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| 「かんばん」によるタスクの見える化 | ||||||||||
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1つ目は「かんばん」である(図5)。タスク(作業)をカードに書き、それに「サインアップ」(私がこれをやる、とサイン)する。タスクは管理者から「アサイン」される(割り当てられる)のでなく、開発者が「サインアップ」する(選択して責任をもつ)のだ。これでコミットメント感がずいぶん違う。 タスクを示すカードは、最初すべてTODOの位置に貼られるが、サインアップされたものは、DOINGへと移動する。そして終了した後はDONEへと移動する。週のはじめに左にたくさんあったカードが、週の終わりにすべて右へ移動すればよい。非常に単純な見える化であり、状況は一瞬で目に見える。本来これは壁にカードを貼って行うものを、ツールとして電子化した。 |
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| 「バーンダウンチャート」による残作業量の見える化 | ||||||||||
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この状況を集計し、「見積日数」と「残日数」を毎日表示するのが「バーンダウンチャート」である(図6)。 これを見れば、予定と実際の進み具合が一目瞭然である。右下がりにすることで、「プロジェクトを鎮火するんだ」という意識が働く。そして各タスクの進捗状況は、「何パーセント終わった?」とは聞かない。この質問は90%、95%、98%と毎週続く報告になりがちだからだ。そうではなく「あと何日分の作業が残っている?」と聞くのである。 知的生産活動は、やってみないとわからないことが多く、見積通りに進むとは限らない。残日数を聞くことで「本当にいつ終わるのか」という状況を全員で共有することができ、管理者はこのチャートを見ることで危険な状況を早く察知できる。これも手書きで壁に貼るのが最も効果的だが、それをツールでシミュレートしている。 |
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| 「にこにこカレンダー」による気分の見える化 | ||||||||||
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そして毎日、仕事を終えて帰る前に「気分」と「一言」をにこにこマークにして示す「にこにこカレンダー」である(図7)。 これは、気分の見える化だ。「現場は活き活きと仕事をしているだろうか?」「辛い日があっても、立ち直っているだろうか?」「1人だけ不満足が続いている人はいないだろうか?」というような人間系の部分に、「プロジェクトマネジメント」の文脈で焦点を当てているものは少ないだろう。 しかし突き詰めればシステム開発とは人が人のためにシステムを作る知的生産活動だ。モチベーションが生産性の大きな要因となるのは当然であり、そこを管理者は見ているべきなのだ。 このTRICHORDというツールは、米国で起きた「アジャイル開発」という顧客価値を追及する現場回帰ムーブメントに触発され、日本独自の生産現場での知恵の結集である「トヨタ生産方式」から多くのヒントを得て開発された。開発の現場では、管理者はコントローラーではなく、むしろファシリテーター(場を作る人)だ。 ファシリテーター型管理者は、人づくり、場づくりをしながら、現場をエンパワーする。あくまでも、ソフトウェアに価値を付加しているのは現場のエンジニアであり、彼らが100%以上の力を出せるようにチームを支援する姿が望ましい。 それを支援するのがTRICHORDである。 |
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| 最後に | ||||||||||
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これら2つの「見える化」製品は、2006年5月にサンフランシスコで行われたJavaOneでも大変好評を得た。日本とアメリカのソフトウェアの輸出入比率は100対1だといわれる中で、日本の「見える化」や生産革新の知恵を世界へ発信していくことがチェンジビジョンのミッションだ。 さらに開発をすすめ、3Kといわれるシステム開発の現場のワークスタイルを変えていきたい(ワークスタイル革新)。そして今後、システム開発に捉われず、広く「知的生産活動」をも変えていきたい(知的生産革新)。チェンジビジョン(Change Vision)という社名は、「変わるための見える化」であると同時に「革新のビジョン」を意味する。
本記事で紹介したツール
JUDE(ジュード)は、1997年から開発をはじめた国産UMLツールであり、全世界でユーザ数12万を超える。 http://jude.change-vision.com/ TRICHORD(トライコード)は、プロジェクト見える化ツールとして現在無償公開中。 http://trichord.change-vision.com/ |
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