DWRでAjaxプログラムをかんたん作成!

2008年9月17日(水)
清野 克行

JavaBeansプログラムの作成

web.xmlの配置が終わったら、JavaBeansのプログラムを作成しましょう。今回はAjaxクライアントで図2のような画面を表示するプログラムです。画面では、ファイル名「jinko」を入力後「参照」ボタンをクリックすると、ActiveWidgetsのグリッド画面に東京都内23区ごとの人口が表示されます。

表示データはDWRを使用してサーバーからレスポンスされたものです。この場合は「jinko」をキーとしてリクエストを送信し、Beansメソッドから検索されたMySQLデータベース(以下、DB)のレコードがレスポンス表示されています。

リスト2(13622.zip/0.61 KB)のプログラムは一般的なクラスファイルで、DWR用に特別に記述されている部分はまったくありません。このようなピュアなクラスファイル記述でDWRでのサーバーコードを作成することができるため、そのシンプルさを強調してPOJO(Plain Old Java Object)と呼ばれることがあります。

DWR-ServletはAjaxクライアントからのリクエストを受け取ると、リスト2のrevGridメソッドを実行します。revGridは引数に参照するテーブル名、この場合「jinko」を受け取ると、MySQL-DBへの接続後、DB検索を実行します。

この時グリッドデータを格納するテーブルは2種類あり、1つはグリッドのヘッダー情報を格納するtable_hdrテーブルで、もう1つはグリッドの明細情報を格納するtable_dtlテーブルです。最初にtable_hdrをアクセスしますが、このテーブルにはテーブル名、グリッドの行数、グリッドの列数、登録日が入っており、テーブル名をキーにしてこのデータを選択、取得します。

{syntaxhighlighter brush: sql;fontsize: 100; }String sql = "select * from table_hdr where table_name= ?";{/syntaxhighlighter}

次にtable_dtlにアクセスしますが、このテーブルにはテーブル名、行位置、列位置、その行列位置でのデータがグリッドのセル数だけ格納されており、同じようにテーブル名をキーにして選択、取得します。

{syntaxhighlighter brush: sql;fontsize: 100; first-line: 1; }String sql = "select * from table_dtl where table_name= ?";{/syntaxhighlighter}

DBアクセスは動的SQLで行われ、検索されたデータはレコードアイテム単位で「」で連結、レコード単位で「」で連結されてAjaxクライアントに返されます。

JavaBeansのコンパイル配置とdwr.xmlへの登録

次にspread.javaをコンパイルして/WEB-INF/classes/spread配下に配置します。これでJavaBeansの配置は完了ですが、Ajaxクライアントからのリクエストに応じてJavaBeans内のメソッドを実行するためには、dwr.xmlを記述してWEB-INF配下に配置する必要があります。

dwr.xmlはリスト3(13623.zip/0.36 KB)のように記述されており、Ajaxクライアントからのリクエストに対応してDWR-ServletからどのBeansにアクセスすれば良いかを知るための情報を提供します。

リスト3のタグ内がJavaBeansを作成するたびに記述する部分で、通常は「"spread"」「"spread.spread"」の部分の記述を変更すれば問題ありません。

有限会社サイバースペース
慶應義塾大学工学部電気科卒。日本IBM、日本HPなどにおいて、製造装置業を中心とした業務系/基幹業務系システムのSE/マーケティングや、3階層C/Sアーキテクチャによる社内業務システム開発などに携わる。現在は、Ajax/Web 2.0関連のセミナー講師/コンサルティング、書籍執筆などを行っている。情報処理学会会員。http://www.at21.net/

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