マイクロソフトのSQL Server 2005では計画的なシステムダウンだけでなく、計画外のシステムダウンに対しても迅速な修復方法を持っているため非常に高い可用性を実現しています。次にそれらを可能とする具体的な技術を次にまとめます。
計画外のシステム停止に対するソリューション
データベーススナップショット、ミラーリング、フェイルオーバクラスタなど
計画的なシステム停止に対するソリューション
メモリの自動チューニング、オンラインインデックス操作など
復旧の長期化に対するソリューション
オンライン復元、高速復元など
表1:システム停止に対して高い可用性を実現する機能
データベーススナップショット(以下、スナップショット)とは、データベース管理者がデータベースのコピーを簡単に作成するための機能として、SQL Server 2005より新たに導入された機能になります。操作ミスによるレコードの削除やデータの破損などが発生した場合、取得済みのスナップショットを用いることで以前の状態に戻ることができるのです。
また、可用性の高い機能として、SQL Server 2005ではミラーリングとフェイルオーバクラスタリングリングが提供されています。ミラーリングの機能は、稼働中のサーバから待機中のサーバへトランザクションログの継続的なストリーミングのロジックを提供しており、プライマリシステムに障害が発生した場合にアプリケーションが直ちに待機中のサーバに再接続を可能にします。
フェイルオーバクラスタリングリングは、Microsoft Windows Clustering Services(以下、MSCS)の機能を利用した高い可用性を提供するソリューションであり、データベースサーバで障害が発生した場合に迅速なフェイルオーバ処理を行う冗長的な仮想サーバを提供しています。
本連載では、全4回わたってMSCSのフェイルオーバクラスタの特長とともに、SQL Server 2005における環境構築方法を実践していきます。第1回目の今回はフェイルオーバクラスタリングについて説明をします。