試験工程で利用可能な機能を比較する!

2007年9月27日(木)
木村 聡宏竹添 直樹

JDeveloperでの静的解析

   JDeveloperでは、コーディング規約を遵守しているかをチェックする機能として、「コード監査」機能が搭載されています。コード監査では規 則及びコード測定をセットとしたプロファイルによって定義します。規則にはアクセス修飾子や例外、JSPエラーなどの項目があり、適用可否や重大度、スタ イルなどを選択できます。またコード測定ではメソッドのサイズや複雑度などについての閾値を定義できます。


コード監査の設定
図6:コード監査の設定
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   コード監査を実行すると、選択したプロファイルに則った検査結果が問題ビューに表示されます。

コード監査検査結果
図7:コード監査検査結果
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   そのほかにJDeveloper用の静的解析として「PMD」が拡張機能として提供されています。PMDは、FindBugsと同様に潜在的なバグを見つけるツールで、Eclipseのプラグイン版も提供されています。

ユニットテスト(動的テスト)のカバレッジ

   カバレッジとは、「指定の網羅条件をテストスイートが実行した度合」のことで、つまりはテストの網羅率のことを指します。JUnitなどの動的テストについて、カバレッジによってテストに抜けがないかを確認できます。

   Eclipseには標準でJUnitが組み込まれており、ウィザードを使用してテストクラスを作成することで、テスト実行メソッドなどが自動的に作成されます。なおJUnit 3系とJUnit 4系の両方がサポートされています。

JUnitの実行
図8:JUnitの実行
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

Eclipseでのカバレッジ

   Eclipseでのカバレッジ測定用のツールは数多く存在していますが、本連載ではEclEmmaを使用します。

EclEmma

   JUnitをはじめ、TestNGやローカル環境におけるJavaアプリケーションについてもカバレッジ測定が行えます。以下のURLから入手できます。


   EclEmmaを実行すると、ソースコードの各行の実行状況がエディタ上に3色でハイライト表示されます。図9の例では、緑色が完全実行、黄色が部 分実行、赤色が未実行となります。またCoverageビューでは、プロジェクト全体でのサマリー状況から各クラスのメソッドレベルまでドリルダウン形式 でカバレッジを確認することができます。

EclEmma実行結果
図9:EclEmma実行結果
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   EclEmmaの面白い機能の1つに、複数のセッションのカバレッジ結果をマージする機能があります。これを利用することで、テストクラスによる試 験のほか、実際にアプリケーションを動作させて別の試験を行った場合など、両方合わせたカバレッジとして確認できます。

JDeveloperでのJUnitの利用

   JDeveloperにはJUnit用のプラグインが拡張機能として提供されており、更新の確認ウィザードから別途インストールすることで利用でき るようになります。またEclipseと同様にウィザードを使用してテストクラスを作成することで、テスト実行メソッドなどが自動的に作成されます。なお JDeveloper 11gよりJUnit 4系のサポートが行われています。

   作成したテストクラスを実行すると、JUnit実行結果がビューに表示されます。

JUnit実行結果
図10:JUnit実行結果
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

JDeveloperでのカバレッジ

   JDeveloperでのカバレッジ測定としては、JDeveloper 10g向けにCloverやJProbeといった商用の製品が提供されています。JDeveloper 11gにおいても正式リリース後の対応を期待したいものです。

NTTデータ先端技術株式会社

大手SI企業を経て、NTTデータ先端技術株式会社に入社。前職では、約8年間JavaによるWebアプリ ケーションの開発に携わる。Eclipseを使用していると、ふとteratermでjavacコマンドを叩いていた頃を懐かしく感じてしまう。現在はテ ストプロセスの改善を行う業務で、テスト支援ツールの開発に従事している。

NTTデータ先端技術株式会社
NTTデータ先端技術に勤めるしがないプログラマ。最近はOSS、アジャイルをキーワードに活動しつつ、余暇を利用して書籍の執筆などを行っている。著書に独習JavaScript(共著、翔泳社刊)など。

Think ITメルマガ会員登録受付中

Think ITでは、技術情報が詰まったメールマガジン「Think IT Weekly」の配信サービスを提供しています。メルマガ会員登録を済ませれば、メルマガだけでなく、さまざまな限定特典を入手できるようになります。

Think ITメルマガ会員のサービス内容を見る

他にもこの記事が読まれています