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徹底比較!! Solaris/Linux/BSD |
第2回:ファイルシステムを比較してみる
著者:シンクイット 紙屋 伸成 2005/6/7
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ディレクトリ構造
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ファイルシステムとは異なりますが、ここでそれぞれのOSのディレクトリ構造を見てみましょう。
UNIXがベースとなっているため、それぞれで共通のディレクトリも多くあります。それぞれの特徴を見ていきましょう(図3、図4、図5)。
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図3:Solarisのルートディレクトリ
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図4:Linuxのルートディレクトリ
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図5:BSDのルートディレクトリ
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Solarisでもっとも気になるのは「/export」ディレクトリです。このディレクトリの中には「home」ディレクトリが存在します。筆者がはじめてSolarisに触れたとき、「なんじゃこりゃ?」と思いました。
現在はLinuxやBSDでも普通に使われる「NFS」(Network File System)ですが、これも発祥はサン・マイクロシステムズです。Solarisではユーザーのホームディレクトリは必ずしもローカルディスクにあるという考えではなく、NFSによって共有されたディスク上にホームディレクトリがあるという考えです。
したがって、Solarisでは基本的にユーザーのホームディレクトリは「/export/home/ユーザー名」となります。「/home」ディレクトリも存在しますが、必要なとき、つまりユーザーがログインしたときなどに自動的にマウントされるしくみになっています。
また、Linuxにもありますが「/opt」ディレクトリも特徴的です。各システムで固有のアプリケーションを導入する場合、このoptディレクトリに配置することが多いです。LinuxやFreeBSDのユーザーにとっては、「/usr/local」に相当するといえばわかりやすいでしょうか。
ちなみにSolarisでは「/usr/local」ディレクトリが存在しません。これも筆者がSolarisをはじめて使った際にはまりました。LinuxやBSDユーザーがはじめてSolarisを使う際にハマリそうな情報は、別の記事「Linux/BSDユーザーのはまり道」で解説する予定ですので、そちらをご参照下さい。
Linuxで特徴的なのは「/selinux」でしょうか。kernel 2.6から標準で添付されたセキュアOS機能のSELinuxに関するディレクトリです。FreeBSDで特徴的なのは「/compat」ディレクトリです。これは古いFreeBSDなどとの互換を保つためのシステムで使います。
他にも、たとえば新たなアプリケーションをインストールする際、配置されるのが「/usr/sbin」だったり「/usr/local/sbin」だったり、デフォルトで配置される設定ファイルが「/etc」だったり「/usr/local/etc」だったり…。詳しく比較していくといろいろな点で違いが見えてきます。
ディレクトリ構造はどれがいい、という明確な解はありません。それぞれのOSが進化していく中で成熟された文化なのではないでしょうか。
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著者プロフィール
株式会社シンクイット 紙屋 伸成
大学のときに研究室でUNIXシステムと出会い、以後そこから抜け出せずにいる。IT系出版社、通信会社と渡り歩き、シンクイットに所属。企業システムにおけるオープンソースの位置づけを日々考えている。
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