試験工程で利用可能な機能を比較する!
JDeveloperでの静的解析
JDeveloperでは、コーディング規約を遵守しているかをチェックする機能として、「コード監査」機能が搭載されています。コード監査では規 則及びコード測定をセットとしたプロファイルによって定義します。規則にはアクセス修飾子や例外、JSPエラーなどの項目があり、適用可否や重大度、スタ イルなどを選択できます。またコード測定ではメソッドのサイズや複雑度などについての閾値を定義できます。
コード監査を実行すると、選択したプロファイルに則った検査結果が問題ビューに表示されます。
そのほかにJDeveloper用の静的解析として「PMD」が拡張機能として提供されています。PMDは、FindBugsと同様に潜在的なバグを見つけるツールで、Eclipseのプラグイン版も提供されています。
ユニットテスト(動的テスト)のカバレッジ
カバレッジとは、「指定の網羅条件をテストスイートが実行した度合」のことで、つまりはテストの網羅率のことを指します。JUnitなどの動的テストについて、カバレッジによってテストに抜けがないかを確認できます。
Eclipseには標準でJUnitが組み込まれており、ウィザードを使用してテストクラスを作成することで、テスト実行メソッドなどが自動的に作成されます。なおJUnit 3系とJUnit 4系の両方がサポートされています。
Eclipseでのカバレッジ
Eclipseでのカバレッジ測定用のツールは数多く存在していますが、本連載ではEclEmmaを使用します。
EclEmma
JUnitをはじめ、TestNGやローカル環境におけるJavaアプリケーションについてもカバレッジ測定が行えます。以下のURLから入手できます。
EclEmmaを実行すると、ソースコードの各行の実行状況がエディタ上に3色でハイライト表示されます。図9の例では、緑色が完全実行、黄色が部 分実行、赤色が未実行となります。またCoverageビューでは、プロジェクト全体でのサマリー状況から各クラスのメソッドレベルまでドリルダウン形式 でカバレッジを確認することができます。
EclEmmaの面白い機能の1つに、複数のセッションのカバレッジ結果をマージする機能があります。これを利用することで、テストクラスによる試 験のほか、実際にアプリケーションを動作させて別の試験を行った場合など、両方合わせたカバレッジとして確認できます。
JDeveloperでのJUnitの利用
JDeveloperにはJUnit用のプラグインが拡張機能として提供されており、更新の確認ウィザードから別途インストールすることで利用でき るようになります。またEclipseと同様にウィザードを使用してテストクラスを作成することで、テスト実行メソッドなどが自動的に作成されます。なお JDeveloper 11gよりJUnit 4系のサポートが行われています。
作成したテストクラスを実行すると、JUnit実行結果がビューに表示されます。
JDeveloperでのカバレッジ
JDeveloperでのカバレッジ測定としては、JDeveloper 10g向けにCloverやJProbeといった商用の製品が提供されています。JDeveloper 11gにおいても正式リリース後の対応を期待したいものです。