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ある日、妻がフリーランスに。そのとき夫は、家族はどうなる?

2019年4月2日(火)
株式会社Waris

はじめに

会社勤めからフリーランスへのキャリアチェンジ。独身のときなら、決断するのも、環境の変化を引き受けるのも自分一人ですが、家族がいれば自分だけの問題ではなくなります。

パートナーがフリーランスという働き方を選択したとき、それぞれの働き方はもちろん、家事や育児のバランスなど、家庭を運営していく上でさまざまな変化が生じます。

今回は、妻がフリーランスになったとき、夫はどう感じたのか、そして、夫婦関係はどのように変化したのか。中山綾子さん・章三さんご夫妻にお聞きしました。

■中山綾子さんプロフィール
プロモーションプランナー。大手飲食企業での店舗運営・新業態開発を経て企画会社へ転職し、商業施設の年間販促やメーカーの商品企画、官民連携の子育て支援事業などを多数手がける。2017年1月に独立。(一社)プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会にも参画し現在は事務局長。2018年10月に個人事業を(株)DaccoDayとして法人化。

■中山章三さんプロフィール
新卒から大手IT系企業にて、通信ネットワークやクラウドサービスなどのインフラエンジニアとして構築から運用保守まで幅広く経験。同業務マネジメントを経て2019年2月からソフトバンク(株)のクラウドサービス事業推進に従事。

「私、フリーランスで働きます」
そのとき夫は…。

中山綾子さんの場合、「フリーランスになる」という決断は、産後に働き方を見直した結果、自然と選択肢として出てきたものでした。

フリーランスになったきっかけは?

  • 綾子さん:会社員として、10年くらいイベント企画などを手がけていました。子どもが生まれてからは、ファミリー向けの案件を中心に担当し、半年くらいで仕事に復帰。小さい会社だったので子育てに理解もあり、一人プロデューサー的な仕事も多かったので比較的柔軟に仕事をさせていただいていました。

    それでも、朝7時から保育園に預けて夜8時にお迎え、なんていう日も多かったです。そんな働き方に限界を感じていたことと、会社としてできない仕事でも個人でなら受けられることが出てきたため、「自分でプロジェクトを請け負うこともできるんじゃないかな?」と考えるようになって、2017年1月に独立しました。

    前職の仕事も手伝いつつ、定期の仕事がほしいと思っていたので、初めはWarisに登録して仕事を紹介してもらっていました。現在は個人では請け負えない仕事も出てきたので、法人化しています。

フリーランスになって良かったこと、大変なことは?

  • 綾子さん:基本的に良かったことだらけです。フリーランスだと時間と場所の融通がきくのが一番良かったですね。決められたことをやるよりも、ゼロから考えて作っていく方が得意ですし、好きなので。収入を増やす裁量が自分にある醍醐味も楽しんでいます。

    大変なのは、事務や経理の処理でしょうか。クラウド会計など便利なサービスを活用して乗り切っています。タスク管理などの業務効率化は夫が得意なので、相談すると便利なアプリやコツを教えてくれることも多いです。

    あとは、良くも悪くも仕事とプライベートがシームレスなので、家族との時間についメールやチャットの返信をして長時間働いてしまうのも、家族に心配されるポイントです。とはいえ、家族との時間に全くメールの返信をしないでいると、子どもを寝かしつけてから夜な夜な作業することに…というのもフリーランスあるあるではないでしょうか(笑)。

妻がフリーランスになったとき、どう感じましたか?

