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OpenPNE
はじめてのOpenPNE - 社内SNSの意義と活用方法

第3回:SNSの導入効果を明確にする

著者:アウラント  大越 肇   2007/4/23
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SNSの効果を測定する

   次に効果測定の基準についてである。SNSを社内に導入する以上、費用対効果を考えなければならず、効果を数値化する必要がでてくる。いくつか考えられるが、代表的な数値化としては以下の項目がある(表1)。
  • 新規プロジェクトの数
  • 離職率の低下
  • 研修効率のアップによる資格取得者の増加
  • 案件ごとの追加受注増加

表1:SNSの効果を数値化するもの

   これらの効果は、SNSによって十分に期待されると考えられる。以降では表1の項目をより詳しく説明していく。


新規プロジェクトの数

   SNSでは、その人の過去はもちろんのこと、現在何を考え、未来について何を考えているかを知ることができる。

   新しいことをはじめようとする時、まずは仲間を集めることになるだろう。その仲間を集めるのにSNSは便利なツールである。ようするに、仲間が集めやすくなれば、新しいことをはじめようとする機会がふえて、結果的に新規プロジェクトの数が増えていくと考えられる。


離職率の低下

   ここ数年、大学新卒の新入社員が3年以内で3割も辞めるということで問題になっている。いろいろと原因はあると思うのだが、大きな原因の1つに「成長実感がない」「自分だけ置いていかれているのではないか」「目標とする先輩がいない」というような自身のキャリア構築に対する不安があるといわれている。

   このことは、社内で格好いい先輩を見つけることや、意外に同期も同じ悩みを持っているんだなと思うことで、問題は解決の方向に向かうだろう。そのためにSNSは有効に働くだろう。


研修効率のアップ

   人は忘れる生き物である。よって、せっかく受けた研修の内容も3日も経てば忘れてしまうこともある。それでは、決して安くはない研修費も無駄となってしまう。

   SNSを活用することで、継続的なフォローができる。研修で学んだことをどう活かしているかを日記に書いてもらう。そうすることで人事や上司も研修に対するフォローができ、その効果を検証できるだろう。

   また、研修を受けた社員もその成果を日々の業務の中でどう活かすのを意識するので、研修で学んだことがしっかり身につくだろう。


案件ごとの追加受注の増加

   システム開発会社やコンサルティング会社などでは、よく社員が他社に常駐することがある。彼らは、日頃から自社にいないため営業とのコンタクトは少ない。しかし、日報では書かないようなささやかな気づきでも書き残してくれたら、それを元に営業では次の提案ができるかもしれない。

   常駐している社員に営業までさせるのは、難しいことであるが、彼らが情報だけでも提供してくれれば次の提案をすることはできるはずだ。これにより2次、3次と追加案件が取れる可能性が広がり、売り上げアップに結びついてくだろう。

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合同会社アウラント 大越 肇
著者プロフィール
合同会社アウラント  大越 肇
2006年5月11日(大安)に会社設立。前職よりSNS企画・開発・運営にプロジェクトマネージャーという立場で携わる。現在は、Web上のコミュニティに関する企画や要求開発から運用・運営までの業務に携わりつつ、大学の教壇に立つこともある。

アウラント
http://www.owlant.com


INDEX
第3回:SNSの導入効果を明確にする
  社内SNSの構築
SNSの効果を測定する
  目的にあったSNSの初期設定