また、IoTはスマートな契約の成立にも一役買っている。スマートな契約とはコンピュータベースによる契約のことで、一定の条件を満たせば自動的に施行される仕組みだ。
「一定の条件とは、特定の書類が受領されたり、なんらかの承認がとれたり、センサーからなんらかの信号が届いたり、ということを指す。センサーはスマートな商取引における引き金の1つだ」と、クリシュナン氏は言っている。
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ReadWrite[日本版] 編集部
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