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6年目フリーランサーに学ぶ! 仕事を獲得し続けるために必要な3つの秘訣とは

2018年3月23日(金)
八木 志芳(やぎ・しほ)

2018年2月8日(木)、東京大手町にあるワークプレイス「Spaces大手町ビル」にて、株式会社Waris主催のフリーランスサロン「6年目フリーランサーに学ぶ! 仕事を獲得し続けるフリーランスに必要な3つの秘訣」が開催されました。

現役のフリーランサーや、これからフリーランスになりたい女性の約20名が参加し、本サロンの講師で広報PRフリーランサーとして活躍中の中野綾佳さんのお話に熱心に耳を傾けていました。

フリーランスが仕事を途切れさせることなく活躍し続ける秘訣とは何でしょうか。2017年11月に独立したばかりのフリーアナウンサー・ライターの八木志芳(@ShihoYagi)が当日の会場の様子とともにレポートします。

自分をPRするためのアイスブレイクからスタート

参加者は4、5人のテーブルに別れて着席。このサロンでは、中野さんの講演だけでなく、後半にグループワークの時間もしっかりと取られています。そのため、グループ内での自己紹介からスタートしました。

名前や仕事内容はもちろん、「あなたが5年以上続けていることは?」「今日持ち帰りたいこと」 という課題が与えられ、それぞれ1分で自身について語ります。

会社員時代は企業と部署のみで済んでいた自己紹介も、フリーランスは自分のスキルやキャリアを踏まえて簡潔に説明しなければいけません。1分という時間に慣れず、長くなったり短くなったりしてしまう方もいたようですが、自己紹介後はグループ内の空気も和らぎ、業界や職種が違う人が集まっているテーブルでも話が弾んでいるようでした。

フリーランスってなんだろう?

グループ内の自己紹介も終わり、いよいよ講師である中野綾佳さんのお話がスタート。中野さんは大手化粧品メーカー、エンターテインメント系シンクタンク、日系金融機関でIR広報などを担当した後、外資系PRコンサルティングファームへ。2011年にフリーランスとしてのキャリアをスタートし、現在はテクノロジー系ベンチャーを中心に PRおよびGR等を行なっています。PRとしてのキャリアを積んでから独立し、活躍し続ける先輩フリーランスです。

フリーランスサロン講師の中野 綾佳さん

中野さんは独立した時、まずは「フリーランサーってなんだろう?」と定義することからはじめました。フリーランスについて考える中で、波頭 亮氏の「プロフェッショナル原論」(ちくま新書)に出会った中野さん。この本では『プロフェッショナル』が「高度な知識と技術によってクライアントの依頼事項を叶えるインディペンデントな職業」とされ、この定義が中野さんの中で腑に落ちた部分があり、求められるフリーランサー≒プロフェッショナルと考えるようになったそうです。

自分の価格を設定する

フリーランスとして仕事を獲得するために中野さんが最初にしたことは「値決め」。自分自身の労働に対する単価を決めることです。

中野さんがフリーランスになった時、周りに同じような環境の人がおらず、相場を決められない。仕事の交渉に行くと見積もりを求められても困る、という壁にぶつかったそうです。そこで中野さんは、最後に勤めた会社の単価から1時間あたりのアワリーレイトを算定。さらに、「絶対ディスカウントをしない」という方針を決めました。

ただし、相手の予算感と合わない場合は、稼働内容を見直して提案するそうです。この自分の価値を下げることなく相手の予算に合わせて行くという手法は、フリーランスとして生き残るために大事な要素ではないでしょうか。

自分の強みを明確にする

値段を決めたら、自分のセールスポイントを決めなければなりません。自分の強みを発揮するためには、まずは基礎能力があることが大前提。中野さんは、クライアントと初めて打ち合わせをする際に「どうして良いかわからないけどPRが必要だ」と漠然とした話をされることもあるそうです。その場合は企業がつかめていない課題を明確にし、必要な対応を適切に選択して背景も含め提案、そしてプロジェクトを牽引していくという一連の業務を基本にしています。

その上で、強みを明確化して専門的でオリジナリティを発揮するために、「業界」「成長ステージ」「提供するサービス」「ローカルorグローバル」などに分けて、それぞれに得意な分野を見つけていきます。

中野さんの場合は、次のように決めているそうです。ご自身のキャリアを活かしつつ、一緒に仕事をしたい企業が明確にわかりますね。

仕事の獲得方法

PRとして企業をセールスするのは得意でも、自分をセールスするのは苦手だという中野さん。しかも、対面で営業するとディスカウントされる心配や、苦手な営業に時間を割かれるというデメリットが……。そこで、自分で営業せずに仕事を獲得する方法として「営業を代行してくれる組織と人脈をフル活用するべきだ」と話します。

まずは、Warisのような仕事を紹介してくれるエージェントに登録し、一度契約した会社からのリピートや紹介で来る仕事なども多いそうです。さらに前職や同業フリーランスからの依頼もあると言います。

アウトプットの質を上げるためのゴール設定

中野さんが自分で営業しなくても仕事の話が舞い込み続けるのは、アウトプットの質が高いからではないでしょうか。

質を上げると言っても、PRのような業種には目に見える納品プロダクトがありません。中野さんは、質を上げるためには「ゴールを明確にすることだ」と言います。「プロジェクトをスタートする前に、プロジェクトのゴールを明確にして関係者に共有します。ゴールを共有しておけば、クライアントからもプロジェクトが成功したか評価しやすくなります」(中野さん)。

