サーバの物理的側面とネットワークセキュリティ対策について
はじめに
今回は、サーバの形状や設置場所についてなどサーバの物理的側面およびネットワークセキュリティ対策の実施状況についてのデータを紹介し、それぞれどのようなものであったか解説していく。
調査プロフィール
本調査は、ノーク・リサーチ所有の企業データベースから抽出した全国の年商5億円以上500億円未満でIAサーバを導入した民間企業約4,000社 を対象に、2006年1月から3月までの期間で郵送アンケートおよびWebアンケートを実施し、その結果有効票931件を回収した。
伸びるラック型、ブレード型の浸透はこれから
サーバの導入状況をCPUタイプで分類すると、2006年では「1way」が59.1%、Dualコア(2006年から分割回答)が7.9%で、そ の2つを加えると67.0%となり、実質的に「1way」は昨年より増え、サーバの大勢を占めている。また「2way」は17.2%で昨年の23.7%か ら大きく割合を落としている(図1)。
サーバの形状別に見ていくと、デスクの横に手軽に置くことのできる「タワー型」が62.7%と圧倒的に高く、先ほど述べた「1way」の割合の高さとシンクロしているといえよう。
次いで小型で積み上げることができ、場所を取らない「ラック型」が33.3%だ。「ブレード型」は1.9%で、昨年の1.1%とほぼ同じであり、中堅・中小企業にはまだほとんど導入が進んでいないことがわかる。
また昨年71.7%あった「タワー型」が9ポイント下がり、代わりに25.0%だった「ラック型」が33.3%と8.3ポイント割合を伸ばしている。これは小型の「ラック型」のサーバに代替して、サーバのコンソリデーション(集約)を進めていると考えられる。
多くの企業において、現在使用しているサーバの導入当時に省スペースタイプのものが少なかったことや、効率性などを考慮する選択肢がなかったため、 タワー型のサーバを導入したという経緯がある。そして設置場所もサーバルーム以外の事務所などに分散したものが、現在ラック型サーバに替わっているという ことだ。
またIDC(データセンター)が代表的な例だが、ラック型はスケールアウトの需要にシンクロしており、今後さらに増加することは間違いない。
こういった傾向は調査結果からもあらわれており、導入した年別のサーバの形状をみると、2003年以前に導入したサーバは「タワー型」が66.9% と約7割に対して、2004年以降導入したサーバでは「タワー型」が54.8%に減少しており、逆に「ラック型」が40.5%と大きく割合を高めている。
一方、「ブレード型」は1.2%から3.1%と数字を高めているが、現状では絶対数が少なく、まだまだこれからといえるだろう。