第4回:チーム開発における品質向上策とVisual Studio 2005 (2/4)

Visual Studio 2005を活用した、テスト駆動開発とソフトウェア品質向上アプローチ
Visual Studio 2005を活用した、テスト駆動開発とソフトウェア品質向上アプローチ

第4回:チーム開発における品質向上策とVisual Studio 2005
著者:日本ユニシス  大木 邦友   2005/12/20
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開発プロジェクトにおける管理

   次は開発プロジェクトにおける管理対象とVS2005 Team Foundation Serverが支援してくれる機能についてみていきます。

   通常の開発プロジェクトでは、予算、スケジュール、リソース、タスク、品質、成果物を管理することが必要になります。これらの管理にかかるコストや手間は、できる限り小さくし本来の開発作業に時間、リソース、コストを割きたいものです。

   VS2005 Team Foundation Serverでは、作業項目、スケジュール、成果物について管理する機能を提供してくれます。この機能を上手に使用することで、チーム開発に必要な管理負荷が軽減します。


Work Itemの管理

   VS2005 Team Foundation Serverでは、作業項目がWork Itemとして表現され管理されます。Work Itemは通常の作業項目であるTaskのほかに、BugやRiskなどに分類して登録できます(図3)。また、MSFのプロセスモデルによって提供されるWork Itemのほかに、独自のTaskなどを追加で登録することができます。

新規タスクの追加
図3:新規タスクの追加
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   Work Itemでは、各種の資料を添付したり、作業の担当者を割り当てたりでき、さらに作業の状況を追跡することも可能です。


バグの登録

   結合テストやシナリオテスト、受入テストなどテストの過程で発見されたバグもWork Itemとして管理できます。

   開発者はVS2005に統合されたTeam Explorerの画面からバグの登録を行います。このとき、バグが発見されたビルド(バージョン)の情報や関連するファイル、再現方法など、解決のために必要となる詳細な情報を同時に登録し、これらを一括して管理できます(図4)。バグはWork Itemと同様に管理されるため、作業担当者を割り当てることも可能です。

バグの登録
図4:バグの登録
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   もちろん登録したバグは、それが解決するまで状況を追跡することができます。バグ修正の作業は、再現テストでも再現しないことを確認し、その証跡や作業の報告を登録することで解決となります。

   ここまで解説してきたように作業項目をWork Itemとして管理することで、作業の漏れがなくなり、作業の担当者や状況が追跡できるようになるため、「開発プロセスの品質」が向上します。新規作業の登録や状況の入力については、開発者が開発時に利用するツールであるVS2005を通じて行えるので、開発者への負担も少なくて済みます。

   また、これまでExcelやWebサイトなどで別に管理していたバグも、その管理機能がVS2005 Team Foundation Serverに統合されたため、以前より少ない負荷で管理できるようになります。

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日本ユニシス株式会社 大木 邦友
著者プロフィール
日本ユニシス株式会社  大木 邦友
.NETテクノロジコンサルティング所属
マイクロソフト製品および.NET Frameworkを利用したシステム構築案件の提案支援や、要件定義やアーキテクチャ策定の支援など主な業務とする。


INDEX
第4回:チーム開発における品質向上策とVisual Studio 2005
  はじめに
開発プロジェクトにおける管理
  成果物の管理
  チーム開発における情報共有
Visual Studio 2005を活用した、テスト駆動開発とソフトウェア品質向上アプローチ
第1回 テストは開発者から利用者の視点へ
第2回 Visual Studio 2005で進めるテスト駆動開発
第3回 Visual Studio 2005 Team Systemで補うテスト駆動開発
第4回 チーム開発における品質向上策とVisual Studio 2005
開発ライフサイクルとVisual Studio 2005という選択肢
第1回 開発ライフサイクルが生むメリット
第2回 アーキテクチャ策定における有効性を探る
第3回 Visual Studio 2005による開発とテスト環境
第4回 チーム開発とVisual Studio 2005 Team Foundation Server
チーム開発ここまできた、個人からチームの生産性向上へ
第1回 Visual Studio 2005によるプロジェクトの進捗管理
第2回 Visual Studio 2005の変更管理の有効性
第3回 成果物の管理とプロジェクトのコミュニケーション向上
第4回 自動ビルドによるプログラムの品質・保守の有効性

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