DWRでAjaxプログラムをかんたん作成!
DWRを使おう!
「第1回:ActiveWidgetsでAjax!」ではコンボボックスやグリッドなどのActiveWidgetsコントロール表示について解説しました。今回はサーバーリモーティングライブラリDWR(Direct Web Remoting)を使用してサーバー通信を行い、サーバーから受信したデータを使用してグリッド表示を行います。
DWRとは、AjaxクライアントとサーバーサイドJavaの構成で使用されるJavaScriptとJavaの連携用フレームワークです。
図1はDWRを使用したシステム構成です。図のようにサーバーサイドはサーブレットとJavaBeansで構成されますが、主に次のような3つの特徴があります。
1つ目がサーブレットはDWRサーブレットと呼ばれる専用のサーブレットが使用されるということです。したがって、ユーザーがサーブレットを記述する必要はなく、JavaBeansのみを記述すれば良いのです。
2つ目がDWRを使用することによって、サーバー側のプログラムをローカルのクラスメソッドを実行するような感覚で呼び出すことができることです。Ajaxクライアントでのサーバー通信処理プログラム記述は標準的な手順とは異なりシンプルです。
3つ目がDWRでJavaBeansプログラムが作成配置されると、動作確認用のデバッグ画面が自動生成されることです。よってAjaxクライアント側のプログラムを作成して通信テストを行う前に、サーバー側単独で動作検証を行えます。
以降では、DWRを使用したプログラム作成手順を紹介していきます。サンプルファイルをダウンロードできるようにしているので、ぜひダウンロードして設定内容を確認しながら、読んでみてください。最初に環境設定から紹介していきます。
DWR環境の設定
DWRサイトからサンプル用のdwr.warファイルをダウンロードすることができます。dwr.warファイルをダウンロードして、$catalina_home/webapps下に配置後コンテナを再起動するか、またはTomcat Webアプリケーションマネジャーからデプロイすることによって簡単にDWRを稼働することができるので、最初はこの環境でサンプルプログラムの動作確認を行って見るのが良いでしょう。その後、DWR環境を次の手順で設定します。
まず、DWR用アプリケーション環境を作成します。$catalina_home/webapps配下に自分のDWR用アプリケーション環境を作成し、WEB-INF/libにDWRサイトからダウンロードしたdwr.jarファイルを配置します。
次にデプロイメントデスクリプタを記述します。デプロイメントデスクリプタ(web.xml)にDWR-Servletを登録しますが、これはwarファイルからデプロイされたDWRサンプル環境からコピー配置しても問題ありません。
DWR-Servletの定義では、リスト1(13621.zip/0.48 KB)のようにinit-paramでdebug=trueを記述します。この記述は、DWRの特徴で紹介したサーバー側単独での動作確認をできるようにするもので、DWRの開発では大変有効ですので必ず設定すると良いでしょう。
もっとも、この記述はWARファイルからデプロイされたサンプル環境に最初から入っており、それをそのままコピーすることでも問題ありません。url-patternの/dwr/*により「/dwr/~」のURLパターンで呼び出された処理はDWR Servletで処理されるようになります。
次にJavaBeansプログラムの作成を行います。