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Webアプリケーションの国際化
PHPコードを利用してWebアプリケーションを国際化する

第7回:Webアプリケーションをローカル化する 〜 HTML定義ファイル

著者:Carl McDade   2006/6/28
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テキスト・エディタ

   このテクニックを使用する大きな利点とは、あらゆるテキスト・エディタやHTMLエディタが使えるということです。これらは、すべて一般的なデスクトップOSで利用できます。翻訳者はPOEditのようなツールを使用する必要もありません。

   慣れ親しんだフォーマットでテキストを見ることもできます。Dreamweaverをコード編集モードで使えば、簡単かつ直接的に翻訳ファイルを編集できます。コード・ビューで翻訳ファイルを設定した後、デザイン・モードでDreamweaverを使えば、テキストの翻訳と編集はさらに簡単になります。

   図1にあるように、デザイン・モードではコメント・タグを見ることができ、編集も可能です。

デザイン・モードでのコメント・タグ確認
図1:デザイン・モードでのコメント・タグ確認
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


翻訳支援ツール

   ほとんどのCATソフトウェア(翻訳支援ツール)はHTMLに対応していませんが、ここで記述されたテクニックを使う場合、たいした問題にはなりません。WYSIWYGエディタを使い、翻訳テキストをCATプログラムにカット&ペーストで入力することが簡単にできるからです。


国際化の必要性

   国際化はなぜ行う必要があるのでしょうか。それには多くの理由がありますが、ここでは説得力のあるものをいくつか述べていきます。HTMLは世界的に使われており、非常に簡単に習得できます。翻訳者、開発者、プログラマ、Web管理者、そしてデザイナはHTMLテキストを容易に理解し、何が行われているのか知ることができます。

   それゆえに、HTMLではよい翻訳が維持され、簡単に共有されています。HTMLページはWebブラウザで表示される際、適切なエンコードであるか確認されます。翻訳時にはより視覚的に満足するテキストを作るために、CSSを使うこともできます。

   このテクニックを使えば、右から左へ読む言語や上から下に読む言語の場合であっても、テキストを適切な方向で表示することができます。

   PHPコードはより小さく、サーバ・リソースもより少なく、メンテナンスの量も減少します。Webアプリケーションの構築や国際化に関わる全員の仕事量がもっと少なくなるように、多くのPHP 開発者が将来この簡単なテクニックを使ってくれることを期待しています。

   コマーシャル・プロジェクトでも、オープンソース・プロジェクトでも、国際化テクニックを使用することで利益を得ることができます。国際化のメンテナンスのために使用されたリソースは、そのプロジェクト内の他の部分の改良にも使用することができます。

   そのため、ソフトウェアを市場に出すまでにかかる時間がより明確になり、より短縮されることになります。多くの開発者は、自国に適合したアプリケーションを配布すればそれで十分だと考えているかもしれません。しかし本当にそうでしょうか。

   ソフトウェア市場に国境はありません。あなたのアプリケーションは、世界中で使用される可能性を秘めています。自国に適合したアプリケーションは、ほんのはじまりに過ぎないのです。

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Carl McDade
著者プロフィール
Carl McDade
スェーデンに住むフリーランスのWeb開発者、兼プログラマー。Microsoftデータベース管理者の資格を持っており、1997年からWeb開発を行っています。開発期間のほとんどをドキュメント作成、コード作成、PHPコンテンツ管理システムの勉強に費やしています。Webサイト(http://www.hivemindz.com)で彼とコンタクトをとることができます。


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