もとのぶ先生
あっ、そうだ。すとーるまんさまぁとか言ってた金子さんなら詳しく説明してくれるかも。
金子さん
それって新手のいじめですか?(ぎろっ)
もとのぶ先生
お〜こわ。ええっとね、森君。フリー(free)って「無料」以外にも「自由」って意味あるよね。フリーソフトにも「無料のソフト」と「自由なソフト」という2つの意味があるんだ。もちろん、狭義のフリーソフトでは無料ソフトの意味もあるよ。狭義のフリーソフト、フリーソフトウェア、フリーウェアはほぼ同義語と考えていいかな(注2)。
※注2:
フリーウェアは「無償」のソフトウェア、フリーソフトウェアは後述する「自由」なソフトウェアという意味であると使い分ける考え方もあります(Wikipedia の「フリーソフトウェア」)。 ただし、日本ではこの違いは通常あまり意識されていないと考え、本文のような表現を使っています。御了承ください。
共通しているポイントは無料であること。ただし、商用利用を禁止していたりとか、利用条件を限定していたりする場合があるので、企業で使う場合は注意が必要になるよ。
金子さん
もとのぶ先生、ついでにシェアウェアとかオンラインソフトの説明もお願い!
もとのぶ先生
厳密な定義はないけど、こんな感じかな。
図1:フリーソフトとシェアウェア、ドネーションウェアの違い (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
シェアウェアは無償で入手できるけど、お金を払うまでは試用期間という扱いで、機能に制限があったり、支払いを促す表示や広告が出たり、あるいは一定期間は無料でそれ以降は有償になったりする形態のソフトで、インターネットや雑誌の付録CDなどで配布しているものが多いかな。
ただ、いわゆる大手企業が配布しているソフトはシェアウェアとは言わないことが多いんだよね。
森君
うーんと、シェアウェアと呼ぶかどうかってどうやって区別してるんですか。
もとのぶ先生
だから、厳密な定義はないって。
あと、シェアウェア以外にも、開発費用などの捻出のために、義務ではないものの寄付歓迎とされている「ドネーションウェア」っていうのもあるけど、これはフリーウェアの一種とも言えるかな。シェアウェアに比べるとずっと数は少ないよ。
金子さん
以前愛用していたソフトで「気に入ったら、あなたの住んでいる所の写真が入ったハガキを送って下さい」っていうのがあって、銀座の写真が入ったハガキを送ったことがあるよー。もとのぶ先生は、そういうの送ったことあります?
もとのぶ先生
メールウェアのことですね。でも、わたしは残念ながらありませんけど。で、そういったものも含めて、オンラインソフトは、有償、無償を問わずインターネットや雑誌の付録CDなどで配布しているソフトを指すことが多い。
オンラインとは昔電話でパソコン通信をしていたころに電話を掛けてパソコン通信に接続している状態を指す言葉として使われていたんだけど、そこから「パソコン通信で配布されているソフト」の意味になって、さらに「インターネットや雑誌の付録CDなどで配布しているソフト」の意味になった。
若宮さん
パソ通か……何もかもみな懐かしい(しみじみ)。でももっと昔はオンラインっていうとメインフレームのホストとダム端末があってね……
金子さん
はいはい。そういえば、昔ぴーでーえすっていうのもありませんでしたっけ?
若宮さん
あー、確かにそういうのもあったねぇ。今はあまり聞かないけど。
もとのぶ先生
ぴーでぃーえす、もといPDSはパブリック・ドメイン・ソフトウェア(Public Domain Software)の略語ですね。アメリカでは法律上著作権を放棄することが可能なんだけど、著作権を放棄したソフト(つまり誰がどのように使ってもよいソフト)をPDSと呼んでいて、日本でもこの言葉が広く使われていた時期があったんだ。
さっき、フリーソフトといっても利用条件を限定されてる場合があるって話しをしたけど、利用条件が限定されていないフリーソフトといえばいいのかな。
ただ、アメリカでもフリーソフトウェアやオープンソースの概念が広まってからはPDS自体が減ってきて、最近ではあまり使われてないかな。
あと、日本では著作権を放棄できないから厳密な意味でのPDSは存在できないんだよね。ちなみに、日本の著作権法では著作人格権と財産権があってですねぇ……
森君
ってーか、オープンソースの話はどこいったんですか? 僕、親の遺言で法律に関わっちゃだめっていわれてるんで。
もとのぶ先生
(そんな遺言あってたまるか!)うー、親の遺言じゃぁしかたないかな。話を「オープンソース」に戻しましょうか。
さっき狭義の「フリー」ソフトは「無料」ソフトだっていう話をしたけど、オープンソースの業界で言われる「フリー」ソフトとは、「自由」なソフトの意味であることが多いんだ。
森君
「自由なソフト」?
もとのぶ先生
えっと、オープンソースとはソフトウェアの設計図であるソースが公開されていて、そのソースを修正して配布してもよいというのがポイント。無料で公開されているのが普通だけど、手数料やメディア代を徴収したりすることはあるんだ。
ソースが公開されていると、誰でもソースをみて、動作を理解したり、機能を追加したり、万一問題があった時には修正することもできし、それをみんなに配ることもできるんだ。これが「自由」の意味かな。
図2:オープンソースの特長 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
ソースを公開することで、いろんな人がソースを直していってプログラムが改良されていくというのがオープンソースの基本的な考え方。
なので、無料であってもソースが公開されていないプログラムや、ソースが公開されていても、それを元に自分でプログラムを直して配布することが禁止されているようなものは、普通オープンソースと呼ばない(注2)。
※注3:
ソースコードを修正する権利の有無に関わらず、ソースコードが公開されているプロダクトを「オープンソース」と定義する見解もありますが、ここでは筆者がIT業界で社会通念として認識されていると考えている定義で記載しました。御了承ください。
オープンソースの定義は、えっと、えーっと
金子さん
OSIに載ってるのが有名ですよね(^_^)。
もとのぶ先生
そう、それそれ(っていうか、そこまで知ってるなら、自分で説明してくれればいいのに…)。
金子さん
森君、さっきのファイルサーバみたいに、オープンソースな商用ソフトもいろいろとあるって、とーぜん知ってるわよねぇ。
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