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SMB市場のサーバOS動向
2006年中堅・中小企業におけるサーバOSの実態と展望

第3回:定性調査から見えたサーバOSの今後の動向

著者:ノークリサーチ  伊嶋 謙二   2006/6/13
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中堅・中小企業におけるサーバOSの利用実態及び今後の動向

   定量調査の結果から、「中堅・中小企業におけるサーバOSの利用実態」は以下の2つのポイントに集約できる。
  • 中堅・中小企業におけるサーバOS(注1)はWindowsが8割以上
  • Linuxはメール、Web系での利用が中心

表1:定量調査結果のポイント

※注1: 以降で「サーバOS」と表記してある部分に関しては特に断りがない限りWindowsとLinuxに限定する。

   これを受けて、企業内サーバOSで特にWindowsとLinuxに着目しその導入経緯を把握する為、直接面接によるヒアリング調査を行った。尚、ヒアリング対象の選定にあたってはWindows及びLinuxの双方を導入・利用中か、もしくは過去にLinuxを導入・利用経験しWindowsに戻ったユーザをピックアップした。そのため、公平な意見を聴取するために以下の2タイプのユーザを対象にサンプリングを行った。

タイプA
サーバOSは「WindowsとLinuxを使い分けている」
タイプB
サーバOSは「Windowsで統一している」

表2:今回のサンプル対象

※注2: サーバOSをLinuxで統一しているユーザが少なかったためサンプリングができず、2タイプとなった。

   この定性調査の対象であるユーザ企業のサーバOS導入経緯を追っていく中で、上記定量調査の2つのポイントでの理由が浮かび上がってきた。

  • 「サービス/サポート」「アプリケーション」「セキュリティ対応」「エンジニア」といったサーバ管理で重要と判断される要素において、Windowsが歴史的に培ってきた環境が中堅・中小企業では強く影響されている。
  • メールやWebといったフロントエンドでフリーのアプリケーションをのせた単機能サーバとしてLinuxを使うことによる「コスト削減」がLinux導入企業の動機である。

表3:定量調査のポイントの理由

   そして中堅・中小企業におけるサーバOSの今後は以下のように考えられる。

  • Windowsが大勢を占める現状にLinuxが影響を及ぼす可能性はあまり高くない。しかしコスト削減を目的にフリーのアプリケーションを利用するフロントエッジ系の単機能サーバ用途でWindowsとの一部共存環境の可能性が考えられる。

表4:中堅・中小企業におけるサーバOSの今後

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有限会社ノーク・リサーチ  伊嶋 謙二
著者プロフィール
有限会社ノーク・リサーチ   伊嶋 謙二
1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどをプラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関するリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。
ホームページ:http://www.norkresearch.co.jp/


INDEX
第3回:定性調査から見えたサーバOSの今後の動向
中堅・中小企業におけるサーバOSの利用実態及び今後の動向
  導入経緯で見るサーバOS選定・導入のポイント
  定性調査詳細分析
  コスト(TCO)