  • 章三さん:妻から「独立したい」と聞いたとき、「少しくらい収入が減っても、安定的に稼げるなら働き方は自由で良い」と考えていたので、賛成しました。とはいえ、妻は勢いタイプなので、独立後のお金の動きなど心配なことはいろいろと確認しました(笑)。

    一方で「妻がフリーランスになるなら、自分は正社員・フルタイムの仕事を辞められないな」とかなりプレッシャーを感じていました。妻には自由に選択してほしいと思うからこそ、自分はきっちり稼がなければと。妻には伝えていませんでしたが。

    当時勤めていた会社は働き改革が進む過渡期で、まだまだ長時間労働が当たり前。平日の帰宅時間はいつも22時とか23時でした。責任のある立場にシフトしたタイミングだったので、より忙しくなっていきました。正直、先のことを想像する余裕もなかったです。

独立して半年、そして1年…。歯車が狂い出す

妻はより融通のきく働き方を求め、夫は妻の自由を尊重して正社員としてしっかり働く。そんな形でスタートした中山家の新しい生活は、妻の働き方の変化が家事や育児のバランスにも影響し、やがて夫婦間の認識のズレに気づくことになります。

フリーランスになった後の生活の変化は?

  • 綾子さん:私が会社員だったころ、夫は週2で保育園への送り迎えをしていたのですが、まずそれがなくなり、そのほかの家事育児も私が担当するものが増えていきました。

    フリーランスになって時間の融通は利くし、彼が忙しくなった時期だったので、「応援しなくちゃ」という気持ちが強くて。その結果、日中だけでは終わらなくなった仕事を夜中までやることもありました。それを見た夫からは「どうしてこんな時間まで仕事をしているの?」と言われることも。

    しかも、私は打ち合わせや現場などに出かけて外にいることも多く、家事が得意なタイプでもないので、家にいるからといって家の中がピカピカになるというわけでもなく……。

  • 章三さん:僕は僕で忙しすぎて、家にいるわずかな時間しか家族のことを見ていなかったので、勝手に「妻には時間の余裕があるんじゃないか」と思っていました。僕が家事育児に貢献できない分、「今は頼んだぞ」という気持ちで。

    だから、妻が夜中まで仕事をしている姿を見て、つい「今、それをやらなくちゃいけないの?」と言ってしまうこともありました。疑問を投げかけたものの、じっくり妻の話を聞く余裕もなく、そのまま寝て出勤する、という生活が続きました。

お互いに不満が見えてきたとき、どう感じていましたか?

  • 綾子さん:「暫定的に」家事育児を多く担当しているつもりだったのが、それが当たり前になっていると感じるようになりました。夜中へのしわ寄せも、始めは自分の要領の問題と思っていましたが、仕事も増えて色々なものが溢れていって、元々の自分の担当よりも多くやっているはずなのに感謝されない辛さが募っていきました。話し合いたくてもなかなか時間が取れないのも、はがゆかったです。

  • 章三さん:ケンカになったとき、私が仕事で疲弊気味だったとしても「それでもしっかり働かなければ」と固執する僕に、妻から「誰も無理を強いていない」「転職しても良いし、休んでもフリーになっても良い。あなたも自由に考えて良いんだよ」と言われたことに腹が立ちました。自分としては「妻が自由になったから自分は自由にできない」という思いが強かったので、「人の気も知らずに簡単に言わないで」という気持ちでした。

    「自分は家族を守るために会社を辞められない、とにかく家族を守らないと」と思っていました。

「家族を守る」ためには何が必要だと思っていましたか?

  • 章三さん:まずは、安定収入。そのために仕事でも成果を出したいと思っていました。メディアなどで仕事と子育てを両立している事例を見ていましたが、実際は家族のために早く帰るような生活をしていたら、会社で重要なポジションにつきにくいと思っていたんです。自分の会社だけでなく、社会全体でもそうなんじゃないかと。仕事で成功すれば、家族の将来の安定につながり、それが「家族を守ること」だと思っていました。

    一方で、当時の会社でずっと働いていけるのか、疑問に思う気持ちもありました。心のどこかで「このままだと、自分が潰れるかもしれない」と感じていたのです。

家族が「大切にしたいこと」に気づいた夫の選択

お互いを想う気持ちがすれ違い、それぞれ無理を重ねていた中山さん夫妻。そんなとき、認識のズレに気づく機会がありました。

夫婦でどうやって話し合いを重ねていきましたか?

