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東京・神戸の2拠点生活実践者が語るワーケーションの魅力とは?

2018年11月9日(金)
於 ありさ(おき ありさ)

10月5日(金)、SPACES大手町ビルにて、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)主催のイベント「local next...Special 海と山が近い街・神戸で二拠点生活のススメ」が開催された。

近年、頻繁に耳にするようになったワーク×バケーション=ワーケーションという造語。神戸市では、東京との2拠点生活居住者を受け入れるため「神戸ワーケーションプログラム」という独自の施策を行なっている。

本イベントでは、神戸市と東京で2拠点生活を行なっている神戸市 都市型創造産業統括プロデューサーの藤野 秀敏氏をモデレーターに、同じく2拠点生活を行なっているグラフィックデザイナー・アートディレクターの天宅 正氏、日本の「モノ」「コト」「場所」「人」の魅力を再発見する雑誌『Discover Japan』統括編集長の高橋 俊宏氏をゲストに迎えてトークセッションを行った。

トークセッションに先立ち、神戸市の担当者が2拠点生活先として神戸を選ぶ魅力を説明。羽田空港まで70分、関西国際空港まで30分という交通の便の良さや、都市機能と自然環境が共存していることなど、暮らしやすさと働きやすさを併せ持つ神戸の都市としての魅力に、参加者は興味深く傾聴していた。

神戸市の担当者が神戸の魅力や施策の概要を説明

“移住=定年後”という概念の終焉

続くトークセッションでは、モデレーターの藤野さんが『Discover Japan』で年に1度は移住特集を組んでいるという高橋さんに、昨今の移住ブームの傾向について質問。

モデレーターの神戸市都市型創造産業統括プロデューサー 藤野 秀敏さん

  • 藤野:近年、地方の魅力が再発見され、移住ブームと言われていますが、今どきの移住にはどのような傾向がありますか?
  • 高橋:今まで移住と言うと「退職後にゆっくり暮らすため地方に移り住む」という方が多い傾向にありましたが、最近では20代、30代の若い層からも注目を集めています。「何か新しいことをしたい」という方や「自分らしい生き方をしたい」という方から見ると、モノがあふれた都市圏よりも地方の方がそういった生き方、働き方を実現できるのではないかと思っているんですよね。実際に『Discover Japan』で定期的に行なっているオフラインのイベントでも、20代の子が「地方で活躍するにはどうしたら良いですか?」と目を輝かせながら聞いてくることが増えました。


  • 株式会社枻(エイ)出版社 Discover Japan 統括編集長 高橋 俊宏さん

  • 藤野:東京でできないことも、地方でならできるという考えなのですかね?
  • 高橋:働き方改革だなんて謳われていますが、若い人たちは「東京で働くということは改革をしなければいけないくらいの働き方なのか…」という印象を持って絶望しているようです。それで「お金持ちにならなくてもいいから、地方でスタートアップ企業を立ち上げて、自分の好きなことをして働きながら、自分の好きなように生きる方が夢があるのではないか」「その方が、東京で働くよりもかっこいいのではないか」と思うのでしょう。実際、フリーランスや自活できる方を見ると「移住に強い人だな」と感じます。
  • 藤野:「移住に強い人」というのはキーワードになると思うのですが、具体的にどういった方ですか?
  • 高橋:感度の高い人ですね。何もないような土地や地方に行って魅力を引き出し、その将来性を見出せる方は、その地方にも良い影響を与えるのではないかという印象です。
  • 天宅:たしかに、スキルがなくても、その地方に面白さを見いだせたり、楽しむことができたりする人であるかというのは、僕自身もすごく重要だと感じています。


  • グラフィックデザイナー・アートディレクターの天宅 正さん(神戸と東京の2拠点生活実践者)

  • 藤野:観光地としての魅力と居住地としての魅力は違うものですか?
  • 高橋:違いますね。観光地には観光スポットとして魅力がある場所が多いですが、居住地には観光地としては何もないような場所も候補に挙がります。ただ、何もないこと=魅力がないのではなくて、ないからこそ自分で新しいことを創り出せることが魅力なんですよね。


