連載 [第8回] :
  Gen AI Times

【注目】生成AIサービス「Perplexity」の独自機能と信頼性を徹底解説

2024年7月4日(木)
中嶋 正純鍋谷 美帆
本記事は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」に所属するメンバーが、生成AIに関するニュースを紹介&深掘りしながら、AIがもたらす「半歩先」の未来に皆さんをご案内します。

はじめに

本連載は、生成AIコミュニティ「IKIGAI lab.」で活動している6名で運営しています。注目されている生成AIに関するニュースを収集し、個性豊かなメンバーによる記事の深堀りから、半歩先の未来の想像を共有していきます。この記事を通して、ぜひ皆さまも各々の半歩先の未来を想像しながら、色々な価値観を楽しんでいただけると嬉しいです。

2023年1月以降、ChatGPTの利用者が爆発的に増加し、生成AIへの関心が大きく高まりました。多くの生成AIサービスが存在する中、「Perplexity」は信頼性と独自性を兼ね備えた生成AIサービスとして、多くのユーザーから高く評価されています。

PerplexityはWeb情報をもとに質問に対する回答を生成してくれるため、筆者も情報整理や資料作成などの用途では、ChatGPTやClaudeよりもPerplexityを使うことが多いです。

このような独自性と実用性を兼ね備えたPerplexityが、2024年6月17日にソフトバンクとの提携を発表しました。この提携により、ソフトバンクは携帯電話契約者に対してPerplexityのプレミアムサービス「Perplexity Pro」を1年間無料で提供することになります。この画期的な提携は、日本のAI市場に大きな影響を与える可能性があります。

今回は、この画期的な提携の内容とともに、Perplexityの独自機能や特徴について深く掘り下げていきます。

ソフトバンクとの提携
ー 生成AI検索の1年間無料提供

●2024年6月17日 ソフトバンク
注目の生成AI系スタートアップのPerplexityと戦略的提携を開始

ソフトバンクは6月17日、米スタートアップPerplexity社と提携し、同社の生成AIサービスPerplexityの有料版「Perplexity Pro」(通常価格*:月額2,950円~/年額2万9,500円~)を携帯電話契約者に1年間無料で提供すると発表しました。Perplexity社は生成AIを活用した生成AIサービスで注目を集めており、この提携により日本市場への本格参入を図ります。

また、グーグルが圧倒的なシェアを持つ検索市場において、ソフトバンクはPerplexityとの提携により、AI検索という新たな領域でプレゼンスを高めることを狙っているのではないかと推察できます。

*: 2024年6月17日時点でAndroid OS版アプリを利用した場合の価格。同日時点の他の通常価格は、iOS版アプリが月額3,000円/年額3万円、ウェブが月額20米ドル/年額200米ドル。

Perplexity社CEO、
日本市場への期待と展望を語る

●2024年6月18日 TBS NEWS DIG
Perplexity CEO ソフトバンクとの提携に「日本は世界で2番目に収益性が高い」

Perplexity社のアラヴィンド・スリニヴァサCEOは、ソフトバンクとの提携を発表し、日本市場への強い期待を示しています。CEOは「日本は世界で2番目に収益性が高い」と述べ、自社のサービスが日本のユーザーに大いに役立つと考えていると説明しました。

この期待の背景には、日本人ユーザーの特徴的な検索行動があるようです。スリニヴァサCEOは「調べる行為が多く、それに長けている日本のユーザーに、我々のサービスは必ず役立つ」と具体的に言及しています。さらに、AIの急速な発展が生活を豊かにし、輝かしい未来を創るとの見方を示しました。そして「進化を恐れず最新技術に触れ、日本には世界をリードする存在(trendsetter)になってほしい」とメッセージを送りました。

