TOP>キャリアアップ> 技術的な教育はどのように行われていますか ThinkITが分析する 優良企業の見える化 第12回:「社員のスキルアップ」を見える化する「ニスコム」 2007/8/6 前のページ 1 2 3 次のページ ニスコム株式会社ITサービス事業本部採用教育部採用企画課青島 由佳氏 1999年ニスコム入社。エンジニアとして入社し、ヘルプデスク、サーバ・ネットワーク運用監視業務、プロジェクト運用・管理など、約8年間従事。その後、採用企画へ異動し、採用活動全般を担当。 ニスコム株式会社ITサービス事業本部採用教育部採用企画課樋口 美由紀氏 2006年ニスコム入社。異業種からIT業界へ転身。現在はエンジニア採用担当者として、応募者対応やビジネスパートナー様対応に従事している。 セミナールーム ニスコムの社員のスキルアップをサポートする「SITE-N」のセミナールーム 青島氏 本社にセミナールームを用意しており、平日の昼間、そして業務後に通える講座を開いています。このセミナールームには常時2名のインストラクターがおり、セミナーを行うほか、社員が自習できる環境としても解放しています。 講座には大きく分けて、資格取得を目的にしたものと、基本的な技術入門の2種類があります。現在は上流工程に関するものは少ないのですが、今後はその部分についても力を入れていきます。また、ネットワークや実機に触れられる環境も用意しているので、実際に自分で環境を構築し、試しながら学ぶことができます。 樋口氏 資格については強制的に何か取得しなくてはいけない、というわけではありません。仕事を進める中で個別に面談をしながら、勉強が必要な分野についてアドバイスを受けたり、他のプロジェクトに移る際に取得しておくべきスキルや資格について指示を受けるという形になっています。 業務的なスキルはもちろんですが、ニスコムでは社員1人1人が『どこでもやっていけるスキルを身につける』ことを重要視しており、その意味で資格が1つの手段になるのではないかと考えています。 青島氏 やはり取得しやすいという面では運用系のもの、特にネットワーク系のCCNAが目指しやすいという点で人気があります。もう少し上流に近い工程を目指す方はOracle Masterに挑戦しています。未経験で入社された方ならば、まずは初級システムアドミニストレータから勉強してもらうといった感じです。 また、弊社の業務の中でSolarisを扱う案件が多いため、セミナールームではSolarisを中心に講義を行うほか、実機を用意するなどして力を入れています。 樋口氏 業務を進めていく上で、特にサポート業務に関して、対象がサーバなのかネットワークなのか、それぞれが混在しているのか、という3つのケースがあります。どの業務に携わるかを考え、サーバであればSCSAを、ネットワークであればCCNAを、といったように目指していく分野の登竜門としての取得を奨励しています。 青島氏 また資格取得に関して、3つの制度を用意しています。1つ目は資格取得に向けて2回まで受験料を会社が負担するというもの。2つ目は、合格時に報奨金を支給すること。そして3つ目が、合格してから一定期間、資格手当を支給するというものです。 樋口氏 ニスコムは開発業務からスタートしたのですが、開発を続けているうちにそれを運用するためのエンジニアが必要になります。その中で当時『ニスコムはUNIXの運用に力を入れていく』と会社として掲げました。 その時のメインターゲットとしてSolarisに照準を定め、90年代前半にSCSAを中心としたサーバについての勉強を行う教室を作りました。その後、もう1つの波としてネットワークがキーワードとなり、未経験からでも業務を進められるようにするため、CCNAを目指す教室を別で作りました。 前者のほうは『スパルタUNIX塾』、後者が『NNA(ニスコム・ネットワーキング・アカデミー)』で、この2つが母体となって現在は『SITE-N(スパルタITエデュケーション-ニスコム)』という名称で運営しています。 青島氏 基本的には、今ビジネスに必要な技術が飽和状態で、新しい技術がでてくるまではこの方向性で進めていくことになるでしょう。 会社全体として『これ』というよりも、社員1人1人がそれぞれのキャリアパスの中で、1つの業務に対して必要な資格を着実に取得していくことで、業務で成長する以上にスキルアップをしていけると考えています。 ネットワークであれば、CCNAを取得したらその上の資格を目指してスキルアップしてほしいと考えています。また 開発の面で欠かせないデータベースの分野では、まずOracle Masterを取得し、業務に合わせてDB2やその他の資格に挑戦して欲しいと思います。ニスコムとしては、社員が自分を高められる資格を取得していける環境づくりをしていきます。 樋口氏 さらに教育面では、新しい試みも考えています。現在社員に限定しているSITE-Nの利用を、今後は選考段階の方にも1日体験のような形で解放していこうと検討しています。『ニスコムに入ってみたい』という人だけでなく、この業界で仕事をしていこうかどうか迷っている人たちに対しても、ニスコムのリソースを提供していきたいというものです。これは企業の社会的責任といった面があると考えています。 次のページでは「ニスコムのこれから」を見える化! >> 前のページ 1 2 3 次のページ INDEX 第12回:「社員のスキルアップ」を見える化する「ニスコム」 ニスコムの主な事業内容について教えてください 技術的な教育はどのように行われていますか ニスコムの社風はどのようなものですか ThinkITが分析する 優良企業の見える化 第1回 見える化を推進するハイレベルな技術者集団「豆蔵」 第2回 検索結果を見える化する「マーズフラッグ」 第3回 blogと検索を軸に「革新的なサービス」を見える化する「ドリコム」 第4回 「顧客企業が本当にして欲しいこと」を見える化する「エルテックス」 第5回 「ユビキタスとは何か」ということを見える化する「ビートラステッド・ジャパン」 第6回 データベースだけではなく「次世代の企業システム」を見える化する「日本オラクル」 第7回 オフィスは見えるがスタッフの姿は見えず「Oracle専門サービス業」を生業とする「アゲハ」 第8回 「システムの現場」を見える化する「ウルシステムズ」 第9回 「検索ポータルの舞台裏」を見える化する「Google」 第10回 「マイクロソフトソリューション」を見える化する「アバナード」 第11回 「ユーザフレンドリーな検索」を見える化する「Baidu(百度)」 第12回 「社員のスキルアップ」を見える化する「ニスコム」 第13回 企業ビジネスから顧客の望みを見える化する「オージス総研」 第14回 顧客視点のサービスを見える化する「ピーエスシー」