会社員からフリーランスになるために、私が心がけた5つのポイント
はじめに
みなさん、はじめまして! オランダのアムステルダムに在住し、フリーライターやWebディレクターとして活動している佐藤まり子です。私はIT企業に8年間在籍後フリーランスとして独立し、2017年にはオランダで起業しました。
オランダでは、これまでの経験を活かして、Web制作やデザイン業、そして剣道用品の販売を行っています。今後は、翻訳業も行う予定です。
趣味は20年続けている剣道。現在五段です。旅行も大好きで、大学生のときに世界一周旅行をした経験があります。
本連載では、今後フリーランスとして独立を考えていらっしゃる方や、海外移住に興味のある方に向けて、自分の失敗や学びを紹介していきます!
会社員からフリーランス? いきなりフリーランス?
フリーランスには大きく分けて2つのタイプがあります。会社員を経験してからフリーランスになるタイプと、いきなりフリーランスになるタイプです。
けんすうの名で知られる古川健介さんのブログ「新卒フリーランスの手持ちのカードは何で、どう戦うか」では、それぞれのタイプの強みやデメリットが分かりやすく解説されています。
私はまさに、この記事に出てくる「会社員→フリーランス」タイプです。会社員として働いたことで、
- Web制作やライティング、メディア作り、広告の仕事の流れや価格感がつかめた
- 企業内で決裁権を持つ人、予算を持つ部署を知った
- 人脈ができて仕事のメドが立った
- 一緒に仕事ができるフリーランス仲間ができた
ここからは、私が会社員からフリーランスへと大きく舵をきった5つのポイントを紹介していきます。
1. 会いたい人には、すぐに会いに行く。すぐ行動する
フリーランスになる上で、とても大切なのが人との出会いや繋がりです。特に「この人に会いたい」「話を聞きたい」と思ったら、ダメ元でもコンタクトを取ることをお勧めします。
私が大学3年生の冬、大学のフリーペーパーに掲載されていた小さなコラムを読みました。コラムの執筆者は私と同じ大学の先輩、古賀洋吉さん。彼は当時ハーバード大学でMBAを学んでいる最中で、現在はシリコンバレーで「Drivemode」という会社を経営しています。
コラムのタイトルは「世界を見に行こう」と「幸せな仕事に向かって」。古賀さんはこの他にも新社会人に向けたコラムを書いていて、「こんなにも人生を楽しんでいる大人がいるのか」と衝撃を受けたことをよく覚えています。あまりの衝撃で実際に話を聞きたくなり、連絡先を探して会いに行きました。
なお、残念ながら現在、上記のコラムはネット上で公開されていませんが、古賀さんのブログにはキャリアや人生観、MBA留学に関するコラムが掲載されています。
''『楽しい夢を持って、ぜひそれを叶えよう。夢を実現するために必要な行動を細かく書き、細かく達成期限を決め、一枚の紙にまとめることができたら、どんな大きな夢でも「計画」に変わる。そうしたら、簡単にあきらめないで。どうせあなたに簡単にできないのなら、多くの人にも簡単にはできない。』''
''『目の前が真っ暗になったら、今度は失敗時の計画も立てて、寝よう。』''
【参照】「Twitterでまじめに100回つぶやいてみた。」の65と66
強烈な憧れを感じる人はそうそういません。実際に会うことで考え方に直接触れることができ、頑張る意欲が沸きます。さらに、自分1人ではたどり着けないような話も聞けるため、次の行動に繋がります。
2. 専門知識、語学…必要だと思うことを学び続ける
Web業界やIT業界で働くには、Web制作のスキル習得は必須です。私は社会人になって2年後、通学型スクール デジタルハリウッドのWeb速習クラスに入学しました。デジタルハリウッドではAdobe PhotoshopやIllustrator、Dreamweaverの使い方を体系的に学べ、また随時課題が設けられていたことで、とても効率良く学習できました。
現在のデジタルハリウッドは先生が教壇に立って教えるのではなく、各自が動画を通して学ぶスタイルに変わっているようですが、Webディレクターやデザイナー、エンジニアを目指したい方には通学型のスクールがお勧めです。学校の先生や同級生、スクールスタッフの方からは、自分1人では得られない情報が得られます。私の場合は、デジタルハリウッドが転職のきっかけにもなりました。
また、私は「海外で働きたい」という気持ちが強かったため、大学在学時から継続して英語を学習していました。「仕事が忙しくて学習を継続できない!」という方は、TOEICを受け続けることをお勧めします。テストを受けることでモチベーションを維持しやすく、点数は英語力が伸びているかの指標になります。800点以上のスコアを持っていれば転職にも役立ちます。 なお、英語学習のノウハウについては、別の回で詳細を紹介します!
