前回は、フェイルオーバークラスタリングの概要と共に、SQL Server 2005で環境を構築する際の制限事項と利用できる機能について説明しました。今回からは、実際にSQL Server 2005でフェイルオーバークラスタリングを実現するために必要な事前準備について説明します。
前回でも簡単に触れましたが、SQL Sever 2005におけるフェイルオーバークラスタリングを実現させるには、「Active Directory」と「Microsoft Clustering Services(MSCS)」「複数台のサーバ」が用意されていることが前提条件となっています。
物理的に複数台のサーバを準備するのは、コストだけでなく時間の面でも非常に多くの労力を費やすことになります。そこで今回は物理的に複数台のサーバを用意せずに、MicrosoftのVirtual Server 2005を利用して仮想的に複数台のサーバを構成し、その環境を用いてSQL Server 2005のフェイルオーバークラスタリングを実現させます。
この仮想的な環境で、フェイルオーバークラスタリングを実現させる大まかな手順を表1に示します。
サーバ環境の構築
Virtual Server 2005でバーチャルマシンを3つ構成し、1つのバーチャルマシンにWindows 2003 ServerをインストールしてActive Directoryの設定を行います。残り2つのバーチャルマシンにもWindows Server 2003をインストールして、メンバサーバとしてActive Directoryドメインに参加させます。