Perplexityが驚異的な成長率を記録

●2024年6月17日 ビジネス+IT
生成AIで検索市場が大変革、グーグル対抗の「Perplexity」が月40%も大躍進のワケ

SEO企業のBrightEdgeによると、米国ではPerplexityの月間アクティブユーザー数が40%以上と驚異的な成長率を記録しており、生成AIが検索市場に大きな変革をもたらしつつあります。従来の検索エンジンはWebページのインデックスを基にしているのに対し、生成AIを活用した検索サービスはAIが情報を理解・統合して直接回答を生成します。

Perplexityの回答エンジンは、ユーザーの質問を深く理解し、求める回答を直接生成できることが特長です。この機能により、ユーザーは質問に対して的確な回答を素早く得ることができ、検索体験が大幅に向上します。Perplexityはこの優れた検索体験を提供することで、他の生成AIサービスとの差別化を図り、急速にユーザーを獲得していると推察できます。

以上のように、Perplexityの日本市場での今後の展開と、AIを活用した検索サービスの可能性に大きな期待が寄せられています。

ここからは、Perplexityが他の生成AIと一線を画す理由を、具体的な機能や特徴から紐解いていきます。PerplexityはChatGPTやClaudeとは異なる、独自の強みを持つ生成AIツールです。その魅力を1つ1つ紐解いていくことで、Perplexityが利用者にもたらす価値を実感していただけるはずです。

Perplexityの特徴

・有料プランと無料プランの違い

Perplexityの有料プランと無料プランの違い(著者作成)

Perplexityには無料版と有料版「Perplexity Pro」があり、両者には機能面で大きな違いがあります。Pro Search機能、言語モデルの設定、画像生成機能、Pages機能などが主な相違点です。また、無料版においても、アカウントの有無によってPro Search機能やCollection機能の利用可能範囲が異なります。

筆者の経験では、Perplexity Proの機能、特にPro Search機能や言語モデルの設定、ファイルアップロード、Collection機能が日常的な利用において非常に役立っています。これらの機能により、より効率的で深い情報検索や分析が可能になっています。

情報源の明示による信頼性の確保

Perplexityは有料版、無料版を問わず、ユーザーからの質問に対して回答を生成する際、その根拠となる情報源が明示されます。これはChatGPTやClaudeなどの競合サービスとは異なる、Perplexityの大きな強みの1つです。この特徴により、Perplexityは提供する情報の信頼性を高めています。

この情報源の明示が重要な理由は、AIによる回答の検証にあります。ChatGPTやClaudeなどの多くのAIサービスでは、回答の情報源が不明確なため、ユーザーが回答の正確性を確認するのに時間がかかることがあります。Perplexityはこの問題に対処するため、情報源を透明化しています。具体的には、回答の根拠となったWebサイトが引用され、リンク付きで表示されます。これにより、ユーザーはワンクリックで元の情報にアクセスし、内容を確認できます。

このような情報源の明示は、Perplexityの回答の信頼性を高めるだけでなく、ユーザーの利便性も向上させています。ユーザーは提供された情報の出どころを即座に確認でき、必要に応じて追加の調査を行うことができます。これは、特に学術研究や業務上の重要な意思決定を行う際に非常に有用です。

Perplexityのこうした特徴は、インターネット上に溢れる玉石混交の情報の中から、より信頼性の高い情報を効率的に得るための強力なツールとなっています。ユーザーはAIの利便性を享受しながら、同時に情報の信頼性も確保できるのです。

ただし、Perplexityが提供する情報源も必ずしも完全であるとは言い切れません。重要な決定を行う際には、常に複数の情報源を確認し、批判的思考を持って情報を評価することをお勧めします。このアプローチにより、Perplexityの強みを最大限に活用しながら、より信頼性の高い情報収集が可能となるでしょう。

最新の大規模言語モデルの積極的な採用

Perplexity Proでは、OpenAIのGPT-4やAnthropicのClaude3など、世界トップクラスの言語モデルを利用しています。これらのモデルは膨大なデータを学習し、高度な自然言語処理能力を備えているため、ユーザーの質問の意図を的確に理解し、適切な回答を生成できます。