3. 転職する。できれば、中小企業も大企業も経験する
私はフリーランスになるまで、会社員として4社で働いた経験があります。各社2年ほどです。年配の方には「たった2年しか働いていないのか!」と呆れられそうですが、転職をすることで社内にいると忘れがちな「自分が身につけるべきスキル」を常に意識できます。
転職時の求人情報などで募集要項を見ると、「どのようなスキルが求められているのか」が分かります。その中で自分ができること・できないこと、これから伸ばすべきことを考えます。
お勧めは、中小企業も大企業も経験すること。中小企業は少数精鋭で実力のある方が多く、知識面でもメンタル面でもとても力がついたと思います。
大企業では、人との繋がりができたことが大きな収穫でした。人数が多い分、優秀な人・面白い人に出会える確率がぐっと高まります。ここでの出会いは、独立してからの仕事にもつながりました。
4. 営業を経験して、仕事のとり方を覚える
個人的に、独立前に経験をお勧めしたい職種があります。営業です。営業職は、大学生の頃に「自分に一番向かない」と思っていた職種でした。ノルマを課されて何かを売るなんて、自分には全く想像ができなかったのです。
しかし、学生時代の親友に誘われ転職した広告代理店で、転職後1年ほどして雑誌・新聞・テレビなどの新規営業を担当することに。
これがやってみると案外楽しく、もともと人好きだったこともあり、営業先に行くのが楽しみになりました。商品をどうやって広めるか、お客さんと一緒に考えることは自分にはとてもやりがいがあることでした。
100社アポイントのリストを作って電話すれば、10~15社は会ってくれます。案件の規模は小さくても、7回通えば仕事がもらえます。「これくらいやれば、仕事がとれる実感」を得たことはかなり大きかったです。営業を経験したあたりから、ぼんやりとWeb制作やマーケティングの仕事で「そろそろ独立できるのでは」と思うようになりました。
5.自分の心の声に従う
今回、私が最後にお伝えしたいことは、世間一般の価値観とは違っても、自分が本当に良いと思うのであれば、その道を選ぶことです。そのほうが後悔しないと思います。
私が大学3年生だった2006~2007年はリーマンショック前で、就職活動をすれば必ず内定が出ると言われた時期でした。しかし、説明会や面接を受けてもあまりピンと来ることがなく、働いたこともないのに自分の原体験を掘り下げたり、「この会社で何がしたいのか?」と聞かれても、正直「全くわかりません!」と思っていたりしました。
それよりも、アルバイト先の会社で社長に色々なことを教わりながらライター・企画の経験を積むことのほうが、私にとっては現実味がありました。大学の同期たちが上場企業に就職する中、無名の会社に勤めたため心ない言葉をかけられることもありました。
しかし、周りに理解されなくても、私はその会社が1社目で本当に良かったと思っています。その会社での仕事の経験は、いまの自分の仕事のスキルや心構え……全てのベースになっています。
おわりに
今回は、私がフリーランスになるまでの8年の間に心がけた5つのことを紹介しました。
- 会いたい人には、すぐに会いに行く。すぐ行動する
- 専門知識、語学…必要だと思うことを学び続ける
- 転職する。できれば、中小企業も大企業も経験する
- 営業を経験して、仕事のとり方を覚える
- 自分の心の声に従う
実際にフリーランスになってみて、収入面でも、プライベートとのバランス面でも、私は大満足しています。今後独立を考えている方たちにとって、このうちの1つでも参考になれば幸いです。
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