  • 綾子さん:平日はまったく時間が取れなくて。でも、休日にはよくキャンプに行きました。帰りの車中で子どもが寝たときが唯一、夫婦でゆっくり話す時間でしたが、そんなときにも意見がぶつかって言い合いになってしまい、涙を流したこともあります。

    私がフリーランスになって1年くらい経ったとき、「このままでは家族としてやっていけない!」という危機感が強まり、大きなケンカをしました。そしてそのとき、お互いに違うところを見て話をしていることがわかったんです。

お互いの認識のズレはどういう点でしたか?

  • 綾子さん:私は、家事も育児も自分ひとりでやらなければならないということに「孤独」を感じていたんです。でも、夫は「どうすればタスクをこなせるようになるか」という視点で現実を見ていました。「夫婦でタスクをこなすことができれば、妻も楽になって問題は解決する」と考えていたのだと思います。

    私のために考えてくれていたのだと思うのですが、私は「もう無理だと言っているのに、気持ちのケアの前に『どうやるのか』というやり方の話になっている」と不満が爆発。さんざん話し合って、視点の違いとお互いの仕事への理解、リスペクトが欠けていたことに気づきました。

  • 章三さん:妻に「家のことはひとつもやらなくていいから、ただ家にいてほしい」と言われたとき、やっと「そういうことなのか」とわかりました。彼女は「気持ち」を訴えていたけれど、私は「タスク管理」について考えていたんです。妻は「質」の話をしていたのに、僕は「量」の話をしていました。致命的なチームのミスコミュニケーションですね(笑)。

視点の違いに気づいた後、変化がありましたか?

  • 章三さん:とにかく、私が家にいる時間を作らなくてはいけないと思いました。そして、いかに自分が勝手に抱え込んでいたかに気づき、「自分も自由になって良いんだ」と思えたんです。家族で幸せになるために、自分の人生の舵を切れるのは自分だけだと。

    「自分の仕事量は変えられない」という思い込みがありましたが、そこから苦しみつつも転職する方向に動いていきました。「仕事の成功が家族のため」という考えは変わっていませんが、「仕事の時間を長く取れば成功できるわけではない。仕事の成功と長時間働くことは別だし、家族の幸せと比例するものではない」ということを認識できました。

    実は、最近転職したばかりです。新しい会社を選んだ決め手は、スキルと経験を活かしつつ、働く時間を自分で選択できることでした。

「フリーランス」という働き方への見方は変わりましたか?

  • 章三さん:最初は「フリーランスなんて気楽だな」と思っていました。妻から「会社を辞めても良いよ」と言われても、そのときの自分の仕事を軽視されているような気がして、「簡単に辞められるわけがない」と。

    でも、よく考えたらフリーランスのほうが大変ですよね。人と人とのつながりや信用がすべてですから。会社員は固定給が入ってくるので、ある意味気楽です。病気などで働けなくなったときも守ってくれますしね。前の会社を含め、そんな会社員として働くことのメリットも再確認できました。

「フリーランスも会社員も関係なく、
人生をセルフコントロールする」ということ

妻がフリーランスになったことで浮き彫りになった、夫婦の認識のズレ。

「結婚前から考えると10年以上の付き合いだから、ものの見方も同じだと勘違いしていました。多様な働き方をしているロールモデルの記事などをシェアしていたし、その都度意見を共有していたので、同じ視点で『これからの働き方』を見ていると。でも、全然違うものですね。同時に夫がいかに私の仕事に関心をもって応援してくれていたかも知ることができました」と綾子さんは言います。夫婦で傷つきながらも、あきらめずに話し合いを続けたからこその言葉ではないでしょうか。

私はあなたではない。でも、そのうえで、家族として一緒にいたい。フリーランスも会社員も関係なく、それぞれの自律的なキャリアと人生を尊重しあいたい。

お互いの認識を擦り合わせていく体験を共有した二人。今後は何かあっても、お互いに「どの視点から話している?」ということを意識できるはず。そう考えれば、この体験は夫婦の、家族の宝になったと言えるかもしれません。

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多様な生き方・働き方を創出する人材サービス企業。広報・マーケティング・人事等のプロスキルを持つ女性と企業とのマッチングサービスを展開するほか、一度離職したキャリア女性の復職支援サービス等も展開。http://waris.co.jp

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