また、Perplexity Proではユーザーが使い勝手の良い言語モデルを選択できます。2024年6月21日には、AnthropicのClaude 3.5 Sonnetがリリースされ、Perplexity Proでも利用可能になりました。Claude 3.5 Sonnetは、前世代の最上位モデルであるClaude 3 Opusを上回る性能を持ち、GPT-4oなどの他社モデルとも肩を並べる高い能力を示しています。

Perplexity Proは、このようにAI業界の最新動向を素早くキャッチアップし、ユーザーに最先端の言語モデルを提供しています。これにより、ユーザーは自分のニーズに合った言語モデルを利用でき、より満足度の高い検索体験を得ることができます。

Perplexity Proが設定できる言語モデル(6月23日時点)

ユーザーによる情報共有を可能にする「Pages」機能

Perplexity Proの独自機能「Pages」は、ユーザーがAIアシスタントとのやり取りを通じて得た知見や経験を、他のユーザーと共有できる画期的な機能です。

Pagesの仕組みは以下の通りです。まず、ユーザーがPagesから特定のトピックを検索すると、AIが複数のソースから関連情報を収集し、まとまった記事形式で出力します。次に、ユーザーはこの下書きをベースに、記事のトーンやレイアウトをカスタマイズしたり、画像や動画などのメディアを追加したりして、オリジナルのコンテンツを作成します。

Pagesの特長は、以下の3点です。

  1. カスタマイズ性
    一般読者から専門家まで、ターゲットオーディエンスに合わせてコンテンツのトーンを自由に調整できます。これにより、より効果的に情報を伝えることができます。
  2. 柔軟性
    記事の構造を自由に変更できます。セクションの追加、並べ替え、削除が簡単に行えるため、内容に最適な形で情報を整理し、読者を引き付けることができます。
  3. 視覚的な魅力
    自分のコレクションからアップロードした画像や、オンラインからソースを取得したビジュアルを使用して、視覚的に魅力的な記事を作成できます。有料プランではAIによる画像生成機能も利用できます。

これらの特長を活かし、Pagesは主に以下の用途で活用されると考えられます。

  • 主な用途1:知識共有・情報発信
  • 主な用途2:研究活動のサポート
  • 主な用途3:教育コンテンツの作成
  • 主な用途4:趣味や興味関心の探求

例えば、知識共有・情報発信では、ユーザーが調べた情報や知識を記事化して他のユーザーと共有できます。研究活動のサポートでは、研究者が論文の要約や研究プロジェクトの進捗報告をまとめることができます。教育コンテンツの作成では、教育者が複雑なトピックを分かりやすく解説する学習ガイドを作成できます。また、趣味や興味関心の探求においては、ユーザーが自身の趣味に関する情報をまとめ、同じ興味を持つ人々と共有できます。

Pagesの最大のメリットは、記事作成から情報共有までの手間が大幅に削減できる点です。AIが自動的に分かりやすい説明ページを生成してくれるため、ユーザーは読者が必要とする情報をまとめたページを簡単に作成できます。これにより、専門知識や高度な文章作成スキルがなくても、質の高いコンテンツを発信できるようになります。

一方で、AIによる自動生成には潜在的な課題もあります。例えば、生成された情報の正確性や最新性の確認、著作権への配慮などが挙げられます。ユーザーは生成されたコンテンツを適切に確認し、必要に応じて編集や修正を行うことが重要です。

検索に最適化されたAI画像生成

Perplexity Proは、ユーザーの検索内容に合わせて高品質な画像を自動生成する機能を備えています。設定できる画像生成のモデルは「Playground v2.5」「DALL・E3」「Stable Diffusion XL」の3モデル。

