画像形式「PNG」に注目せよ!
PNGのメリット
PNGのメリットは大きく分けて3つあります。
1つ目は、ファイルサイズが小さいことです。
PNGは、効率の良い圧縮技術を採用しているため、ファイルサイズを非常に小さくすることができます。図2は、250色程度で1024×768ピクセルという非常に大きなイラスト画像を、GIFとPNG-8のそれぞれで圧縮した例です。GIFが16KBなのに対し、PNGは12KBまで圧縮することができました。画像の内容によって異なりますが、大抵10%程度は小さく圧縮することができます。
2つ目は、高画質であることです。
PNGは「可逆圧縮」で圧縮します。情報を切り捨てることで圧縮率を高めるJPEG形式と違い、情報を一切省かないため非常にキレイな画質を保つことができます。ただし、JPEGに比べるとファイル容量は大きくなってしまうことは否めません。
3つ目は、フルカラーを扱えることです。
GIFは、250色程度の画像しか扱えないと紹介しました。しかし、PNGは「PNG-28」や「PNG-32」といった形式があるため、フルカラーを扱うことができます。イラストならGIF、写真ならJPEGなどと使い分ける必要もなく、PNGだけでイラストから写真まで幅広く扱うことができるのです。
そのほかにも、GIFにある「透過」「アニメーション(MNG形式)」「インターレース」はもちろん、GIFでは1色までしか指定できない透明色を、PNG-24などでは複数色指定することもできます。このメリットはこの後あらためて紹介します。
ケータイであらためて注目されるPNG
そんな恵まれないPNG形式ですが、実はケータイWeb制作では注目されています。
ご存じの通り、日本の携帯電話は独特な文化を歩んでおり、docomoとau、SoftBankでバラバラの規格が採用されています。画像形式についても例外ではなく、キャリアによって、端末によって、表示できる画像形式などが異なってしまっています。
JPEG画像はどの端末でも表示できたものの、もう一つの画像形式がキャリアによってバラバラで、docomoはGIF形式、auはGIF形式とPNG形式、そしてSoftBankに至ってはPNG形式のみをサポートしており、GIF形式を表示することができません。そのため、ケータイのWeb制作者は同じ画像で、GIFとPNG両方の形式を準備して、アクセスされた端末に応じてそれぞれ振り分けています。
また、待ち受け画像などでもPNG形式は使われており、ケータイのWeb制作者は日常的にPNG画像を利用しているのです。ケータイがますます重要視される今後のことを考えると、PNG形式が「逆輸入」のような形でPCのWeb制作にも影響を与えることは大いに考えられます。
なお、auで扱えるPNG形式は250色程度です。そのため、写真などはJPEG画像を利用するなど、使い分ける必要があります。