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システム統合の要点
システム統合の要点となるビジネス−IT−組織のアラインメント

第1回:システム統合とは何か
著者:東京工業大学   飯島 淳一   2006/7/6
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本連載のアウトライン

   本連載ではシステム統合について解説する。連載のアウトラインは以下の通りである。
  1. 概要
  2. システム統合における障害発生の分析
  3. アーキテクチャとは何か
  4. ビジネスアーキテクチャ(BA)と情報システムアーキテクチャ(ISA)
  5. BAに整合したISAを構築するには
  6. 都市計画の考え方
  7. 事例に学ぶシステム統合の成功要因
  8. CIOの果たすべき役割
  9. 調査結果に見るCIO設置の有効性
  10. IT+ビジネス+組織の三位一体で考える

表1:本連載のアウトライン


そもそもシステムとは何か

   本連載では「システム統合」について取り上げるが、「システム統合」とはいったい何かについて明らかにする前に、そもそも「システム」とは何かについて明らかにする必要があろう。一般的にシステムは「ある目的を達成するために、構成要素が互いに関連し合って1つの全体をなしているもの」として定義されている。

   昨今、システムといえば情報システムを真っ先にイメージし、あたかも「情報システム=システム」であるかのように思われがちであるが、元々システムとは対象に対する認識の仕方なのである。

   チェックランド(注1)によれば、システムは次の4種類に分類される。

  • 太陽系などの自然システム
  • ハードウェアなどの人工的物理システム
  • ソフトウェアなどの人工的抽象システム
  • ワールドカップで優勝を争っている各国のサッカーチームのように、人間活動がその主要な構成要素となっている人間活動システム

表2:チェックランドによるシステムの種類

※注1:
ソフトシステム方法論(SSM:Soft System Methodology)と呼ばれる、人間活動を重要な要素とするシステムへのアプローチを提案した。その特徴は、人工的物理システムのように、はじめに目的が与えられているのではなく、そのシステムについての観点を関係者間で共有するところから出発する点にある。

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東京工業大学  飯島 淳一氏
著者プロフィール
東京工業大学  社会理工学研究科  教授   飯島 淳一
1982年東京工業大学・大学院博士課程修了。1996年より現職。2006年4月より経営情報学会会長。主な研究分野は,情報システム学と数理的システム理論。主な著作は『成功に導くシステム統合の論点(共著,2005)』『入門 情報システム学(2005)』ほか。


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