2拠点生活のリアルと魅力
「どちらかに住む」という選択肢を選ばない理由

高橋さんによる昨今の移住事情についた解説があった後、セッションの話題は実際に神戸と東京で2拠点生活を行なう天宅さんのリアルな声を聞く方向へ。

  • 藤野:天宅さんが2拠点生活を始めたきっかけは?
  • 天宅:20歳で東京に出てきて就職し、馬車馬のようにクリエイティブの仕事をしていましたが、個人で地方の方から地域デザインの仕事を請け負うようになりました。その時に依頼いただいた地方のどれも僕が住んだ経験のない場所でした。その時にうっすらと「いつか自分の地元(神戸、関西)で仕事がしたい」と思うようになって、そんな時に神戸市役所のクリエイティブディレクターの仕事を見つけて、応募したのがきっかけです。
  • 藤野:実際に2拠点をどのように行き来し、どんな働き方をしているんですか?
  • 天宅:東京から神戸に行くときは4時30分に起きて、8時30分から神戸市役所で仕事をしています。これだけ聞くと大変そうな印象を受けるかも知れませんが、正直にはあまり「働いている」という感覚はなくて、役所と前の会社との環境の違いや、定時で仕事が終わった後に神戸の街を楽しむということも含めて楽しんでいます。
  • 藤野:クリエイティブディレクターとはどんなお仕事ですか?
  • 天宅:神戸市はデザイン都市として認定されていて、「住み続けたくなるまち、訪れたくなるまち、そして、継続的に発展するまち」を目指して、デザイン思考から施策を作っていこうとしています。そこで、市の職員の方々を対象に、今まで続けてきた施策をデザインの観点からより良いものにするためのアドバイスをしています。


  • 藤野:2拠点生活で働き方そのものに関する考え方は変わりましたか?
  • 天宅:大きく感じたのは「仕事の内容は職業に縛られなくても良いのかな」ということです。例えば、辞書で「グラフィックデザイナー」という言葉を引いた時に書いてあるような仕事以外に手を広げても良いんじゃないか、と。
    だから、クライアントからの課題に答えるだけでなく、自分で本当の課題を見つけて、自分で解決できることはするようになったんですね。専門分野の方から見れば未熟な部分もあると思いますが「職業がこれだから、仕事はこれ」ではなくて「できることはちょっと手を広げてでもやります」と仕事がグラデーションになった感覚があります。
  • 藤野:なるほど。仕事の幅やスキルの幅が広がっているということですね。ちなみに、これからも2拠点生活を続けようと思いますか?
  • 天宅:完全に神戸へ移住するよりも、東京に拠点を置きながら、東京で見たものを神戸に還元する今のスタイルが神戸のためになっている気もするので、当分は続けます。もちろん東京と地方だけでなく、それ以外でも自由に行き来できることが2拠点生活そのものの魅力と言えるでしょうね。

* * *

トークセッションの終了後には、11月に開催される2泊3日の「神戸ワーケーションプログラム」の説明と交流会が行なわれた。

交流会ではモデレータやゲストも交えて参加者同士が盛んに交流を行っていた

このプログラムは、実際に神戸市内の海や山、農村地域などにある市内のコワーキング施設を訪問したり、市内の企業やクリエイターと交流の場を持てたりするもの。東京で生活することに窮屈さを感じている方、地方での生活に憧れている方などは、ぜひ参加してみてはいかがだろうか。

「神戸ワーケーションプログラム」の概要。2泊3日で結構な過密スケジュールだ

著者
於 ありさ(おき ありさ)
ライター/発信者
1991年生まれ。青森県出身。金融機関、編集プロダクションでの経験を経て、フリーランスのライター/発信者として活躍中。「働く」と「好き」(美容・エンタメ)を中心に、インタビュー記事を中心とした取材記事から、コラム記事まで幅広く執筆している。一部、広報(SNSの運用)のお仕事も。
執筆実績:https://note.mu/colorfulnote/m/m63338b550eda
Twitter:@okiarichan27

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