第3回:検索ログの信頼性を高めて経験価値を向上させる (2/3)

企業サイト内検索
企業情報を活かす検索エンジン新時代

第3回:検索ログの信頼性を高めて経験価値を向上させる

監修:マーズフラッグ  武井 信也
著者:ThinkIT編集局   2007/3/19
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精度の高いログを手に入れるには

   前述のように、何の対処もしていないサイト内検索と検索結果に対するアクセスログだけでは「意味のないログ」が蓄積されることになります。このような検索ログを分析しても、サイト内検索をよりよいものにするために十分な効果を得ることはできません。

   では、どうすれば検索ログの精度は高まるのでしょうか。

   検索ログの信頼性を高めるために考えられる方法は、ユーザに「意思のある選択をしてもらう」ことです。

   表示された検索結果を機械的に上から下へとクリックしていくのではなく、検索結果の中からユーザ自身が「あたり」を付けてクリックすることができれば、無駄なクリックや無意味な検索ログを大きく減らすことができます。

   それを実現した例が「見える!検索エンジンMARS FLAG」です。この検索エンジンの最大の特徴は、そのネーミングの通り、検索結果のページがサムネールで見えることです。文字情報にサムネール画像を加えることで、ユーザは検索結果の取捨選択をしやすくなります。

   例えば「デジタル一眼レフカメラの詳細スペック」を知りたいと思っているユーザは、サムネールから「そのデジタル一眼レフに接続できるフォトプリンタの製品情報」と思われるような検索結果を「捨てる」ことができます。

確度の高いログを得るために、ユーザに取捨選択させる
図1:確度の高いログを得るために、ユーザに取捨選択させる

   これは少々大げさな例ですが、このように検索結果が「見える」ため、ユーザは自らの意思で閲覧するページを選び「とりあえず上からクリック」することで生じる無駄をなくすことができるのです。

   今までのサイト内検索では、要約文による検索結果を表示してユーザに選択意思を持たせていましたが、ユーザが得られる情報量は乏しく「精度の高いログ」を取得するには至りませんでした。

   しかし、ユーザが検索結果を取捨選択できるだけの情報を提示することによって、サイト内検索はより便利なものになり、ユーザと企業とをよりスムーズに結びつけるツールとなるのです。


検索結果「0」を活用する

   サイト内検索はもちろん、検索エンジンを開発している者にとって検索結果が「0」というのは非常に屈辱的なものです。

   ポータルサイトで検索しているならまだしも、サイト内検索ではユーザは何かしらの意思をもってWebサイトを訪れ、ある程度具体的なキーワードで検索しているわけですから、検索結果が「0」というのは機会損失やユーザの経験価値の低下にダイレクトにつながります。

   しかし、「第1回:企業サイトのがっかり検索をなくせ」で紹介したように、現実的に「サイト内検索の12%は、検索結果が0」という結果がでているのです。

   では、検索エンジンを変えれば検索結果「0」がなくなるかといえば、必ずしもそうとはいえません。ここで重要なのは、何のキーワードで検索した場合に検索結果が「0」だったのかを知ることです。

   ここに着目することで、エンドユーザと企業の間にある「ギャップ」を知ることができ、そのギャップを埋めることでユーザの満足度は高まり、より多くのユーザを購買などに結びつけることが可能となるのです。

用語解説
見える!検索エンジンMARS FLAG
マーズフラッグが開発・提供している検索ポータルサイト。
http://www.marsflag.com/

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株式会社 マーズフラッグ 代表取締役社長 武井 信也
監修者プロフィール
株式会社マーズフラッグ  代表取締役社長
武井 信也

学生時代よりプログラミングに魅力を感じ、多くの言語を経験する。システム開発・コンサルティング会社、株式会社サイバーコム設立発起人を経て現職。現在、見える検索エンジンポータル「MARS FLAG」および、見えるサイト内検索エンジン「MARS FINDER」を開発・運営。


INDEX
第3回:検索ログの信頼性を高めて経験価値を向上させる
  サイト内検索は検索ログとの併用で効果アップ
精度の高いログを手に入れるには
  検索結果でユーザを導き行動へとつなげる
企業情報を活かす検索エンジン新時代
第1回 企業サイトのがっかり検索をなくせ
第2回 検索ポータルと企業サイト内検索の目的の違い
第3回 検索ログの信頼性を高めて経験価値を向上させる
第4回 内部統制におけるサイト内検索の活用
第5回 検索エンジンで企業内ナレッジを一本釣り

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