これらの画像生成機能により、ユーザーは検索結果をより直感的に理解できます。また、生成された画像を記事内に挿入することで、コンテンツ制作の効率を上げることもできます。さらに、ユーザーの創造性を刺激し、新しいアイデアを生み出すためのインスピレーションソースとしても活用できるでしょう。このように、Perplexity Proの画像生成機能は、ユーザーの情報収集とコンテンツ制作を強力にサポートするツールとして期待されています。

Perplexity Proが設定できる画像生成モデル(6月23日時点)

Perplexity独自機能「Collection」

Perplexityの独自機能「Collection」とは、ユーザーが事前に長文のプロンプトやシステムメッセージを設定しておくことができる便利な機能です。この機能を使うことで、普段よく使うプロンプトをあらかじめ登録しておき、実際に対話を行う際には短いコマンドで呼び出すことができます。

Collection機能の主な特徴は以下の通りです。

  1. 長文プロンプトの登録
    最大2,000文字までのプロンプトを登録できます。これにより、AIアシスタントの役割や行動指針を詳細に設定できます。
  2. 短いコマンドでの呼び出し
    登録したプロンプトは、短いコマンドで簡単に呼び出せます。毎回長文のプロンプトを入力する手間が省けます。
  3. 無料プランでも利用可能
    コレクション機能は、無料プランのユーザーも利用できます。
  4. ChatGPTのGPTsのような使い方が可能
    事前に設定したプロンプトに基づいて、AIアシスタントを特定の役割や目的に特化させることができます。

Collection機能を活用することで、ユーザーは複雑な指示を短いコマンドで実行できるようになります。これにより、AIアシスタントとのやり取りがスムーズになり、作業の効率が大幅に向上します。

また、Collection機能を使えば、自分専用のAIアシスタントも作成できます。例えば、小説の執筆を支援するアシスタントや、プログラミングの質問に答えるアシスタントなど、目的に特化したPerplexity AIを作ることができます。

実際に、このCollection機能は繰り返し発生する作業に対して非常に有用です。筆者は、作成した文章や記事が事実に基づいた内容になっているか、各パートや各段落間が自然な流れでつながっているかなどをチェックする用途で活用しています。この機能を利用することで、コンテンツの品質向上と作業効率の改善を同時に実現できます。

Collectionの設定画面

【今回の深掘り】
Perplexity、およびPerplexity Proは、信頼性と独自性を兼ね備えた生成AIサービスであり、次世代のAI検索エンジンです。ソフトバンクとの提携や、CEOのメッセージからも、日本市場を重視し、日本のユーザーに寄り添うサービスを目指す姿勢もうかがえます。

また、情報源の明示による信頼性の確保、最新の大規模言語モデルの採用、長文生成が可能なPagesや関連質問をまとめて管理できるCollection等の独自機能、さらに高品質な画像生成機能など、ユーザーにとっての価値を追求し続けています。

生成AIに興味関心のある方は、ぜひPerplexityを試してみてください。より高度な機能や無制限の利用を求める場合は、Perplexity Proがおすすめです。Perplexity Proには7日間の無料トライアル期間もあり、その優れた機能と使い勝手の良さを体験できます。Perplexityは、これからのAI時代を先導する存在として大いに期待できます。

おわりに

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。今後も、生成AIに関する最新情報とその深掘りを発信していくので、楽しみにしていただけると嬉しいです。次回の投稿をお楽しみに!

※本ニュースは「IKIGAI lab.」が配信しているコンテンツです。
 IKIGAI lab.はこちらをご覧ください。

株式会社マクロミル
マーケティングリサーチを通じて、クライアントのマーケティング課題解決をサポート。
・社内生成AI導入推進プロジェクトマネージャー
・「生成AI EXPO in 犬山」でマーケティング関連コンテンツで登壇
・生成AIハッカソン、海外のプロンプトハッカソンで入賞実績あり
#金融/医療業界を経験
#経営企画/事業企画/DX企画推進等に従事

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