Webサーバの基本「Apache」
2006年12月7日(木)
はじめに
Red Hat Enterprise Linux 4に同梱されているネットワークサービスには様々な種類があります。本連載では、この中から代表的なネットワークサービスとそのシステム構成例を紹介していきます。
Red Hat Enterprise Linux 4 ASやRed Hat Enterprise Linux 4 ESで主に利用されるネットワークサービスには次のようなものがあります。
- Apache Webサーバ(Squidによるキャッシュサーバを含む)
- NFSファイルサーバ
- vsftpによるFTPファイルサーバ
- Sambaファイルサーバ
- DHCPサーバ
- NATルータ
- MySQLやPostgreSQLによるデータベースサーバ
- sendmailまたはpostfixによるメールサーバ
- POP3S/IMAPSによるメール受信サーバ
- bindによるDNSサーバ
- LDAP認証サーバ
これらのネットワークサービスは、すべてRed Hat Enterprise Linux 4が標準で提供しているものです。サーバ版のRed Hat Enterprise Linux 4 ASとRed Hat Enterprise Linux 4 ES以外にもワークステーション版のRed Hat Enterprise Linux 4 WSがあります。しかしRed Hat Enterprise Linux 4 WSは、ネットワークサービスを提供するサーバ用途では利用しないため、ネットワークサービスは稼動させません。
なお、Red Hat Enterprise Linux 4 WSはクライアントとして主に次のような用途で利用されます。
- telnetクライアント(ただしセキュリティの観点から現在はあまり利用されない)
- Webクライアント
- NFSクライアント
- FTPクライアント
- Sambaクライアント
- DHCPクライアント
- メールクライアント(evolutionなどメールリーダが利用可能)
- 文書組版、オフィススィートクライアント
Red Hat Enterprise Linux 4 ASとRed Hat Enterprise Linux 4 ESは、このようなクライアントが利用するサービスを提供します。それでは実際に主要なサービスについて紹介します。
Webサーバ「Apache」
Red Hat Enterprise Linux 4には、Webサーバとして「Apache」と「RedHat Content Accelerator(旧:Tux)」の2つが用意されています。エンタープライズ向けとしてはApacheが広く利用されています。
ApacheはRed Hat Enterprise Linux 4においてデフォルトで利用可能であり、Red Hat Enterprise Linux 3からWebサーバ資産を移行する場合にも比較的容易に作業を行うことができます。
主な設定ファイルとしては/etc/httpd/conf/httpd.confがあります。またRed Hat Enterprise Linux 4では、インストール時にデフォルトでhttpd.confファイルが提供されます。このファイルを使用することで、/var/www/html以下のディレクトリを、すぐにWeb上で公開できます。
ただしRed Hat Enterprise Linux 4では、OS起動時にhttpdを自動起動しない設定になっているため、chkconfigコマンドによって変更する必要があります。
# chkconfig --list httpd ← OS起動時にhttpサービスを起動するかを確認
httpd 0:off 1:off 2:off 3:off 4:off 5:off 6:off
# chkconfig httpd on ← OS起動時にhttpサービスが開始するように設定
# chkconfig --list httpd ← OS起動時のhttpサービス起動を再確認
httpd 0:off 1:off 2:on 3:on 4:on 5:on 6:off
# service httpd start ← httpサービスの起動
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