ゴール達成のために人を巻き込み、覚悟を持って進む

フリーランスはどうしても一人で動きがちですが、ゴールを達成するためにもチームとしてメンバーに協力してもらう必要があります。

中野さんはチームメンバーを巻き込むため、プロジェクトスタート時にレクチャーを実施して PRに関する理解を深めてもらい、さらにトップやキーマンとの関係構築に力を入れるそうです。また、メンバーとはランチやディナーなど業務以外の時間も共有することで雰囲気を作り、自分を知ってもらう機会を持つことも大事だと言います。

目標設定やチームの雰囲気作りができたら、あとはプロジェクト成功のために突き進むのみ。フリーランサー≒プロフェッショナルという覚悟のもと、必ず成功することを自身へ誓って取り組んでいるそうです。

失敗から学んだクライアントポートフォリオのデザインと管理

これまでの話から順風満帆のフリーランス人生を歩んでいるように見える中野さん。しかし、1年目にはそれなりに失敗もしているとか。大企業から1年間の大型案件を受注したものの、そのプロジェクトは途中で予算がなくなり売上や期間が縮小しました。その時にはすごい不安に襲われたそうです。

そこから、一つのクライアントに頼らず、複数社と契約、さらにはモチベーションを保つために単発の案件も受注して、リスクを分散しました。複数社と仕事をする上で大切になるのがクライアントポートフォリオのデザインと管理。一ヶ月で最低売り上げがどのぐらいあれば良いのか、またその目標のために各企業の売上や契約を考慮して新規案件をどのタイミングでどれくらい受注すれば良いかを管理しているそうです。

常にスキルをブラッシュアップする

変化スピードが速い社会でフリーランスとして仕事を獲得し続けるのは簡単なことではありません。常に、新しい知識を習得してスキルのブラッシュアップを図ることが大切です。組織に属して同僚がいれば常に新しい情報が入る機会もありますが、フリーランスは自分から積極的にその機会を作らなければなりません。

中野さんは、フリーランス協会などのコミュニティに参加し、フリーランスや同業の方との交流の場を持ったり、大学等の専門機関で短期プログラムを受講したりしているそう。スキル面では英語学習の継続、プレスリリースを書くための日本語能力のブラッシュアップ、テック系ツールの活用などを意識しているそうです。

点と点をつないで進んでいく

フリーランスで働いていると5年後、10年後の将来が見えず、不安になる方も多いのではないでしょうか。中野さんも将来的な計画を聞かれることが多いそうですが、「特にない」と答えています。曰く、「変化スピードが激しい時代で働き方も私たちを取り巻く環境も日々変わり、中長期的な綿密な計画などあまり意味がない時代だから」ということ。

そして、中野さんは今後の働き方の指標として、スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチから引用します。

“Connecting The Dots” (点と点をつなげ)

you can't connect the dots looking forward; you can only connect them looking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. This approach has never let me down, and it has made all the difference in my life.

先を見通して点をつなぐことはできない。振り返ってつなぐことしかできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生に大きな違いをもたらした。

引用:2005年スタンフォード大学卒業式スピーチ スティーブ・ジョブズ

「今、自分が取り組んでいる点を、確実にして実績にして線にし、チャンスを逃さず、変化を恐れないこと」だと締めくくりました。

グループワーク

中野さんのお話に熱心に耳を傾けていた参加者たち。自分たちの課題や、それに対する解決のヒントを得て、晴れやかな顔になっている方も目立ちました。そして中野さんのお話を踏まえ、テーブルごとに分かれての最後のグループワーク。

1.あなたの一番の課題は、どれですか?
 A.仕事を引き寄せるスマートな交渉術
 B.アウトプットの質を上げる関係構築術
 C.プロとして稼ぎ続けるためのアクション

2.課題を解決できたら、何を手に入れることができますか?

というテーマで、グループ内でそれぞれが発表を行いました。自分の弱みが明確になった方が多いようで、「自分のプライスレイトを決めていなかったために、スマートに交渉できなかった」「フリーランスだと第三者からのチェックがなく、アウトプットの質を高められているか不安になり、クライアントとも上手く関係構築できなかった」など、それぞれの悩みが語られ、グループによってはメンバーからのアドバイスも飛んでいました。

おわりに

多くのクライアントから求められる中野さんのお話は、業種はもちろん、フリーランス、会社員と関係なく、夢や目標のある人が、それらを実現していくために必要なことでもあると感じました。求められる人材になれば、必然的に依頼も増え、自分の取り組みたい案件に近づけるのではないでしょうか?

また、Warisのフリーランスサロンは、グループワークの時間も多く、自分の課題と向き合い、同じような立場・志を持った方と出会い、悩みを共有できる場として、非常に雰囲気が良く、素敵な空間でした。現役フリーランスで仲間が欲しい方や悩みのある方、会社員でフリーランスに興味のある方は、ぜひ参加することをおススメします。

著者
八木 志芳(やぎ・しほ)
フリーアナウンサー・ライター
大学卒業後、IT企業・レコード会社を経て、福島県のラジオ局にてアナウンサーとしてのキャリアをスタート。2017年11月にフリーのラジオパーソナリティー・ナレーターとなり、同時にライターとしての活動も始める。アナウンサー・ライターとしてこれまでにインタビューしてきた人数は500人以上。

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