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| 日本における組織力の考え方 | ||||||||||
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欧米の大学・大学院では「計量心理学」という学問がある。学識者が聞いたら反論もあると思うが、あえて簡単にいえば「統計学と心理学をミックスした」ような学問である。なお、八重洲ブックセンターの書籍データを検索すると、専門書が過去に3冊日本でも出版されているが、残念ながら廃刊になっていた。 日本ではなぜ、この計量心理学は普及しなかったのだろうか。 理由は「日本には日本人しかいないから」である。欧米、特にアメリカでは約120の人種が合衆国国民としてあらゆる仕事に従事している。そのため、人種特有の特質・気質・個人特性などを定量化し、どのような組み合わせにおいて最大の成果を発揮できるかを研究する必要があった。 算数では「1+1+1=3」となるが、計量心理学で定量化した場合「1+1+1」は「2.7」や「3.2」となる。これがシナジー係数であり、組織力の生産性をあらわした数値なのだ。 日本の行政が「縦割り」といわれるように、実は民間企業も、その業務自体は縦割りである場合が多い。特に管理部門の業務がそれに該当する。各部門から新卒採用の要望があれば採用予定数を算定し、人事採用担当者が学歴や外面的人物像、面接、SPIなどの入社試験を経て採用する。そして、採用後の配属も人事部が決定権を持ち、その結果として配属のミスマッチが起こる可能性がある。 欧米では「IE(インフォメーションエンジニアリング)」の概念が15年ほど前に提唱された。これはジェームス・マーチン博士によるもので、「組織とシステムは表裏一体のものであり、システム構築はプランニングからはじまる」と提唱されている。つまり、システム構築は組織を構築するところからはじまるということだ。 筆者は15年前に「CASEツール」という、システム構築を効率化するツールを販売していた。その製品は「ADW-J」という名称で1,200ライセンスの導入があったのだが、組織計画機能を備えた「プランニングフェーズ」は、ものの見事に1ライセンスも売れなかった。 これはシステム部門が組織作りに携わらず、管理部門こそが組織を構築するということをあらわした1例であると考えられる。 |
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