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| 元々は建築の世界で使われていたアーキテクチャ | ||||||||||||
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アーキテクチャという用語は元々建築の世界で用いられてきた用語であり、「建築術」「建築様式」「構造、構成」といった意味がある。現在では建築の世界に限らず、様々な分野でこの言葉が用いられている。 例えば、「システムアーキテクチャ」という用語はC/S(クライアント/サーバ)アーキテクチャなどの複数のコンピュータからなるシステムの構造を表すときに用いられる。一方,情報デザインの分野では、「複雑なものを明らかにするために、データにおけるパターンを組織化する人」を意味するものとして,「情報アーキテクト」という言葉が用いられている。 また、ビジネス・アーキテクチャという言葉は「ビジネスにおける概念間の一貫した構造」を指すものとして(注1)、あるいは「活動要素間の相互依存性もしくは関係性のあり方」を指すものとして用いられている(注2)。 ソフトウェア工学では「ソフトウェアアーキテクチャ」を「ソフトウェア要素とそれらの要素の持つ可視的な性質、そしてそれらの間の関係からなるシステムの構造」として捉え(注3)、単なる「構造」ではなく、そこでの構成要素の性質や機能、要素間の関係の意味について重視している。またBudgenはソフトウェアアーキテクチャ=要素(element)+形態(form)+原理(rationale)とし、アーキテクチャについての文脈でしばしば忘れられがちな原理あるいは設計思想についての重要性を指摘している(注4)。一方,今井は,アーキテクチャを「設計思想」とし,実際に利害関係者が加わって情報交換をしながら検討してできあがる設計思想を「バウ(Bau)」と呼んでいる(注5)。
※注1:
D. W. McDavid, "A standard for business architecture description," IBM Systems Journal, Vol.38, No.1, pp.12-31, 1989.
※注2: 藤本隆弘,武石彰,青島矢一,「ビジネス・アーキテクチャ」,有斐閣,2001. ※注3: L.Bass, P.Clements and R.Kazman, Software Architecture in Practice, Addison-Wesley, 2003. ※注4: David Budgen, Software Design, Pearson Educational Limited, 2003. |
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| アーキテクチャの記述 | ||||||||||||
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では、アーキテクチャは具体的にどのように記述すればよいだろうか。IEEE1471-2000では、図1に示すコンピュータベースシステムのアーキテクチャ記述に対するメタモデルを定めている(ここでは、viewとviewpointを「観点」としてまとめている)。 ![]() 図1:アーキテクチュア記述(IEEE1471を改定) 図1に示すように、システムには達成すべき目標がある。システムは環境の中に存在し、アーキテクチャを持っているのだ。そしてアーキテクチャはアーキテクチャ記述によって記述され、そのアーキテクチャ記述はシステムの持つ原理によって規定されている。なお、アーキテクチャ記述は1つあるいは複数の観点によって組織化されている。
※注5:
今井賢一,「情報技術と経済文化」,NTT出版,2002.
システムには1人あるいは複数のステークホルダー(stakeholder:利害関係者)がいる。各ステークホルダーは各々1つあるいは複数の関心を持ち、観点は1つあるいは複数の関心をカバーするために用いられる。観点は1つあるいは複数のモデルからなり、アーキテクチャ記述はそれに関係する1つあるいは複数のモデルを統合することによって与えられる。 |
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