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| GUIへのこだわり | ||||||||||||||||||||||
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「もうHTMLなんて使ってられないよね」 Flash MXのGUIを見たユーザの担当者が嬉しそうにいいました。この担当者はHTMLベースのGUIを目の敵にしているようで、リッチクライアントにかなりのこだわりを持っていました。何か苦い思い出でもあるようです。 聞いてみると、この会社では2年前にクライアント・サーバーシステムからHTMLクライアントのWebアプリケーションに移行したとのことですが、その際にユーザから猛烈な反対を受けたそうです。原因はWebブラウザの操作性の悪さです。 |
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| HTMLクライアントとリッチクライアント | ||||||||||||||||||||||
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HTMLクライアントはクライアントソフトの配布が不要であり、TCO削減に繋がるなどの理由で広く普及しました。しかし、HTMLは入力処理向けに開発された言語ではないため、タブキーやファンクションキーが使えないなどの理由から生産性が低下するといった問題点もあります。 このため、現在はリッチクライアントを採用するケースが増えてきています。オープンソースではEclipse RCPなどのプロダクトがあります。 リッチクライアントの何を選択するかはシステムによって異なります。HTMLクライアントにもリッチクライアントにもそれぞれ長所・短所があり、それらを考慮した上で適材適所で選択する必要があります。 今回の案件は社内のみの使用、入力項目の多さ、社内の雰囲気などの理由からリッチクライアントが採用されました。私たちが参画した時点で、Flash MXを使用することが既に決まっていました。 |
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| 盛り上がるGUI開発 | ||||||||||||||||||||||
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「おー、かっこいー」 ユーザの担当者とGUI開発者が盛りあがっています。私と益田も気になり見にいくと、リッチクライアントのGUIが作られていました。HTMLクライアントに見慣れていた私たちは、その美しさはちょっとした感動でした。 気をよくしたユーザの担当者はGUI開発者にあれもできないか、これもできないかと次々にリクエストしていきました。それを着々と反映させたところ、確かに見栄えが良く、使い勝手がよいものになっていきました。しかし、あまり本質的ではない機能が加えられ、システムはどんどん肥大化していきました。 この時はユーザの担当者の喜ぶ姿を見て「システムで人を幸せにする」という信念を持っている職人・益田もリッチクライアントに感銘していました。 |
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| カットオーバー | ||||||||||||||||||||||
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会議での時間の浪費は続きましたが、開発は順調に進み、大きな問題も起こりませんでした。そして、2004年9月1日に無事カットオーバーを迎えることになりました。カットオーバー後の最初の2週間はユーザを限定して解放し、3週間目からは全社員に開放しました。 ユーザの評判もよいようで、特にGUIの見栄えのよさと使いやすさの評価が高いようでした。しかし、限られた数のユーザの担当者とともに決めた仕様では全社員の要求を満たせていない点があり、いくつかの変更をおこなう必要がありました。 |
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| 残された運用・保守担当者 | ||||||||||||||||||||||
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変更の際、場合によってはJava側のロジックと共に、Flash MXのGUIも変更する必要があります。GUIの開発者はカットオーバー前にユーザの女性担当者に引継ぎを済ませ、プロジェクトから抜けていました。そのため、GUIの変更はこの女性担当者がおこなうことになりました。 見栄えに凝った作りをしていためFlash MXの実装が複雑になり、変更作業の非常に時間がかかりました。残念ながら私たちはFlash MXのスキルがなかったため、この女性担当者を助けることができませんでした。 カットオーバーから1ヶ月が経ち、プロジェクトチームは解散することになりました。そして残された運用・保守担当の女性には苦悩の日々が待っていたのでした。 確かにリッチクライアントはHTMLクライアントの短所をカバーし、表現力や操作性を向上させることができます。しかしそのことが逆に仇となり、ユーザの要求レベルがどんどん高くなりGUIが複雑になりすぎる危険性があります。 そのため、GUIに凝り過ぎず、一定の見栄えのよさと本質的な操作性の高さにとどめ、運用までを考えた総合的な視点で開発していく必要があるとこのプロジェクトを通して思いました。 |
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