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| 会議のモチベーション | ||||||||||||||||||||
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前回は、会議に臨む顧客側と開発側のマネジメントを行う者(プロジェクトマネジャーや仕様策定者)のモチベーションについてお話ししました。今回は開発側の実作業者が参加する会議を対象として、実作業者が会議に臨む際のモチベーションについて考えてみたいと思います。 |
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| 実作業者の会議におけるモチベーション | ||||||||||||||||||||
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「最大のリスクはリスクに気が付かないこと」 皆さんはこの言葉を聞いたことがあるでしょうか。このような考慮漏れについて、自分自身を振り返りながら、実際のプロジェクトで起こることをよく観察していると、多くの場合、「面倒くさい」という気持ちや「慣れ」などの低いモチベーションによって引き起こされる「思考停止」が原因であることが見えてきます。 実作業者が参加する会議は、ものづくりにあたって、実際にものを作り上げる役割を担う人々が持っている「リスクに関する情報」を収集する大切な機会でもあります。PMBOKでも「プロジェクト・リスク・マネジメントは、プロジェクト・チーム状況確認ミーティングにおける議題の1つとすべきである(リスク再査定:リスクの監視コントロールプロセスのツールと技法)」とあります。 実作業者の低いモチベーションの原因の多くはマネジメント側にあります。モチベーションを下げてしまう要因として考えられるマネジメントの言動には本当に様々なものがあります。 ここではあくまで「会議の現場」での例として話しますが、表1のようなことが実際に起こりえます。
表1:会議の現場で起こりえること プロジェクトマネージャーが、資料など何らかの(中間)成果物を作ることについて実作業者に指示する場合、その成果物についての詳細な情報が提示されるかというと、なかなかそうも行きません。とはいえ、ヘタに聞くとすかさず評価が落ちそうなので、とにかく(試行錯誤の末)作ってみて提示すると、何かしら問題点が(時には威圧的に)指摘され、次までに修正するという会議が繰り返されながらプロジェクトが進んでいくわけです。 これはマネージャーのイメージとして、もしかすると一般的かも知れません。自分もマネージャーになったら、このように仕事をするものと考えている(思いこんでいる)読者も多いでしょう。 この方法であれば、上位のマネージャーは常に強い立場でいることができます。しかし、見ようによっては、これは組織として極めて効率の悪い進め方であり、本来、マネージャーのプロジェクト運用能力やコミュニケーション能力・表現力を疑ってみる必要があると筆者は考えています。 現実これはプロジェクトが失敗へ向かいやすい方法で、コミュニケーションの軽視と減点主義的な考え方に対する恐怖などが絡み合って、プロジェクト破綻の悪循環におちいっていく場合があります。 能力の高い実作業者であれば、マネージャーの能力(少なくとも表現力)のなさはすぐに見通せます。1人の人が何から何まで上手くできるわけではないことは誰にでもわかるわけですから、マネージャーといえども、できないことはできないなりに協力を求めるなどすればよいのです。しかし変に隠そうとしたり、威圧的に自分の考えを通そうとしてしまうと実作業者側のモチベーションはガタ落ちです。 実際に問題指摘型を行ったことがあるマネージャーは、その時の自分の状況をよく思い起こしてください。もしかしたら、大した準備もしないで会議に参加しておきながら、何か言わないと仕事をしたことにならないような気分で、指摘できるところを捜しませんでしたか。 もっと悪いケースでは、自分ができていないことに気が付いていない上に、プロジェクトについての情報を持っている実作業者の話を聞こうとしない場合があります。これは自覚症状がないため、とても怖いことです。こんな記事を書いている筆者自身、いつどこで気がつかないうちにやってしまっているか、わかりません。マネージャーが恐怖を感じるべきことは「気が付くべきことに気が付かないこと」だと思います。冒頭の「最大のリスクはリスクに気が付かないこと」という考え方とまったく同じです。 また実作業者に何か作業を指示するにあたっては、できる限り最初から手直しをしなくて済むように、情報についての詳細な疑問点がなくなるまで説明すべきです。これは近代の品質マネジメントの「品質は計画・設計・作り込みによって達成されるものであり、検査によってではない」という考えにも合致します。 プロジェクトが滞りなく運ぶようにすることは、本来マネジメント側の役割分担なのですから、何か指示した成果物に繰り返し手直しが発生するという事実を受けて疑われるべきなのは、実作業者の能力ではなく、組織のマネジメント能力の方です。 |
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