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| 幅広く普及するXML | ||||||||||||||
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XMLビジネスのこの惨状を知れば、XMLに関わることに意味がないと感じるかもしれない。まして、XMLデータベースなどというものに取り組むのは無意味と感じられるだろう。 だが、実はXMLビジネスがこれほどの惨状を示しているにも関わらず、XMLは幅広く普及が進んでいて、各方面で活発に利用されているのである。 「そんな馬鹿な」と思う方は、もしテキストエディタのファイルの検索機能を利用できるのであれば、ご自身のパソコンの中で"<?xml ……"ではじまるテキストファイルを探してみるとよいだろう。 大抵のパソコンでは少なくとも数個以上の該当ファイルが発見できると思うが、これがXMLによって記述された情報である。今や、XMLを使っているなどということは、宣伝文句にもならない。様々なシステムが、XMLを利用して構築されているのである。 つまりXMLビジネスは惨状なのに、XMLを利用したシステムは幅広く存在するのである。一見して矛盾しているように思われるこの状況は、どうして発生したのだろうか。 その理由はいくつか考えられるが、その1つを説明しよう。 XMLは「言語を作る」手段という機能性を持つ。つまり、XMLは既存の技術では上手く扱えない情報を保存するために、専用の言語を作り使用することができる。このような情報の多くは、特定の組織内や特定のソフトからのみ利用されることになる。 そのようにして使われるXMLは、大々的に宣伝されるものではないし、利用目的も千差万別であり何かの流行になることもない。また、企業間の電子商取引やWebサービスのように、お仕着せ(注1)の機能とも馴染まない。お仕着せの機能では済まされないニーズに対応して使われるのがXMLなのである。
※注1:
お仕着せ(型どおりのもの)
このような状況を背景に、実はXMLの普及は著しいものがある。組織内の独自書式の情報などは、標準技術には上手く収まらないことが多い。それを上手くすくいあげてくれるのがXMLだったわけである。 その意味で、XMLは大成功をおさめたといってよいだろう。 |
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| XMLに対する次なる要求 | ||||||||||||||
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例えば、過去のしがらみから特殊な書式の書類を多数使っている企業のことを考えてみよう。 書類の電子化という要求がでてきたとき、まず考えられるのはワープロや表計算ソフトを使うことだろう。 しかし、それは十分な解決手段にはならない。なぜなら書類の自動処理ができないからだ。 例えば表計算ソフトで請求書を作成することは簡単にできる。しかし、どのセルにどのような数字を記入するかは決まっていないので、数字を自動チェックするシステムを作ろうとしても上手く作成できないのである。 これを解決する方法はいくつかある。そのうちの1つが、特殊な書式の情報を記述する言語をXMLで作り、その情報を入力してXML文書ファイルを作成する入力フォームを用意することである。 この方法は、すべてを独自に開発するケースと比較して、多くのXML関係の既存ツールを使用することができるため、遙かに短い時間と低いコストで実現できる。つまり、たいへん有益で役に立つ選択の1つといえる。 ところが、これは便利だと思って本格的に組織をあげて使いはじめると、すぐに大きな問題に遭遇することになる。 XML文書ファイルは、一種のテキストファイルとして保存されるため処理の効率が低いのである。 例えば、100MBのXML文書ファイルが存在するとき、そのファイルの最後の方に記録された情報を取り出すには、通常100MBのファイルを最初から順に調べていかねばならない。これは、すぐに結果を知りたいときには非現実的な時間を要する処理といえる。 また、ファイルの数が増えても同じような問題が発生する。XML文書ファイルの数が数千、数万と増えていったとき、特定の情報を検索するにはそれらのファイルをすべて調べる必要がある。これは、ただでさえテキストファイルであるため処理の効率が悪いXMLにとっては致命的な弱点となる。 つまり、データ量の増加に弱いのがXMLの弱点であり、データ量が増えた場合でもXMLを活用したいという要求が発生したわけである。 その要求に対応する技術の1つがXMLデータベースである。 XMLデータベースは、XMLデータをテキストファイルではなく、専用のデータベースに格納することにより、データ量が増えても高速な処理を実現するのである。 |
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