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数値で学ぶ最新ITトレンドレポート
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第3回:ネットワーク&デスクトップ・サービス市場の現状と展望
著者:ミック経済研究所  樋口 一則   2006/9/21
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管理対象別動向

   次は、管理対象から市場動向を見ていく。ネットワークの重層化への対応、セキュリティ対策の他にもアセット管理を含む運用管理の項目の伸びが注目されるところである。

クライアント/サーバ/ストレージ(アセット管理含む)

   2005年度の「クライアント/サーバ/ストレージ(アセット管理含む)」は前年比10.3%増の1,209億円、2006年度も伸び率はアップし、12.6%増の1,362億円の見込である。マネージドサービス内での構成比は2004年度50.2%、2005年度49.9%を占めている(図4〜6)。

マネージド(リモート含む)売上高推移(単位:百万円)
図4:マネージド(リモート含む)売上高推移(単位:百万円)
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

マネージド(リモート含む)売上高・前年比推移
図5:マネージド(リモート含む)売上高・前年比推移

マネージド(リモート含む)売上高推移
図6:マネージド(リモート含む)売上高推移

   従来からのベースになる運用・監視サービスはここに含まれるが、その中で伸びているのが、パソコンのハード/ソフトのバージョンアップを含めたライフサイクルまでを管理するアセット管理ニーズである。大企業になるほど部署単位の製品導入が進み、全社での統括マネジメントに苦慮している。

   アセット管理サービスが登場して日が浅いことと、ベースになる市場が大きいだけに伸びは控えめに映るが、アセット管理ニーズが牽引役を果たし、着実に市場の押上げに貢献するであろう。


ネットワークインフラ

   ネットワークインフラ・マネジメントの市場規模は、2005年度前年比11.0%増の797億円、2006年度は前年比11.0%増の884億円となる。

   ネットワークインフラのマネジメントニーズは、ブロードバンドが急速に普及し、複雑・重層化する中で、ここ数年ネットワーク&デスクトップ・サービスを牽引してきた。ネットワークの性能管理や障害監視は、専門知識が要請されることが多く、自社のリソースだけでは、そのすべてを賄いきれない。ハードメーカやSIerは、データセンターサービスのメインメニューの1つとしてIP-VPNや広域イーサネットなどのインフラまわりのマネージドに注力している。


セキュリティ監視

   セキュリティ監視は2005年度前年比13.0%増の418億円、2006年度に17.5%増の491億円が予想される。マネージドサービス内の構成比は2004年度16.9%、2005年度17.2%と小さいが、伸び率ではもっとも高い推移となっている。

   セキュリティ監視は中堅・中小企業においてニーズは強いがアウトソーシングするより、SIから取り組むケースが多い。アウトソーシングとしてのセキュリティ監視サービスは大企業からの取組みが中心である。

   個人情報保護法による意識の深まり、差し迫った内部統制への対応やウィルス対策などを背景に、マネージドサービスにおけるセキュリティ監視市場は、加速度を増し2010年度には1,000億円規模に成長するものと予想する。

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株式会社ミック経済研究所

1991年2月設立。情報・通信、アウトソーシングに専門特化してマーケティング活動を行っている。同分野における情報リソースは、国内トップクラス。2004年11月、グリーンシート市場に株式公開。
http://www.mic-r.co.jp
株式会社ミック経済研究所 樋口 一則
著者プロフィール
株式会社ミック経済研究所  樋口 一則
市場調査第二部 主任研究員
1991年ミック経済研究所に入社。ITサービス、中でもITアウトソーシング市場の調査を専門に手がける。主な調査資料に「ITアウトソーシング市場展望 2006年度版」「ITサービス市場の実態と展望 2005」「ネットワーク・アウトソーシング・サービス市場の現状と展望2004年度版」がある。


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第3回:ネットワーク&デスクトップ・サービス市場の現状と展望
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