本当に「好き」は仕事になるの? フリーランスになる前に考えておきたいこと
はじめに
自分の能力を活かし、自由に仕事ができる点が魅力のフリーランス。私の周りでも、退職後に自分の好きなことを仕事にしたい男性や、結婚・出産後も在宅で仕事をしたい女性など、フリーランス志望の方が増えています。
年代、性別に関わらずその人のライフスタイルにあった働き方が実現できるフリーランスですが、無計画では独立できません。今回は、巷でフリーランスによく言われる“好きを仕事に”は実現可能なのか、フリーランスになる前に考えておきたいことについてまとめます。
なぜフリーランスになりたいのか?
フリーランスになる前に、そもそもなぜフリーランスになりたいのかを考えておく必要があります。私の場合は「会社(できれば国)に関係なく、自分で生きていけるようになりたい」という気持ちがあったため独立の道を選びました。
業務委託契約で企業と仕事をし、常駐することもあります。この働き方をしてみて良いと思った点は「企業勤めよりも、時間と場所にとらわれず働けること」です。週2回は企業に出社し、残りの3日は自宅作業や他のクライアントのMTGに充てることもできます。フリーランスになったことで、自分に合ったライフスタイルを実現できた点も大きな収穫でした。
何を仕事にするのか?
また、独立する前に「何を仕事にするのか」を考える必要もあります。フリーランスの働き方に憧れていても、「何を売りものにすれば良いかわからない」こともあるのではないでしょうか。
企業での経験を仕事にする
一番わかりやすいのは、企業での経験を活かした独立です。私の場合はIT企業やWebデザイン、広告会社に勤めた経験があったので、それを仕事にしました。
企業での経験を元に独立するメリットは、金額感や予算感がわかること、すでに業界内のつながりがあることです。実務経験があるため、単価も高めに設定することができます。
“好き”を仕事にはできない?
次に“好きなこと”を仕事したい場合について考えてみましょう。1日の大半を占める仕事なので、”好きなこと”であればきっと毎日も充実したものになるはず。しかし、“好きなこと”を仕事にしたい場合は「競合が多い」「そもそもお金にならない」などの問題が立ちはだかることがあります。
スキルを組み合わせてみよう
私は中学生の頃から剣道を続けています。週3~4回以上は練習をしているので、もはや趣味以上かもしれません。その剣道が最近、仕事に繋がったので、どのように趣味を仕事にしたのかを紹介します。
現在、私が剣道関連で行っているのは、次の3点です。
- 剣道に関する記事の執筆(外部ライターとして)
- 剣道に関する記事の翻訳
- 剣道関連のWebページ制作
これらが仕事になった理由はスキルの組み合わせです。例えば、『海外剣道』という剣道雑誌への寄稿は、ヨーロッパの剣道事情などあまり触れられていないテーマを扱ったため仕事になりました。オランダにいるからこそできた仕事です。また、雑誌での執筆だけでなく、自分の専門性を活かしてWeb展開も行いました。
剣道業界では、これまでWeb展開を行うメディアはほとんどありませんでした。自分の得意分野であるWebの知識を組み合わせて提案した点が良かったのだと思います。そこから翻訳やWebページ制作の仕事も請けるようになりました。
価値を提供する場所を変えてみよう
また、オランダに行く前に前職の上司からこんなアドバイスをもらいました。「場所が変われば価値が変わる」。私が剣道を続けてきたのはただ好きなだけで、何の実績もありません。そのため、日本では仕事にするのは難しかったでしょう。しかし、働く場所をオランダに変えたことで提供できる価値が変わり、仕事につなげることができました。
好きなことを続けよう
いきなり「好きなこと一本」で食べていくことは難しいかもしれません。しかし、根気強く「好きなこと」を続け、大切にしていけば、ある日それが仕事になる日がやってきます。
広告代理店に勤めていたとき、ある上司からこんなことを言われました。「君が剣道の稽古を熱心に続けているのは素晴らしいことだと思う。ぜひそれを続けて、そして仕事になりそうな機会があれば飛び込んでみてほしい。今すぐに仕事にはならないかもしれない。5年先、10年先になるかもしれないけど、いつか自分が思いもよらないときに仕事になる時が来る」。
このアドバイスをいただいてからちょうど5年後に、剣道が仕事になりました。いつ、何が仕事になるかはわかりません。もし心から好きなことがあるのであれば、それを根気強く、大切に育ててみててはいかがでしょう。
フリーランスになるための準備をはじめよう
さて、ここまで読んで「フリーランスを目指してみようかな」と思ったら、さっそく準備を始めましょう! ここからは、フリーランスになる前ための準備について紹介します。
会社や専門学校で経験を積む
新卒からいきなりフリーランスになる方もいらっしゃいますが、未経験からの独立は、よほど度胸とスキルがない限り難しいと思います。
また、スキルがあっても仕事をとってくるための人脈や営業力も必要です。そのため、会社員をしながら仕事そのものの進め方や営業方法などを学んでいくほうが無難でしょう。
独立に必要なスキルや資格を得るために専門学校などに通うのもおすすめです。私はWebデザインやプログラミングを学ぶためにデジタルハリウッドの速習クラスに通いました。学校によっては、卒業後の仕事紹介までサポートしてくれるところもあります。
仕事の見通しを立てる
フリーランスになったら、仕事を継続的に獲得しなくてはいけません。未経験の場合や経験が少ない場合は、ランサーズやクラウドワークスに登録するとたくさんの案件を経験できるでしょう。
また、フリーランス同士の横のつながりを作っておくことで、フリーランス仲間経由で仕事がくることもあります。安定した仕事を得たい場合はWantedlyなどを利用して業務委託の仕事を探す方法もおすすめです。
自分のWebサイトと名刺を作ってみよう
独立してからでも良いのですが、自分のWebサイト(もしくはブログ)を作り、継続的に仕事に関する情報を発信する方法もおすすめです。Webサイト(ブログ)経由で仕事が来ることも少なくありません。私の場合は、最近SNS経由で出版社の方から挿絵の仕事をいただきました。
また、会社の名刺とは別に個人名刺を作り、いまできることやこれからやりたいことなどを伝えていくことも大切です。
クレジットカードを申し込んでおく
フリーランスになると、クレジットカードの審査に通りにくくなります。そのため、クレジットカードは必ず独立前に作っておくことを強くおすすめします。
まずは副業から始めよう!
独立の目処が立っている場合はすぐに独立しても大丈夫かと思いますが、不安がある場合は副業から始める方法もおすすめです。最初はなかなかお金にならなくても、実績や価格感を掴むために少額から始める方も少なくありません。
例えば、現在は企業コンサルとして活躍するあるフリーランスの方は、「最初はココナラで自分のスキルを500円で出品した」とおっしゃっていました。
また、フリーランス同士の交流会もたくさん開催されているので、情報収集も兼ねて参加することをおすすめします。インターネットや書籍でもいろいろな情報を得られますが、実際に会うことで普段では触れられない情報を得ることができます。
私も数か月に一度は日本に帰国しており、その際は積極的にイベントを行うようにしています。今後フリーランスになりたいという方や、今フリーランスで情報収集やフリーランス同士の交流に興味がある方は、ぜひご参加ください!
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