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| トップダウン・アプローチでのIT戦略マップの活用 | ||||||||||
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今回はCIOが行うトップダウン・アプローチについて触れ、どのように業務にいかしていくかを紹介する。トップダウン・アプローチにはいくつかパターンがあるが、いずれもあるべき業務プロセスと情報システムの姿を描いて、それに向けて、一連の革新施策とシステム化の整合性をとって実施するものである。 ただし、「業務プロセスと情報システムのあるべき姿」は、人によってそれぞれ異なる。個人レベルの願望としての「あるべき姿」ではなく、経営の意思としていかなる姿を到達目標として設定するのかについては、関係者のコンセンサス(合意)を作っておかなくてはならない。この際に、IT戦略マップを社内外の利害関係者の合意形成の手段として活用することにより、組織をまたぐ横断的なプロセス改革や情報共有化において、組織間の意識統一をはかることができる。 トップダウン・アプローチをとる際、戦略志向パターンでは完璧さを求めて理想像を追求しすぎると、現実解への着地や一定期間内での成果達成が難しくなってしまう。一方プラクティス指向パターンでは、ベスト・プラクティスにこだわって自分の業務についてはたえず熱心に改善をするが、他の業務との関連にまでは気が回らずに、「木を見て森を見ない」努力になりがちである。また、プロダクト指向パターンでは、システムについては標準的なパッケージを導入することによってあるべき姿らしくなるが、システムを入れて動かすことが目的になってしまい、肝心な業務としての達成目標が忘れられてしまうことがある。 このような想いの違いを一本化するために、関係者が常に立ち戻って確認しあえる拠り所として、IT戦略マップを活用することが望ましい。 図1は製造業(上図)とネット販売業(下図)におけるIT戦略マップ例である。上図は受注生産品の供給において、設計・調達・生産の各システムをつなぎ、製品情報を業務プロセス間で共有して、製品仕様の変更を効率よく引き継ぐ仕組みを構築している。これにより、設計部門・調達部門・生産部門の連携を強化し、顧客の要求への対応力を高め、製品供給プロセス全体の生産性向上を目指している。 下図はインターネット販売業者が顧客管理システムと販売管理システムを連携させ、双方における情報活用を行うことにより、顧客層別の嗜好や購買動向の分析力を強化させている。顧客ニーズに沿った商品投入までの期間を短縮し、商品力を高め、顧客満足度の向上と増収を目指している。 |
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