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モバイル動画配信の仕組みを知ろう

2008年11月2日(日)
池辺 政人

ファイルフォーマットによって異なる再生品質

 まずは、携帯動画の画質に関する設定についてですが、画質に関する設定パラメーターには大きく「ビットレート」と「フレームレート」の2種類があります。

 ビットレートとは、具体的に携帯動画自体の「画質」をコントロールする数値で、この数値が高ければ高いほど高画質な動画を再生することができます。ただし、配信するインフラのスペックに合わせた数値に設定する必要があるため、高く設定すれば良いというわけではありません。

 フレームレートとは、1秒間に何コマ再生するかを指定する数値で、テレビ等の映像は通常30フレーム/秒で設定されており、非常にスムーズに再生できます。携帯動画はキャリアや端末ごとにスペックが違うため一律レートでは配信できませんが、だいたい5~15フレームで配信できます。

 各キャリアの設定値を図2にまとめました(最大数値表示)。

 そもそも携帯動画自体の仕様がこんなに多様化されずに一元化されていれば、もっと手軽に動画配信を活用できたのではと思いますが、これは携帯向けのサイト制作における仕様の違いと同様、今後の携帯業界の課題の1つであると言えるでしょう。

配信方法の違いとコンテンツ保護設定

 携帯動画には配信方法(再生方法)には、「ダウンロード形式」「疑似ストリーミング形式」「ストリーミング形式」の3つがあります。

 ダウンロード形式とは、選択した動画ファイルが完全にダウンロードされてから視聴する方法です。ダウンロード形式であればすべてのキャリア、端末で対応しています。ダウンロードしたファイルは端末側に残ります。

 疑似ストリーミング形式とは、サイズの大きな動画ファイルの再生に有効な方法で、ある程度先行してダウンロードするとダウンロード途中から再生を開始します。ダウンロードしながら再生するといったイメージです。ダウンロードしたファイルは端末側に残ります。

 ストリーミング形式とは、完全なストリーミング配信で、通信環境が良ければボタンを押したと同時に再生がはじまる方法です。こちらも疑似ストリーミングと同様にダウンロードしながら再生が可能です。ストリーミング形式で配信された動画はキャッシュが端末に残らないので、著作権を保護したいコンテンツ向きです。

 これらの配信方法はキャリア別に設定方法は異なり、ファイル単位で個別に設定できたり、公式サイト登録されているコンテンツのみに利用できるなどの条件が設定されています。

 コンテンツ保護に関する設定(再生制限)には、「コピー制限」「再生回数制限」「再生期限制限」「再生期間制限」の4つがあります。

 コピー制限とは、ダウンロードされたコンテンツを端末から外に出せないように制限をかける機能です。外部メモリーや赤外線通信、メール添付でも移動することができません。

 再生回数制限とは、端末内にダウンロードされたコンテンツの再生回数を設定する機能です。パラメーターによって指定された回数だけ再生が可能となります。コンテンツの再生完了時に1回再生とカウントされます(docomoの場合)。再生回数が指定した回数に達した時点で無効ファイルとなります。

 再生期限制限とは、端末内にダウンロードされたコンテンツの再生期限を設定する機能です。パラメーターによって指定された期日まで再生が可能となります(○月○日~△月△日まで再生可能といった設定)。

 再生期間制限とは、再生期限制限と同様に、端末内にダウンロードされたコンテンツの再生期間を設定する機能です。パラメーターで指定された再生開始日時から、指定された日数の間コンテンツを再生することが可能になります(ダウンロードした日から○日間再生可能といった設定)。

 一見、複雑に見えるかもしれませんが、それだけ細かく設定方法が用意されているということで、いろいろなコンテンツの配信にフレキシブルに対応できるという意味では、まだまださまざまな利用方法や価値が見いだせると考えられます。

株式会社Xenomedia blend
代表取締役/ビデオディレクター。独学で映像制作の技術を学び、スノーボード、サーフィンのビデオ制作を経て2007年4月にインターネットに特化した映像制作会社を設立。現在はコンテンツ制作をメインにモバイルプロモーションの企画や PC・携帯の動画配信のインフラを提供する。http://www.xenomedia-blend.com/

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