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2007年中堅・中小企業におけるサーバOSの利用実態 |
第2回:中堅・中小企業におけるサーバOSはWindowsがデファクト状況
著者:ノークリサーチ 伊嶋 謙二 2007/6/22
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旧Windowsの利用状況 - 8割以上がWindows NT、2000を利用している
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今回からは「企業全体(会社のどこかの部門で1台でも可)で利用しているWindows OS」についての調査結果を述べる。分析のポイントは旧Windowsである「Windows NT、Windows 2000」の利用実態と今後のWindows 2003への移行割合だ。
図1は、旧Windowsを利用しているか否かを質問した結果である。「旧Windowsを使っていない」が18.0%、「Windows NTを使っている」が21.8%、「Windows 2000を使っている」が50.1%、「Windows NTとWindows 2000どちらも使っている」が10.1%となっている。
実質的に中堅・中小企業のメインOSは「Windows 2000」で、50.1%という約半数の高い利用率となっている。ついで「Windows NT」21.8%、さらに「Windows NT・Windows 2000両方使っている」の10.1%を加えると「旧Windows」は全体の8割を超える。この多数の「旧Windows」が今後どのように移行するのかは次項で解説しよう。

図1:旧Windows の利用状況 (Windows NT/2000を利用しているか否かを質問)
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旧Windowsの移行予定 - 「Windows 2003に移行する予定」が43.6%、「そのまま使う」は5割
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図2は、旧Windowsを利用している企業に今後のOS移行計画を質問した結果である。その結果は、「そのまま使う、使いたい」が51.9%、「Windows 2003に移行する予定」が43.6%、「UNIXに切り替える予定」が0.4%、「Linuxに切り替える予定」が1.7%となっている。
「Windows 2003への移行は順次進んでいる」という傾向は間違いない。第1回で述べたように、Windows 2003の部門別の利用率は2006年から2007年にかけて約10ポイント上昇して35.8%になっている。また、「Windows 2003に移行する予定」の企業が43.6%と高い。その相当数が実際に移行することになるので、来年の調査ではWindows 2003の部門別の利用率が5割を超えることになるだろう。
ただし、「旧Windowsをそのまま使いたい」割合も50%を超えている事実にも注目したい。新OSがリリースされているにも関わらず、旧OSを使い続けるという理由は何か?

図2:旧Windowsの移行予定 (Windows NT/2000を利用している企業に今後のOS移行計画を質問)
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旧Windowsの移行予定(企業規模別) - 特に年商10億円未満の企業では6割以上が「そのまま使う、使いたい」
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表1は、「旧Windowsの移行予定」を企業規模別に集計した表だ。旧Windowsの移行計画については企業規模と相関関係にあることがわかる。「そのまま使う、使いたい」は10億円未満の企業では62.1%であるのに対し、100億円以上では46.6%となる。逆に「Windows 2003に移行する予定」は10億円未満では31.6%だが、100億円以上では48.6%となっている。UNIXやLinuxは企業規模に関係なく移行予定にない。
年商 |
N |
そのまま 使う、 使いたい |
Windows 2003に 移行する予定 |
UNIXに 切り替える 予定 |
Linuxに 切り替える 予定 |
その他 |
10億円 未満 |
95 |
62.1% |
31.6% |
1.1% |
3.2% |
2.1% |
10〜100億円未満 |
448 |
54.7% |
41.7% |
0.2% |
1.3% |
2.0% |
100億円以上 |
352 |
46.6% |
48.6% |
0.6% |
2.0% |
2.3% |
未回答・不明 |
23 |
34.8% |
52.2% |
0.0% |
0.0% |
13.0% |
合計 |
918 |
51.9% |
43.6% |
0.4% |
1.7% |
2.4% |
表1:企業規模別旧Windowsの移行予定 (Windows NT/2000を利用している企業に今後のOS移行計画を質問)
10億円未満企業はサンプル数がやや少ないが、規模の小さい企業ほど旧Windowsを今後も使い、Windows 2003への移行に消極的な傾向が出ている。IT予算の少ない小規模企業はやはり移行には控え気味の傾向だ。相対的にIT予算に余裕のある100億円以上の大規模企業は「Windows 2003」への移行予定が高くなっている。
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著者プロフィール
株式会社ノークリサーチ 伊嶋 謙二
1956年生まれ。1982年、株式会社矢野経済研究所入社。パソコン、PC(IA)サーバ、オフコンなどをプラットフォームとするビジネスコンピュータフィールドのマーケティングリサーチを担当。とくに中堅・中小企業市場とミッドレンジコンピュータ市場に関するリサーチおよび分析、ITユーザの実態を的確につかむエキスパートアナリスト/コンサルタントとして活躍。1998年に独立し、ノーク・リサーチ社を設立。IT市場に特化したリサーチ、コンサルティングを展開すると同時に、業界各誌への執筆活動も積極的に行っている。
ホームページ:http://www.norkresearch.co.jp/
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